Three frogs which smile.

酒飲みは奴豆腐にさも似たり
初め四角であとは ぐずぐず

君と手をつないで

2006-01-06 | 日々の種
今僕は奇跡のかけらの指輪を探してる
どこにも売ってない
もしも僕がただの灰になっても
嘆かないで Father
愛してるよ Father


あたしがまだ小さかった頃、ぱぱんはよくあたしの手を引いていろいろな場所に連れて行ってくれました。
それは自分の用事や買い物もあるのでしょうが、滅多に家に居ないぱぱんの親子の時間だったような気がします。
ぱぱんの大きくて厚い手は暖かくて、また暖かすぎていつも二人の手の中にはぎゅっと汗が握られて、
それでも放すまいと必死で握り返し、ずっと歩いていました。
思春期前にはもう殆ど話すこともなく、お互いに顔をあわせれば叱られ、怒鳴られ張り倒されるので、なるべく会わない様に過ごしていました。
大嫌いだった。
ぱぱんが求めた娘と自分との違いがあまりにも大きく感じて、そんなのは自分が悪いのにぱぱんを大嫌いになっていった。
もしかしたら大半の女性はそいう時期を迎えるのかもしれないと今は思います。
あたしが一番最初に思いを寄せた人はぱぱんにとてもよく似た人でした。
年上で、仕事が好きで、あそびも一所懸命で、女性が大好きで、料理が好きで、物知りで、人に物を伝え話すことが上手で、頭がよくて、好奇心が旺盛で、怒ると怖くて、目が強くて、背中の広い、無精ひげの似合うひと。
多分あげればもっと出てくるぱぱんの印象。
威圧感のある人を怖がっていても妙に惹かれてしまうのはここなんだと思う。
想い出は悪いところが抜かされて淡く都合よく変えられていくから、そやってあたしの中で彼は一番かっこいい人に変っていく。
反面教師で全く違う人を好きになり、みんなとても素敵な人だと感じているけれど、
こうやって一人になった今はもう素直にぱぱんに似た人を探していることを解ってもいい頃かもしれない。
ファザーコンプレックス。
あまり傍に居ることがなかったからずっと抜け出せない気がします。
自分の中にあるままんやぱぱんの血は大切に思っていたい。
あたしは未だに彼よりも素敵な人に出逢っていないのかもしれない。
それは、ちゃんと人を好きになっていないのかなとも思ったりしています。

出来ることは出来るだけしたいから、ぱぱんとは一緒に居られなかっただけに今はままんをも少し大切に出来たらいいな。
それでもやっぱり・・・・うるさい!って思うことは多々あるんですけどね(苦笑)
お正月に帰省された方も同居されている方も、もう大切な人が鬼籍に入っている方も、大切に思うだけはできるから。
あまり自分が生まれたことを好きに思っていなくても、きっと自分を好きだと思ってる人が居てそんな人と出逢えたことを嬉しく思えるのなら、
生まれたことも悪くないなと、自分の大切な人を想って見る日があってもいいかなって。
たまにはそんなことを考えています。
嫁入り姿も孫の姿も見せることがまだ出来ていないおいら・・・親不孝ですみません(涙)
ちなみにあたしはぱぱん似です。そしてぱぱんは「勝新太郎」似です。
・・・・嫁にいけない理由はここなのか?
もしかしたら目をつぶって魚がさばけるかもしれないなと一人夜中に包丁を研ぎながら物思いにふける暮れでした。