有田芳生の『酔醒漫録』

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敗戦記(7)

2009-11-27 11:24:21 | 政談

                         敗戦記
       小沢一郎流「どぶいた選挙」を闘って(7)  
                                                           有田芳生

 小選挙区での経験はとても貴重なものであった。「敗北を抱きしめて」次なる課題に向わなければならないと思うのは、大きな課題を発見したからである。視野に入っていなかったそのテーマは、私にとってはまさしく「発見」であった。これまでオウム、統一教会、カルト教団や北朝鮮による拉致問題などに取り組み、それを国政での基本テーマにしようと考えてきた。テレビ業界、演劇、音楽、スポーツ分野からもいくつかの課題を相談されていた。それぞれに改善や解決を必要とする大切なテーマだ。

 ところが練馬、板橋での2年間の政治活動を続けるなかで、日本全体の今後にかかわる大問題を発見した。これは私個人が選挙で敗北しようと厳然たる「時代の課題」として残されたままだ。ありていにいえば、どの政党も政治家もほとんど主張しないからこそ、問題なのだ。いま大きく報じられている予算のムダを省く作業は日本政治にとって必須の仕事。しかし税収が落ちているいま、日本に求められるのは「富の配分」から「富の創造」への転換なのだ。

 選挙時のチラシでも書いたが、「成熟社会」における居住モデルを創ることである。これは医療・福祉・介護・環境を中心とした産業構造に転換していく課題と結びついている。少子・高齢時代が進行しているにもかかわらず、新しい時代を先取りした政策提示と実行はあまりにも遅れているのだ。介護の仕事が増えたところで日本経済全体にはあまり影響を及ぼさないという意見がある。これは「木を見て森を見ない」たぐいの議論であり、内田樹さんの指摘によれば、「この問題に触れていない」といった狭い学界的な発想にすぎない。

 たとえば板橋区の高島平団地を見てみよう。日本全体の高齢化率(人口に占める65歳以上の比率)は23パーセント。ところが高島平団地では36パーセント(「高島平新聞」独自の調査)で、数年後には「団塊世代」の退職によって50パーセントを超える。独居も増えており、何よりも足腰の弱る世代にとってエレベーターのない団地(すべての居住棟ではない)は苦痛だ。1972年に完成した「東洋一の団地」も、いまや47年の時間が経過、居住者も高齢化したが、建物そのものもいずれは立て替えなければならない。ここにポイントがある。

 関東大震災が起きたとき、あるいは終戦後に再建された都市はいわば「バラック復興」であり、充分に計画されていたわけではなかった。未来を見据えた都市計画なき日本。それはいまの東京を見れば誰にでもわかることだ。作家の須賀敦子さんが亡くなる前、入院している病院屋上から東京を見渡して「いつからこんな都市になったのか」と嘆いたとおりの現実がある。そこにメスを入れ、新しい日本社会を創っていかなくてはならない。(来週に続く)

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