心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

五月の涸沢、北穂へ、その1。

2018-05-11 22:00:00 | 登山
新緑を求めて。
新緑だけでなく、今の時期でしか見られない山の景色を、となると、前々から考えていた涸沢と北穂高岳に行きたくなった。

晴れの予報は何処へやら、上高地は厚い雲が垂れ込めている。



六百山方面は明るくなってきた。このまま晴れてくれるだろうか。



明神岳は雲に覆われ、姿を隠している。残念。



野鳥の囀りとせせらぎの音が心地良い。上高地は水の森だと感じ入る。



お天気がはっきりしないせいで二輪草も花弁を閉じている。



徳沢に着いた頃から降って来た。雨かと思いきや雪。でも5月の雪なのですぐに溶けてしまう。



徳沢から横尾の間、いつもなら梓川越しに前穂が見えるが今日は雲の中。



横尾から先、屏風岩も雲に包まれている。見えない分、却って迫力を感じる。



この辺りから周りの景色が霞んできた。きっと涸沢も雪だろうな。



本谷橋が掛けられている。いつぞやの年はスノーブリッジを渡ったのに。やはり今年は雪解けが早い。



夏道沿いに歩いて行き森を抜けると、視界が開ける。



涸沢はまだ遥か先の谷の向こう。なだらかな道だが果てなく続く気がする。



前へ進んでいるはずが、視界が霞んでいるせいか余り景色が変わらない。



ようやくポツリと涸沢ヒュッテが見えてきた。この辺りから段々傾斜がキツく感じられる。



ヒュッテまでもう少しだが、中々近づかずしんどいが、ここが我慢のしどころ。



到着し、テントを張ってしまえば、ゴロゴロと寛ぎの一時。
時々雲間から青空が覗くも、風が吹き付け雪がテントを叩き付ける。



この日は結局雲が取れないままで、夜間も風が収まらず、テントが煽られっぱなしだった。



明日は果たして北穂高岳へ行けるのだろうか。このまま敗退となってしまうのか。
(続く)

GWの唐松岳、五竜岳へ、その2。

2018-05-01 06:00:00 | 登山
日中はあんなにも暑かったのに、深夜になると、ジワジワと冷え込んできた。外を覗いてみると、月の光に照らされた山々が浮かび上がっていた。
こういう神秘的な夜の光景を気軽に見られる故、テント泊はやめられない。

こちらは明け方の光景。残月と劔岳。



夜明けと共に、五竜岳へ向かう。
緩やかに登ると、展望が開け、眼下には「牛首」の下りが待ち構えている。鎖があるものの、予想以上の嫌らしさだった。



脆い岩場を下り切り、鞍部に降りてホッと一息入れる。



所々残雪が出てくる。まだ朝早いため、凍っているので用心のため、アイゼンを付ける。



大黒岳を緩くトラバースするように登山道が付けられている。五竜岳までの道程はまだ遠い。



ハイマツが途切れた所で振り返ると、「牛首」が端正な姿で聳えている。改めてあの標高差を降りてきた事を実感する。



少しづつだが、五竜岳が大きくなってきた。



この先はアップタウンがあるものの、緩やかな夏道に沿って歩いて行く。



遠見尾根との分岐まですんなり来ると、GW休業中の五竜山荘が見え、そして真正面に五竜岳が全容を見せる。


小屋横の登山道を上がって行く。
次第に雪が道を覆い、アイゼンを着けないと心許なくなってくる。


そして、最後の難関である雪壁が待ち構えている。
ここでピッケルも使用してよじ登っていく。



息を切らしながら登り切ると、待望の山頂が現れる。
今回の登山の苦労が報われた一時。



劔岳が一際目立つ。


今まで隠れていた鹿島槍ヶ岳が見える。


振り返ると、今迄歩いてきた道程が見え、感慨深い。



この時期残雪歩きだけでなく、岩稜歩きまで出来た充実登山だったが、これもお天気に恵まれたおかげ。
でもどこか物足りなく感じるのは山麓の新緑を歩いていないせい。今は無性に新緑が恋しい。

(終わり)