宇宙の彼方から

自然の不可思議な森羅万象に揉まれる自分や他人の有り様を見つめる。

ミサイル発射準備の功罪

2006-07-02 11:01:49 | 政治
北朝鮮のミサイル発射を注視しているのは、日本やアメリカだけではない。
世界が注目している。
北朝鮮の発射技術、そして正確な着地点技術、今までに無い応用技術があるのかないのか?あらゆる部分で興味の対象ではあるのだ。
売り出せば引く手あまたの破格の値段なのだ。
反米国は言うに及ばず、共産国、産油国、先進諸国にとっても魅力ある商品になるであろう?大量破壊兵器を有していなかった故にアメリカはイラクに侵攻したことを思えば、各国ともアメリカへの信頼依存性は薄れ、唯一擦り寄る日本を除いてはそれぞれ不安でならないだろう。核を世界市場に流すわけにも行かない事情はあっても、ミサイルならば防衛手段として市場での売買が可能なのではないだろうか?
そっくりそのままを輸出するのではなければ北朝鮮でも可能であろうと思われる。
アメリカの軍事作戦の変更にともなって、対峙する他の各国とも同じように軍事作戦の変更を余儀なくされ、それは、武器、兵器の流通の促進につながる。
そんな中での意味で、北朝鮮のミサイルは注目されているのだ。
成功のもたらすもの、失敗のもたらすもの、また、迎撃を宣言した日米の技術の成功、失敗のもたらす影響などを考えたとき、今後を占うに軽くはない?
多分、迎撃の失敗があるとすれば、日本国民には知らされることはないであろう。
ものすごいスピードで飛ぶミサイルの軌道を瞬時に計算して迎撃の合致をさせることが出来るとしたならば、それは大変な技術なのだ。まるでクレー射撃を見るようだ。アメリカも世界に向けて宣言をしてしまった以上、必死になって成功させようとするだろう?何発のミサイルを飛ばすのだろうか?その数も世界は見ているだろう?シュミレーションでは一発のミサイルに一発のミサイルの絵しか出ていないが・・・・果たして?
そこで、北朝鮮のミサイル技術が問題で、スピードを落としたり、上げたり、方向を変えたりする能力があるのか、ないのか?宇宙ロケットのように何段にも分かれて分裂できるのか、できないのか?
どちらにせよ、どちらの国にとってもその試金石とも言え、失敗と成功の落差はけっして少なくはない。
北朝鮮の成功を、何をして成功と言うのかは何とも言えないが、アメリカが撃ち落すと言った以上、取り敢えず無事に着水すれば成功だと言えよう。そうなれば、日米の経済制裁、国連制裁決議などなんともないし、アメリカの権威は明らかに失墜するだろう?
ただ、失敗の場合はいろいろなパターンが考えられるが、アメリカに擦り寄る国々が多少増えるには違いない?
しかし、露、中vs日、米という図式は変わらず、中近東、アフリカ各地での紛争地帯でのイザコザで、影に隠れた影響力の衝突が起こるものと思われる。
イラク侵攻によってアメリカの失墜がすすんでいるのは、いつまでも終わらぬテロによる武器弾薬の流入である。今後もアメリカ離れがジワジワと進んで行く筈だ。
ここで、ミサイル迎撃の失敗でもあろうものなら、アメリカも手負いの獅子になる。アメリカにとってもかなり思い切った危険な賭けなのだ。だから双方にとって重要な意味を持つミサイル発射準備の舞台裏では、入念に歴史的な打開策が話しあわれているだろう?
今では、北朝鮮の後には露、中の広大な面積と人口と影響力と軍事核を持つ大国を擁しているのである。だから生死を賭けた必死の張ったり咆哮は必要ではなくなったのだし、粛々と準備を進められるのだ、が、失敗は許されない状況に変わりは無い。