アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

福岡で出会った美術館

2013-01-20 | 美術館
  

先日の連休に福岡へ旅行に行きました。初めてLCCを利用!うー、噂に違わず、座席はめっちゃ狭かったです。すぐ着いたからガマンできたけどね。

今回訪ねたのは「福岡アジア美術館」。世界に唯一の近現代のアジアの美術を収集・展示する美術館として以前から注目していました。
福岡って地図で見ても大陸に近い!古来からアジアからの窓口としての役割を果たし、アジアとの交流を深めた地域であったことから、このコンセプトの美術館が設立されたそう。また、「福岡アジア美術トリエンナーレ」というアジアの現代美術が一堂に会するというイベントも3年に1度開催されているとのことです。

今回の訪問では「渓山清遠 中国現代アート・伝統からの再出発」という企画展が行われていました。正直言って、中国の現代アートをじっくり見るのは今回が初めて。アート・バブルでめちゃくちゃ高値がついている、とか、一部の有名なアーティストについては見聞きしていましたが…。
この展覧会は、これまで中国の現代アート界を席巻していた流れとは異なる、伝統的な絵画に回帰しながらも独自の表現を試みる、若手アーティストの作品を展示するものです。
テーマはきわめてわかりやすい風景画が多かったです。何せ30~40代の若い画家が、つい最近描いたような作品ばっかりだから、なんか作品がピチピチして眩しい感じ。いろいろな表現があっておもしろかったんだけど、特に何名かの画家による、具象画なのに超厚塗りの、絵具のツヤツヤした質感残りまくりの絵が珍しいな~と思いました。(抽象画ではありがちだと思うんだけど…)まだ油絵具の匂いが漂ってくるような…生々しい絵具の痕跡。
その他にも、粗い布地や羽のように薄い絹の上に絵が描かれていたりして、やたらと絵の材質感みたいなものが浮かび上がって来る作品が多かった気がして興味深かったです。

コレクション展でも「中国1979-2009 現代美術の軌跡」と「ガンゴー・ヴィレッジと1980年代・ミャンマーの実験美術」という、ホント他の美術館では見られないような展示を楽しめました。特に中国の現代美術については、時代背景とかも含めて、もっと知りたいな~と、すごく興味わきました。ミュージアム・ショップで適当な書籍がなかったのが残念です。

次に福岡旅行のお約束「太宰府」へ。いやあ~えらい人出でした。アジアからの観光客も多かったです。
この太宰府天満宮の宝物殿企画展示室では、なんと!「フィンランドテキスタイルアート 季節が織りなす光と影」という展覧会が行われていました。なぜ太宰府でフィンランド?そんな疑問はどうでもよくなるような、すごく意欲的な展示だったと思います。
フィンランドと日本の美しい自然と密接に関わったデザイン感覚や美意識をさぐることをテーマに、マリメッコのデザイナーを初めとする3名のテキスタイルデザイナー(日本人である石本藤雄さんのも!)の作品展示と、あと真ん中に日本画家・神戸智行さんによる作品と神社の装束が展示された部屋があって、そこで川の流れのようにいろいろな宝物を展示しているのが、すごくおもしろかったです。このクリエイティブな展示をされた学芸員さんには拍手を贈りたい!
また太宰府の境内にも、インテリアデザイナーimaによるマリメッコのファブリックを使ったインスタレーションがひっそり展示されていて、いやあ、太宰府でこんなアートが楽しめるなんて!!サイトを見ると、さまざまなアートプログラムも行われているようです。由緒あるけどおもしろい場所だなあと思いました。

福岡、おもしろいところです。食べ物も美味しいし(ラーメンにはまりそうです)またぜひ訪ねたいです。

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