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竹林に吹き渡る風の音~江馬細香(2/5章)~

2008年08月09日 | Weblog
 文人同士としては理想のカップルと思われたふたりが、なぜ結婚
しなかったのかは、当人たちも彼らにごく近い人たちも黙して語らず、

なので推測の域をでませんが細香の師・山陽への思慕がどれほど
抑えがたいものであったかを詠んだ作品を紹介しましょう。


……双浮双浴  緑波微かなり  解せず  人間(じんかん)に別離あるを
      戯れに連芯を取りて   池上に擲(なげう)ち
      分かれ飛びて  汝が暫(しばらく)く相思わんことを  要(もと)む…… 

 
 細香、34歳のときの詩です。池に仲睦まじく浮かぶ鴛鴦(おしどり)に
思わず、蓮の実を投げつける・・・。

 しばらくの間だけでも分かれていらっしゃい、
                    そんな心だったのでしょうか。

 
 墨絵や淡彩画のような作品が多い中で、極彩色の絵を連想させる
この詩は細香の心の裡の山陽への通用性を表しているのではないで
しょうか。

 この師弟の間で特に興味深いのは、作品とその批正において、
追えば逃げる、逃げれば追う、ではなく、ほとんどは細香が追い、
山陽はたじたじ気味なのです。

 
 あるときの細香の作品などは、師・山陽に向かい堂々と
                          (口語で書かせていただきました)


……「先生はわたくしに逢いに来てくださるとおっしゃいました。
   それはいつの頃でしょうか、とお訊ねすれば、“春風が柳の
   わたを飛ばす頃”との詩を賜りました。

  
   あの詩の中の“雪のように白い柳の花”の語が、今ではわたくしの
  鬢の白さを指す 言葉になろうとは思いませんでした。
             先生はあの詩を覚えていらっしゃるでしょうね」……


……と詠いあげて発表しているのです。

 対して山陽はとくれば

……「も、もちろん、お、覚えていますとも・・・・・」と、なんとも
   歯切れの悪い批正が並び、余白に『凄絶』と朱註があります。

 日本では、平安の昔から極言すれば『蜻蛉日記』や『和泉式部日記』に
見られるような、暴露本が女性によって残されています。

 
 けれど男性側からは言い訳めいたもの、弁解めいたものは何も
残されていません。

 
 細香の山陽に向けた作品は、これ等の作者たちと同じ視点から
詠まれたのでしょうか。

 
 そのなかで唯一山陽が挽回したともいえるのが、細香が源氏物語から
題材をとった“空蝉”に対する山陽の批正です。

 
 次回は“空蝉”からふたりの心を読み解きたいと思います。


★。.:*:・☆。.:*:・‘゜★。.:*:・‘゜☆。夏木 友 ☆。.:*:・‘゜★。.:*:・‘゜☆。.:*:・‘゜★
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