本日は日曜画材研究の開催日でした!
『絵の具ハウツー 良くわかる染料・顔料絵の具』
講師はもちろんこの方、日曜画材研究専任講師の渡辺聡先生です。
まず始めに、本日のテーマ【染料・顔料絵の具】についての説明です。
「タイトルにはありますが、実際には染料絵の具というものはありません。
染料はいわゆるインクで、絵の具はすべて顔料です。」
染料と顔料の違いは、色の粒子の大きさです。
染料は粒子が細かいため紙の繊維に染み込んでいき、逆に顔料は粒が大きいため紙の上に乗るというイメージです。
(染料と顔料の粒の大きさの違いは100~1000倍くらいもあるとのことです)
本日の板書より
絵の具にも染料系と呼べる粒子の細かいものがあり、今回は透明水彩でその染料系絵の具の性質を活かしながら制作していきます。
今回先生が透明水彩の中から染料系絵の具として選んだのはインディゴブルーです。
インディゴブルーは粒子が細かく、他の色より染みていきます。
絵の中で使うと奥に引っ込んでいく色味で、美術用語では退色と呼ばれています。
そして、そのインディゴブルーとは反対に不透明度が高く、絵の中では前に出てくる色味として、
コバルトブルーを用意します。
このインディゴブルーとコバルトブルーという、性質の異なる色による影の描き分けを、本日の講習会では制作を通して学んでいきます
午前中は演習として、柿のモチーフ写真を見ながら描いていきます。
器の影は、 インディゴブルー+カドミウムレッドM
柿の影は、 コバルトブルー+カドミウムレッドM
というように、絵の具の性質を活かして描き分けていいます
色の扱い方に一工夫をすることで、説得力のある美味しそうな柿が出来上がりました
続いて昼からは本制作に入ります。
午前中の演習を活かして、今度は石造りの建物を描いていきます
下描き
透明水彩による塗り重ねは、明るい所から塗っていきます。
先生も皆さんの前で同じモチーフを描きながら説明していきます。
暗い部分や影の部分には、絵の具の性質を考えながらの使い分けが活きてきそうですね。
一人ずつ丁寧に指導されています。
細かく指示が書き込まれた板書を前に説明する渡辺先生。
建物の質感、雰囲気が出てきました
制作終盤にになって分かってくるインディゴブルーの特徴として、色が均一になり過ぎる、ということがあるそうです。
染料系なので、紙に染み込んでいくことから起こる現象には、注意も必要です
染料系のインディゴブルー、顔料の大きいコバルトブルー、上手く使い分けて制作していただけたでしょうか。
皆さん集中されており、午後からの制作時間はあっという間に感じられました
最後に合評が行われました!
先生が一人ずつ講評していきます。
受講された皆さん、お疲れさまでした
次回の日曜画材研究は12月4日、テーマは『物の描き方 初めてのグラスのある静物』です
こちらの講座はすでに満席のため、キャンセル待ちでの受付中となっております。
日曜画材研究の詳細・お申し込みは、サクラアートサロンHPから!
次回のブログレポートもお楽しみに~
(まりも)