企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

タイトルは過激ですが、内容はかなり的を射ているのでは?

2007年10月23日 | 本の紹介(ビジネス)
すごいタイトルですよね。正直なところ、金持ちにはもっと社会的責任を果たしてもらいたいと思っているので、タイトルだけを見ると、なんだか嫌な感じをもってしまいました。ですが、読んでみるとそうじゃない。金持ちには二つのタイプがあり、リスクを取ってもうけている金持ちと、リスクを取らずにため込んでいる金持ち、とがいるということ。前者はいじめちゃいけないよ、ってことを言っていました。
それなら、確かに話は分かるなぁ、と思い読み進めると。。。日本人は死ぬときに最もたくさんお金を持っているとのこと。諸外国では、そうではない。日本は、どうせ一部分をお国にもっていかれるにせよ、できるだけたくさん子孫に残したいのだそうで。
市中に出回る現金が78兆円くらいあるのだけれど、旧一万円札(ホログラムがはいっていない)が26兆円あるそうです。それらは、現金のまま相続されていくということなんでしょうね。一億人で割ったとしても、一人当たり26枚あるってこと。それが事実なんでしょうが、そうだとするともっとお金に困っている人のために使ってほしいものです。
それから、証券投資などへの税率についても、通常の利子への課税2割に対して、現在半分は減免?されて1割なんですが、これを「金持ち優遇」と言うことはおかしいとも指摘しています。ビジネスと同様に証券投資はリスクをとっているわけで、そういう意味で、決して優遇なんかじゃない、ってことを訴えています。
著者は、ルールを破って儲けている人については、厳しい一方で、ルールを守ってリスクを取っている人にまで、優遇する、という視点で騒ぎ立てることをいけない、と言っているわけで、納得のいく内容でした。
金融資産ピラミッドは、いろんな本でも紹介されるようになりましたからご存じの方も多いと思います。自身にしても、一番下からそう簡単に抜け出せることもなく、オータムジャンボなんて買っちゃいましたけれど、ほんと上の階層の人に、ため込むだけじゃなくてしっかり使ってもらいたいなぁ、と感じましたね。
それから、日本における寄付に関する制度の不整備は、早急に改善して欲しいものですね。詳しくは本書をご覧ください。

金持ちいじめは国を滅ぼす (講談社+α新書)
三原 淳雄
講談社

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コメント
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