ギネスに認定された海老名メロンパン 

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 ■SAから全国ブランド

 東名高速道路の海老名サービスエリア(SA)下り(神奈川県海老名市)で販売している「海老名メロンパン」(230円)が「48時間以内で最も売れた焼きたて菓子パン」として英ギネス・ワールド・レコーズにより世界記録として認定された。

 SAやパーキングエリア(PA)の食堂などを運営する西洋フード・コンパスグループは「ブランドとして日々成長している」と胸を張る。海老名メロンパンの人気の秘密を探った。(川上朝栄)

 4月28日午後6時から同30日午後6時までの48時間、海老名SAはメロンパンを求める人の波でごった返した。この間に2万7503個を販売。ツイッターなどSNS(会員制交流サイト)の拡散が後押しして、メロンパン購入を目当てにした人々が、海老名SAを続々と訪れるという現象が発生したのだ。

 ◆発端は口コミ

 「ギネス挑戦により、ブランド力を向上させる」(販売企画担当者)との狙いは見事に的中した。5月下旬になっても、販売個数はこれまでの3割増をキープするなど、改めて「ギネス効果」を実感したもようだ。

 今でこそ押しも押されもせぬ人気スイーツとなった海老名メロンパンだが、平成5年の発売当初は商品棚でも目立たない存在だったという。メロン果汁を使った風味と、しっとりとした生地の食感には自信があり、「一度、口にしてもらえば、ヒットにつながるはず」との思いから、同社が着目したのが「バスガイドの口コミ力」だった。

 バスガイドやバス運転手が集う休憩スペースに海老名メロンパンを試食用に提供した結果、観光バスの車内でバスガイドが「海老名SAの名物はメロンパンです」などとアナウンスするケースが相次ぎ、観光客がメロンパンを求めて、売り場に殺到したという。

 日本の“大動脈”とされる東名高速の海老名SAには、全国から観光客やドライバーが集まっており、その人気ぶりは口コミによって、一気に全国に波及したのだった。

 ◆行列が当たり前に

 14~15年に海老名SAは大改装し、みやげ店やレストランなど約30店が相次いで出店したが、「SAグルメ」の先駆けとして海老名メロンパンはさらなる注目を集め、今では休日になると行列ができるのが当たり前になっている。

 同社では、海老名メロンパンと同じレシピのメロンパンを磐梯山SA(福島県)▽南条SA(福井県)▽山之口SA(宮崎県)▽溝辺PA(鹿児島県)-などでも販売していたが、ギネス挑戦を契機に「海老名メロンパン」に商品名を統一。「海老名」の地名を冠したメロンパンが全国展開を果たすことになった。

 同社は全国約100カ所の社員食堂でも海老名メロンパンを販売している。一方、「販売個数を安定させるには、地元で愛されることも重要」(同社)として、ギネス挑戦の際には海老名市内に折り込みチラシを配布して購入を呼びかけるなど「ご当地スイーツ」としてのアピールも欠かさない。

 同社では自動車内のドリンクホルダーに設置可能な「メロンスティック」や「メロンパイ」など多様な商品展開を進めており、「さらなるブランド力向上を目指したい」としている。

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【用語解説】海老名サービスエリア

 昭和43年に開業した東名高速道路にある県内唯一のサービスエリア(SA)で、平均利用客数は上下あわせて平日で約4万8千人、休日で約10万1千人。運営する中日本高速道路(NEXCO中日本)のSA売上高ランキングでは海老名SA下りが1位、上りが2位となっている。店舗数は上下あわせて45店