・QBマレイは20秒パスターゲットを探し、最終的に自ら走った
□Kyler Murray's 21 Seconds To Score Two Crucial Cardinals Points (チーム公式サイト9月19日月曜の記事)
・TEザック・アーツはエンドゾーンの奥と手前を行ったり来たりした。公式には21秒弱だったが永遠のように感じた。
「あのときはオープンになれる場所をひたすら探そうとしていた。相手はDrop 8(3人ラッシュで9人がパスカバーに下がる)だったと思うからディフェンスの人数が多かった。みんなで準備運動してるような状況の中で彼(QBマレイ)がメイクプレーするためオープンになろうとしていた」(アーツ)。
勝つためのわずかなチャンスが残るかどうか分かれ目となる2Pコンバージョンを狙っていた。
QBカイラー・マレイは2020年のHail Murray(第10週BUF戦で終了間際にWRデアンドレ・ホプキンスへのヘイルメリー・パスが通って逆転勝ち)のようにSNSでバズったりハイライト映えする無比のスキルセットを持つ。
このプレーでは約85ヤード走り、公式記録で2ヤードの2P成功ランを最終的に決めた。
カーディナルスは試合終盤に敵陣5ヤード地点位内から数多くのプレーをした。1つ目の2Pコンバージョンもそうがだ2つ目はディレーオブゲームの反則で罰退になったため7ヤード地点からだった。キングスベリーHCはプレーシートの選択肢を使い切っていたことを認めた。
1つ目の2Pはアンバランスなフォーメーションだった。TEザック・アーツがLT D.J.ハンフリーズのすぐ左に立ち、WRハリウッド・ブラウンはRTケルビン・ビーチャムのすぐ後ろに下がった。TEスティーブン・アンダーソンはWRブラウンの右にいた。
WR A.J.グリーンは右のスロット、RBダレル・ウィリアムズはアウトサイドWRの位置にいた。QBマレイはギリギリまでボールを持ってチャンスを窺った。
QBマレイは「かなり長かった。ラッシュしてくるのは2人か3人だからオレがタックルされることはない。動いてオープンになる人を見つけてメイクプレーすることを望んでいた。オレはハドルの中で『これを取るぞ』と言った。16点差だったはずだ。2Pコンバージョンを取れなかったらかなり厳しくなる」。
LVは3人がラッシュ、8人が下がってエンドゾーン内でゾーンカバーした。DTジョナサン・ハンキンズはスナップ直後からダブルチームされマレイを捕まえるチャンスはほとんどなかった。
マレイはプレー中にDTケンドール・ビッカーズとDTアンドリュー・ビリングスをやすやすとかわした。このときWRグリーンがエンドゾーン奥で手を上げたが、マレイはそちらを見ていなかったしグリーンは実際にはオープンになっていなかった。
時間だけが経っていった。マレイは20秒間DLに邪魔されることなくターゲットを探していた。
最後にマレイはブロッカー陣とラッシャーを置き去りにして10ヤード地点の右ハッシュマークあたりまでいったあと左サイドラインのパイロンまで一直線に進んだ。元チームメイトのOLBチャンドラー・ジョーンズらにはノーチャンスの角度だった。
CBネイト・ホッブスだけが寄ってきたが近付くことはできなかった。
点差は8点だけになった。3Q途中まで敗色濃厚だったチームが爽快な勝利。すべてはクロックは進まないがこの試合で一番長いプレーが拍車をかけた。
「カイラーが後半のオレたちに勝利を望ませた。信じられないことだが、驚いてはいない。素晴らしかった」(TEアーツ)。
(たった1プレーをフィーチャーした記事は珍しい。相手はブリッツ無しの3人ラッシュでパスカバーに軸、アリゾナは2WR・2TEでサイズに主眼、という駆け引きも見えてくる)。
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