夜の風

2010年09月04日 04時16分55秒 | マーロックの日記

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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・・・・・リィィィィ・・・・・・                ・・・・・・・・・・リィィリィィ・・・・・・・

           ルルルルル  ・・・・          ・・・・・・・・ルールールー・・・・・

・・・・・・虫の声が、よく聞こえる。

雨はほとんど降ってないようで、テラスを降りて上を見上げると、わずかに見える空に、星の光が見える・・・・・

午後9時を過ぎて、夕食はすでに食べ終わっているけど、テラスではみんな話し込んでる。

お酒を少し、飲みながら・・・・

・・・・私は、飲んでない。

一日歩き続けたから、それなりに血中の乳酸濃度が上がっているだろうからである。

・・・・・以前は、乳酸は疲労物質とされていたけど、現在では疲労回復に効果があるとされている。

体を動かすのにエネルギーが要るけど、普通はグルコースを使う。

グルコースは、ブドウ糖とか血糖、デンプン糖と呼ばれているもので、水に良く溶ける。

このグルコースを、酸素を使って代謝する。

けど、短い間に急に力を使うと、その筋肉の側にある酸素を使い切ってしまう。

そうしてグルコースを好気的に代謝できなくなったとき、非常手段として乳酸をつくる。

グルコースの分子式はC6H12O6で、乳酸の分子式はC3H6O3である。

見ると分かるように、乳酸はグルコースの半分にあたる。

酸素源を使い切った筋肉は、グルコースを嫌気的に代謝し、グルコースの分子を半分に切って間に合わせる。

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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・・・・・お酒に含まれるエタノール、あるいはエチルアルコールと呼ばれるものは、生理学的には心機能の抑制剤である。

エタノールは、普通に私たちがアルコールと呼んでいるものである。

エタノールの作用は精神安定剤や鎮静剤と同じで、場所が違うけど、同じタンパク質に結合する。

このためこれらの物質には強い相互作用があって、ヴァリウム――鎮静剤のジアゼパム――とアルコールを一緒に飲むと、死ぬことがある。

お酒にはいろんな種類があって、エタノールと水以外に、それぞれの風味をあたえる成分が入っている。

・・・・・現地の言葉でかわいい水という意味のウォッカは、ほぼ水とエタノールだけで出来ているため、最も安い原料から作ることが出来る。

リィィィィィ・・・・・・・・               ・・・・・・・ルールールー・・・・・・・

           ルルルルルル・・・・・・・・            リリリリリ・・・・・・・

・・・・お酒を飲むと、エタノールは肝臓で代謝される。

乳酸も、肝臓で代謝される。

それで、肝臓に大量のエタノールがきて代謝機能が飽和してしまうと、乳酸を除去する効率が下がる。

乳酸の濃度が高まると、主にプリン体の蓄積にも影響が出る―――プリン体は、一群の分子の誘導体である尿酸の塩。

このプリン体を含む個体化合物は、普通は尿と一緒に外に出る。

けれど尿への分泌は、乳酸によって阻害される。

そうすると、これらの個体化合物は関節に沈積して、やがて通風になる。

という訳で、プリン類とアルコールの多い食事は、沈積が促進される。

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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・・・・テラスから少し歩いた木の上、かなりの高さに、小屋がある。

下からライトで照らすと、ぼんやり浮き上がる・・・・

20面体の小屋で、ビニールシートの屋根もあって、長期間の観測に使われるようだ。

ジャリ・・・

・・・・少し散歩していた私は、テラスに戻る事にした。

まだ、おいしいスモークサーモンが残っていたはずだから、食べるのだ。

ジャリ・・・・             ジャリ・・・・

               リィリィリィリィ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・食品をスモークすると、保存性が高まる。

これは、ホルムアルデヒドやフェノール類などの殺菌剤で包むからである。

ホルムアルデヒドは、正式にはメタナールと呼ばれる刺激性無色の気体で、息苦しくなるにおいを持っている。

水に溶け、40パーセント水溶液はホルマリンと呼ばれ、生物試料の保存に利用される。

ホルマリンは10パーセントに薄めても殺菌力があり、羊毛や獣皮の処理にも使われる。

ホルムアルデヒドは木を焼いたときの煙にも含まれていて、食品のスモークによる細菌除去の際の、主な成分である。

この殺菌作用は、隣り合ったタンパク質の鎖をつなぎ合わせて、タンパク質分子を不活性化するためである。

同じような反応は、合成樹脂や接着剤の生産にも使われる。

だから、ホルムアルデヒドの殺菌作用は、生きた材料から樹脂を形成するもの・・・と考えることも出来る。

ホルムアルデヒド――CH2O――は、メタノール――CH4O――分子から水素を2個とって得られると考えることが出来る―――炭素と酸素から1個ずつ。

メタノールはメチルアルコールや木精とも呼ばれていて、もともと硬い木を乾留することで得られていたためである―――メチルは酔うという意味で、ワインの意味もある。

メタノールは木材の煙に含まれていて、新しいワインにも少し含まれていて、その香りのもとになっている。

メタノールは飲めば、最初は酔って、次に失明し、50ミリリットル以上の摂取で、ふつうは死ぬ。

この毒性は間接的なもので、体内の酵素によってホルムアルデヒドとギ酸ができることが主因である。

ウキッ・・・・                 ギィ・・            ギィ・・・

              ニャー・・・・

・・・・メタノールがカタラーゼという酵素で代謝されると、ホルムアルデヒドに変わる。

カタラーゼは視覚にも関わっていて、網膜にも存在している。

そのため、その代謝の多くが網膜で進行する。

するとホルムアルデヒドは網膜中のタンパク質を結合させて、視覚作用の活性部分から、そのタンパク質を外してしまう。

それで、失明する。

ギ酸はアリにさされたときに注入される毒の成分のひとつであることから、そう呼ばれる。

メタノールがホルムアルデヒドに代謝された後、ギ酸に代謝される。

ギ酸のために酸の濃度が高まって、タンパク質を傷つけることが、メタノールによる大損害の原因となっている。

コロロ・・・・                        リィリィリィリィ・・・・・・・・

     ギシ・・・

・・・・おや・・・・

テラスに戻ると、スモークサーモンはすべて食べ尽くされていた・・・・・

ルールールー・・・・・                         ニャー

       ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・          ・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・