ヘビメタさんが来りてヘヴィメタる

伝説の番組「ヘビメタさん」。
その意志を勝手に引き継ぎヘヴィメタルの布教に努めます。

長崎旅行記 その2 ~遠藤文学コース~

2008-09-25 23:22:48 | 番外
長崎に行ったのは、もう1ヶ月前なんですね・・・
そう1ヶ月間ネタを熟成させていた訳です、という言い訳です。

長崎に旅行に行った最大の理由は浦上天主堂及び大浦天主堂を観たかったからです。
両天主堂は日本におけるキリスト教の歴史に於いて重要な意味を持っている建築物です。

この2つの天主堂を知ったのは遠藤周作の「女の一生」という作品からです。
それ以前から遠藤周作に傾倒していた私は「沈黙」でもモデルとされていた長崎への思いは強くなっていきました。

1日目に浦上天主堂を観て、2日目に大浦天主堂へ行きました。

長崎は街から海は近いですが平野部は非常に少なく、すぐに山があり、それ故に坂が多い街でもあります。
山手と呼ばれる地区にはオランダ人の住んだ欧風住居が集められたグラバー園もあり、グラバー園から見下ろす長崎の夜景は素晴らしいものがありました。

話が横道にそれてしまいましたが、オランダ坂と呼ばれる急な坂を上り少し町中を歩くとグラバースカイロードという斜行エレベーターが。
これで一番上まで行き、狭い道を進んで行くと遠藤周作が好んで歩いたという祈念坂があります。
人がようやくすれ違えるほどの狭い坂ですが、その狭い視界の先に港と大浦天主堂のゴシック建築のような尖塔が見え、美しい絵画の中に入り込んだかのような気分になりました。

その坂を降りると大浦天主堂です。
中に入ると美しい装飾やステンドグラスがあり印象的でした。
木造という事もある為かフィレンツェで入った教会に比べると教会内部の空気はあのひんやりとした荘厳さに欠けている気もしましたが、これが日本の教会であり、日本のキリスト教なのかなと感じました。

大浦天主堂を満喫したので、今度は長崎駅前から1時間強バスに揺られて遠藤周作文学館に行きました。
「沈黙」などの作品で取材に訪れていたという外海に立てられている文学館で、角力灘を臨む絶好のスポットでもあるようです。
私が行った時は空に雲がかかっており「絶景なり!」とは行きませんでしたが、遠藤周作、ひいてはこの地に生きていた隠れ切支丹の人々もこの海を見ていたのだなぁ、と遠い昔に思いを馳せました。

文学館自体は遠藤周作の使用していた机、直筆の原稿などが展示してあり、遠藤周作を身近に感じられました。
「沈黙」「海と毒薬」などの重い作品の他に狐狸庵名義のエッセイといった面白おかしくお茶目な一面もある遠藤周作はどうにも人間臭く、その人間性が作品にも滲み出ています。
どの作品にも弱者に対する暖かい眼差しを感じる事が出来ます。
それは遠藤周作はキリスト教を聖母マリアに代表される許しの教えと解釈しており、その考えが作品の中の弱者への扱いになっているのだ思います。

とにかく今回の長崎旅行は遠藤周作が実際に見ていたであろう景色を見ることが出来てとても有意義な旅行でした。

長崎は美しい街でした。
また行きたいなあ。

最新の画像もっと見る