有田芳生の『酔醒漫録』

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日垣隆の『知的ストレッチ入門』

2006-09-23 09:30:15 | 読書

 9月22日(金)目黒で取材をしてから自民党本部へ行った。インタビューは森派の衛藤征士郎議員。元防衛庁長官で現在は自民党の行革推進本部長である。終ったところで「安倍晋三と統一教会」についての雑談をした。その内容はこういうものだった。「衛藤さんはかつて国際勝共連合が推薦をしていましたよね。いまはどうなんですか」「ああ、あれは選挙になると有権者に電話などをして協力してくれたんです。いまは『勝共推進議員』などという組織はないんじゃないですか」「何の接触もないんですか」「霊感商法でしょ。あれからきっぱりと関係を絶ちました。自民党でもそう判断した議員が多いですよ。祝電を求められてもいっさい出しません」「北朝鮮を財政的にも支援していることで安倍さんも批判的でした」「そうでしょう。議員会館のなかを関係者がよく歩いていますよ。いまでも協力している議員もいますが、霊感商法に北朝鮮じゃあねぇ。話になりませんよ」。こんな話をしていてわかったことは、統一教会がいまでも日常的に国会議員に接触をしていることであり、関連組織の集会に祝電を求めているという事実であった。統一教会の国会対策の責任者はOだと信者は教えられているが、実質的には霊感商法の張本人のKだと政府筋は把握している。売店で「憲法改正のポイントー憲法改正に向けての主な論点ー」という20円のパンフレットを買う。汐留の日本テレビに戻り、近くの書店で日垣隆さんの『知的ストレッチ入門』(大和書房)を買う。帯には「地道な努力にサヨウナラ すぐに使える21世紀版知的生産の技術」とある。ぱらぱらと眺めて、これは売れるなと思った。編集者時代の癖が抜けず、1ページの字数がすぐ気になってしまう。数えれば15行。すぐに読んでしまった。日垣さんがメルマガで書いていたが、このタイトルだけで判断して不勉強な書店員はスポーツコーナーに置くこともあるだろう。本を探しにくい三省堂書店本店がどこに置いているかをそのうちに見に行くつもりだ。

060922_15210001_1  この本は日垣流のノウハウが公開されているので、とても刺激になる。仕事のスタイルはそれぞれだ。日垣さんの机周りが整然としているのでかつてこの眼で見て感嘆したものだ。それに比べていまこの机の周囲は混とんである。これからも日垣さんの仕事場のようにはならないだろう。なぜかといえば、ズボラだからだ。もはやそれでいい。これが自分のスタイルだからだ。それでも他者の仕事の方法は参考にしたほうがいい。自己流を日垣流と比較することで見えてくるものがある。こんどの日垣本のカバーになった資料整理箱などはそう遠くないうちに真似たいと思った。日垣さんが「憧れの」と評した南伸坊さんが装幀を担当したが、そこに書類ラックの写真を使ったことは、やはり印象的だったのだろう。知的生産の技術系の書籍は何冊もあるが、それを参考にして自分なりのノウハウを確立していけばいい。わたしの場合は京大式カードを使ったこともあるが、それも一時のこと。抜き書きなどをしなくなったからだ。いまはテレビの取材時には「RHODIA N。 11」を、インタビューの準備メモには「伊東屋」の「LEGAL PAD」を使ってる。他者の「方法」を読むのは楽しいものだ。そういえば飲み友達の岩田一平が編集長として10月14日に創刊する「朝日新書」の第一弾のなかに外岡秀俊さんの『情報のさばき方』がある。ジャーナリズムで仕事をする者にも参考になる内容だと聞いている。創刊12冊のなかではこれだけを読むつもりだ。電話で言ってしまった。「外岡さんのは楽しみだけど、あんな変なヤツのなんて出さないでよ」。