阪急うめだ店の、32番街との間の通路に面する7つもある大きなショーウィンドウは、さまざまな凝ったディスプレイで百貨店のトレンドを発信し続けている"名物"の場所。クリスマス・シーズンの「リサとガスパール」のウィンドウは子どもたちに大人気である。
さて、そのウィンドウ全面に、今、アーティスト・鴻池朋子さんの作品が展示されている!
「日本の美意識 再発見、日本の自然を纏う」と題して「花・風・水・月・鳥・山・海」の7つをテーマとした巨大な作品たち。もの凄い迫力で、こんな作品たちを見ることができるなんて、美術館にも勝る贅沢さ。驚きとともに、めっちゃ嬉しかった~。
鴻池朋子さんは、東北のご出身で、絵画・彫刻・アニメ・絵本等、多彩な手法を駆使したインスタレーションで現代の神話を描き出している。オオカミのモチーフが印象深い。
さて、このウィンドウ、テーマだけ聞くと「ナチュラル」な感じだが、全然違う!野生の匂いがプンプンするというか、「土着」や「民俗」という言葉が思い浮かんだり、材料も皮革だったり、鉱物だったり、鳥の羽だったり…、はっきり言ってハードな印象を与える作品たち。こんな展示をしてしまう阪急百貨店に脱帽です。
写真は上から「花・風・水・月・鳥・山・海」。「水」は、この前の日曜美術館で、尾形光琳の「紅白梅図屏風」に触発されて作られていた作品ではないか!ワーオ!
すごいでしょう!おもしろいでしょう!!向かいの某銀行のサインが写り込んでいるあたり、いかにも路上のアートって感じでしょう??
実際、この見ているシチュエーションも特異だ。本当に美術館の静謐な空間でじっくり見るに値する素晴らしい作品たちを、通勤の群衆が行き交う通路で眺める。こんなにもスゴイことになってるのに、気を留める人がほとんどいない。人ごみの中なのに、私と作品はひっそりと隔絶されているかのようだ。
そしてまた、この作品とともにしつらえられたキッチュな世界!「水」の作品のうしろにブルーのモール吊るしたり、「山」には作り物の木々をあしらったり、「海」の作品の後ろに波のカッティング貼ったり、美術館ではまるで考えられない!それでも負けない作品の力がある。ホントにド迫力です。
でも、阪急百貨店のHPなどでも、全然情報が見当たらないんですよね。ヨカッタ~、Twitterやってて。
こんなめったとない機会、ゼッタイ見逃すべきではない!現代美術ファンは、今すぐ梅田へ向かおう!だってタダなんやで~!
Twitter情報によると、6月8日(10~20時)までだそうです!ぜひぜひ!