「釣初心者日記」

宮崎の釣り情報・釣れた魚の事・魚料理・その他ゴルフ話など書いてます。

作品5・「フエダイ」

2006年11月01日 | フィッシュカービング作品

今回「ヤギノ会展」に出展した新作「フエダイ」の写真だ。

フエダイのことは魚紹介欄にて以前記載しているが、この魚は宮崎では「シブ」と呼ばれ、美味な魚として夏の夜釣りの対象魚として盛んに狙われる。
しかし鹿児島の南端・離島、そして宮崎でも日南海岸沿い・南郷・串間という限定された場所でしか釣れず、時期も6月~8月と短期間で産卵期に岸に近づいた魚を狙う。
ピンポイントでしか釣れないため、簡単に巡り合える魚でもない。
釣りの上手な人ならそれなりの場所と仕掛で1晩に数匹の釣果があるが、ちょっと行って釣れる魚ではないので珍しい魚だと言える。
この魚の釣り方を紹介されている釣本はほとんど無いと思う。
それはとても限定された地域でしか釣れないのが理由であり、全国的には知名度もかなり低い魚だろう。
この魚が面白いのは、大きめのものならかなり力が強く、強烈なウキの引き込みを味わえるし、美味しいし、そしてその姿も美しい(と私は思う)。昔は2~3キロサイズのものが結構釣れたようだが、最近は1~2キロサイズがスタンダード。黄色い鰭と赤い魚体に、白い斑点が特徴だ。

作品の出来について述べると、80点と採点したが、実際にはあと10時間ぐらいは欲しかった。堀りにしても削りにしても、色付けにしてもすべてが中途半端である。80点で妥協しているのだ。
時間が限られるので中途半端になってしまったが、実際に時間が無かった訳ではなく、ぎりぎりまで着手しなかった事が理由。私の性分だ。
実際にどれほどの時間がかかっているかと言えば、堀り作業が5日間ぐらい。(7時間×5=35時間ぐらい?)磨きの作業が4~5時間。色付けが2日(7×2=14)ぐらいの感じ。(実際計ったわけではない)つまり50時間以上だと思う。
でも実際には手をとめて眺めている時間が長いと思う。ああしよう・こうしようと創造しているわけだ。
この姿のままの写真はない。複数の図鑑を眺めて色合いも形状も創造で決める。細かなパーツはその魚の写真が無ければ別魚の魚写真を参考にしたりする。
つまりこの魚は現実のものとはかなりかけ離れている訳かもしれない。しかし自分で作るという事はどうでも良いわけだ。というかどうにでもなる。
絵を描くとき、この柱が邪魔だと感じればそれを抜いて描いても何ら問題はない。その人の感性なのだ。

多分芸術とは、判る・判らないという事なのではない。というか抽象作品が判らないのは当たり前で、作家の思いが作品になっているわけで、その人の思いを想像することが作品を楽しむコツだと思う。
私は抽象的な作品は苦手で(自分で作るのが)、出来るだけリアリズムを追求したいタイプなんだけど、努力というのも苦手で追求できない最悪な性分であるので芸術には不向きなんだと思っている。
ただ物作りを楽しむという1点において、面白ければ何でもやりたい性分でもあるので、フィッシュカービングがうってつけだ。ただ飽きっぽいのも性分なので次回の作品がいつになるのか。