ずいぶん前から話題になっていた、京都国立博物館開館120周年記念展覧会が、いよいよ始まりました!展示作品、すべて国宝!しかも、4期に分けて展示替えをしながら約200点がお目見えします。訪ねる時期によって、見られる作品が変わりますので、いつ行くかも重要なポイント。
ということで、早速訪ねてまいりました。とにかく大混雑が予想されるので、まだマシと言われている夜間開館を狙いましたが、それでもかなり混んでいました。オープニングⅠ期の最大の見どころは、雪舟。どの画家よりも多くの作品が国宝に指定されている雪舟、その6点が一堂に揃いました。
伝統的なようで斬新な、なんだかワイルドな印象の風景画5点と、タイプの異なる21世紀に入って国宝指定された「慧可断臂図(えかだんぴず)」。達磨大師の逸話をあらわした劇的な場面なのだけど、人物が妙に困惑した表情で、しかも人物の顔と背景の岩はすっごく細密描写なのに、衣は、グイグイとした単純な太い線だけで表現されている。その対比がとっても不思議な感じで、何だか、ヘン(?)な絵なのです。そのへんのことろは、山口晃氏の「ヘンな日本美術史」を参照するとおもしろいです。
作品展示は、12ジャンルに分かれているのですが、まずお目当ては「考古」。岡本太郎も驚愕の火焔型縄文土器。ニョキニョキした縁の装飾は、すごい強い生命力が宿っているようで迫力があります。そして同じく縄文時代の土偶が3点。すごい造形だなあ~と感心します。想像力があるようで、実はとっても写実的なのかも。どんな人が何のために作ったのでしょうね。
この土偶にも、また、同じ弥生時代の銅鐸などにも見られたのですが、刻まれているグルグル渦巻模様が興味深かったです。ケルトとか、全世界で見られる渦巻模様の持つ意味って…世界の始まり?
次のお目当ては「絵巻物」!残念ながら「源氏物語絵巻」はまだ展示されていなかったのですが(Ⅲ・Ⅳ期)、「信貴山縁起絵巻」とか「病草紙」とか、いきいきとした物語を追っていくのが、めちゃめちゃおもしろかったです!もっといっぱい見たいなあ…。
絵画のもうひとつの目玉は、俵屋宗達「風神雷神図屏風」。「琳派展」以来の再会です。相変わらず、愛くるしい風神・雷神さま…。尾形光琳の「風神雷神図屏風」は、国宝ではないのね…、でも「燕子花図屏風」は出品されます(Ⅳ期)。これも、ぜひ見てみたいですね~。長谷川等伯の「松林図屏風」はⅢ期出品です。うまく散らされております!
この展覧会の予習・復習には、これがおススメ!
BRUTUS(ブルータス) 2017年 10/15号[特集 国宝。]
日本美術ご専門のライター橋本麻里さんによる編集、いろいろな興味深い切り口で、ほぼすべての作品を網羅し、しかも綴じ込みの展覧会パーフェクトガイド付き!
1回行くと、ハマってしまう「国宝」展。あれもこれも見たくなってしまいますね。ますます混雑が予想されますが、貴重な機会なのでぜひ。
展覧会は11月26日(日)まで。現在、Ⅱ期(~10/29)で、Ⅲ期(10/31~11/12)、Ⅳ期(11/14~26)と続きます。出品作品の詳細はこちらから。