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映画、読書などのメモ

あの夏の子供たち

2018-01-18 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★あの夏の子供たち
監督:ミア・ハンセン=ラヴ
キャスト:キアラ・カゼッリ、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、他
2009/フランス

溢れる光と瑞々しい色彩は活気ある街の装い。
日常のざわめきと光と闇が生きる人の肌と融け合う。
これほど好ましくも美しい街はないというくらい自然なカメラワーク。
絵画でいうところの印象派の空気感である。
初期のモネ、シスレーなどのネイティーブな自然な描き方。

本作は、2009カンヌ国際映画祭《ある視点》部門の審査員特別賞を受賞。
僕には賞としての価値はまったくわからないが、人を釘付けにする魅力ある作品だと思った。
この作品の監督・脚本 はミア・ハンセン=ラブ。
此の人自身も何処か俳優っぽい。

あの「夏時間の庭」を撮ったオリヴィエ・アサイヤスの子供を昨年産んだとか。
えっ、二人は結婚したの? 
フランスではそんな野暮なことはどうでもいい。
ただ、何処となく、空気が似ている。
やっぱり印象派である。
彼女の写真はこれまた何処かマネの絵のようだ。

色彩の瑞々しさとともに所々に流れる音楽のメロディーの心地よさがこの作品のもう一つの魅力。
何処かで耳にしたような、口ずさみたくなるようなノスタルジックな流れ。
弦楽器の繊細な響き。

そしてラスト重苦しい空気を吹き飛ばすように「ケ・セラ・セラ」。
全てが解き放たれ、想像世界が広がる。
人生には何が起こるかわからないのだ。