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関西の小さな美術館を訪ねるシリーズ 第1回(レポート)

2019-05-10 14:14:33 | Weblog

関西の小さな美術館を訪ねるシリーズ 第1回
『堺アルフォンス・ミュシャ館→和泉市久保惣記念美術館』レポート

日時:2019年3月3日(日)10:00〜16:00

<堺アルフォンス・ミュシャ館>

JR「堺市」駅(大阪駅から関空快速で約30分)から直結している多目的文化施設のベルマージュ堺弐番館の2階〜4階に「堺アルフォンス・ミュシャ館」があります。企画展「サラ・ベルナールの世界」展の最終日に駆け込み、ご担当の西川学芸員にご案内をいただきました。

なぜ、堺市にミュシャのコレクションがあるのか、その関わりのお話から始まりました。

堺市は、株式会社ドイの創業者である故土居君雄氏(1926-1990)が収集した約500点にのぼるアルフォンス・ミュシャの作品を所蔵。その土居氏はミュシャの実息ジリ・ミュシャ(イジー・ムハ)氏との公私にわたる親交によって、ミュシャの大型の油彩画や下絵など貴重な作品を加えたコレクション形成に尽力されたそうです。土居氏の没後、コレクションは大阪時代に住まいを構えた堺市に寄贈され、2000年より堺市立文化館アルフォンス・ミュシャ館にて展示公開されています。

今回の展示の主役である、ミュシャのモデルとして有名なサラ・ベルナール。彼女は女優であり芸術家で、プロデューサーでもありました。ミュシャの才能を開花させた美のパトロンでもあり、今回の展示では、その彼女の肖像画をはじめ、ポスター、写真、銀食器、実際に着用したイブニングドレス、そしてルネ・ラリックの作った舞台用冠なども展示。少し駆け足でしたが、アール・ヌーヴォーの時代を垣間見ることができました。

その後、西川学芸員とランチもご一緒し、コレクションの数や収蔵についてざっくばらんにお話ができ、実りある時間を過ごしました。

 

<和泉市久保惣記念美術館>

午後からは、和泉市久保惣美術館に車で移動。通りがかりに見つけた、赤い看板「KUBOSO」にはびっくり。夜になるとネオンが光るそうです。
 

和泉市久保惣記念美術館は、1982年に開館した和泉市立の美術館です。日本と中国の絵画、書、工芸品など東洋古美術を主に所蔵しています。名前となっている久保惣株式会社は、明治時代からおよそ100年にわたり綿業を営んだ企業で、1977年の廃業を機に三代惣太郎氏が代表して、所縁の地である和泉市の地域文化発展と地元への報恩の意を込め、美術品、および美術館の建物、敷地、基金を和泉市へ寄贈。1982年10月に、寄贈者を顕彰する館名をつけ、久保家旧本宅跡地に開館したのが「和泉市久保惣記念美術館」です。

 

今回訪問したときの展覧会は「愉しき源氏絵―土佐光吉と浮世絵版画から―」。上仁学芸員によるギャラリートークに参加しました。

桃山時代の土佐派を代表する土佐光吉が絵を描いた「源氏物語手鑑」(重要文化財)をメインに、江戸時代の浮世絵師・三代歌川豊国(初代国貞)や二代歌川国貞などが手掛けた浮世絵版画による源氏絵が展示されていました。平安時代に紫式部が著した『源氏物語』に取材した古典の源氏絵と、江戸時代後期の戯作者柳亭種彦が著した『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』の挿絵に端を発する当世風の源氏絵、この二つの源氏絵の世界を楽しむことができました。また、桃山、江戸、明治と同じ場面を並べて展示し、視点や筆致の違いを知る趣向が興味深いものでした。

一般解説が終わったあとに、上仁学芸員より特別に館の説明をいただき、収蔵品についての質問にも丁寧に答えて下さいました。この美術館は展覧会だけでなく、コンサートや学習の場としても広く市民に活用されています。

庭園内にある惣庵(非公開)と聴泉亭は、表千家不審菴、残月亭を写して建てられた茶室ですが、昨年の地震と台風の影響で、安全性のために公開が中止されていました。また倒木の被害のあった庭園のリニューアル工事も進められていました。

 

<事務局より>
関西にはコンセプトにこだわった小さな美術館が数多くあります。そこにはこだわりの思いと作品が空間につまっています。それらを体験していくことは美術を味わう視点を広め深めていく一助になります。次の企画をお楽しみに。

 

 

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