青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。

九州への行政視察⑤-こぼれ話

2017-11-22 | 議員活動
 行政視察の記事は私がかつて行っていた地域雑誌を出版をしていました時の取材能力を駆使して事細かく書きましたので、産業厚生委員会の委員4名が議員研修に行ってどのようなことを学んできたのかはそれなりに市民の皆さんにご理解いただけたのではないでしょうか。

 視察研修の三日間を振り返ると、視察地の市役所でもうちょっと時間があれば、知りたいことのすべてをその市役所職員にお聞きすることができたのになあとは内心、思っています。でも、相手方の職員の「行政視察に来る議員団に自分たちの職務時間を抹殺される」という事情を考えると、視察団の方も「視察先の役所職員もそれほど長く拘束されたくもなかろう」との思いに至り、視察時間(相手方の事業説明の時間)も2時間が精いっぱいのラインとなりそれがどこの自治体でも常識となっているんでしょうね。

 視察に行ってからのその2時間の構成を紹介しますと、役所の一室に通されると、まず両方の参加者が名刺交換を行います。そして席に着き、相手方(視察先)の方から自己紹介と議長や所管課の課長があいさつを行う。それに続いて室戸市から視察に行った委員長(今回は山本委員長が不参加だったため、上山副委員長が行いました)があいさつを行います。

 そうして型通りの挨拶が終わると、視察したいとお願いした事業を担当する課の課長ら職員から詳細に説明していただきますが、質問したいことに関しては、視察の半月ぐらい前までに参加する委員から質問したい事項を議会事務局に集め、それを先方(今回は宿毛市、竹田市、豊後高田市)に送付済みで、視察先の担当職員はそれに基づき、事業説明を行う段取りとなっています。それを、室戸から行った一行は一言漏らさず聞き、ペンを走らせメモを取り、説明が終わってから細かい点について質問しお答えをいただくことになります。

 ですが、予定する2時間も相手方の職員が詳細に説明してくださることによって当然、質問する時間は少なくなり、半時間ぐらいしか残ってない場合も多々あります。だから、視察に行った委員がその視察事業を「学び、自分の町の市政に活かしたい」と熱心に質問したくても一人の委員ばかり質問するわけにもいかず、一点、二点とお聞きしお答えをいただくと他の委員の質問を譲ることになる。それぞれが質問していても皆さんは視察の残り時間が解っているだけに、他の委員や室戸市から参加した職員に気持ち的に質問するのを譲るようになり、やがて予定時間が過ぎたころに視察に行った側が「もう時間も来ましたのでこの辺で」と研修を終えることになります。

 それはこちら側の問題ではなく、「相手方の職員に迷惑をかけてはいかん」という配慮から。だから、視察に行った一行は聞きたいことのすべてをお聞きして研修を終えるということは、まず稀で、「聞きたい」「知りたい」ことを残して、視察先の役所を退出しています。今回も委員が先に質問しますので、同行した観光ジオパーク課長と保健介護課長補佐は質問したいことの半分も質問出来なかったのではないか。

 ま、これも視察・研修において「学ぶぞ」と思っている熱心な委員だけのことで、どこかのまちの委員会の行政視察のように委員が行政視察を観光旅行のように考え、視察先での研修で学ぶ気がない場合は、「あー、終わった、終わった」と終わったことを喜ぶ例もあろうとは思っています。

 要は、議員それぞれが学ぶ気がなければ地方議会の行政視察なんてものは、観光旅行になってしまっていると考えてもよいと私は考えています。

 「外に学んで、内に活かせ」。

 これは私が平成2年から10年まで発行していた地域雑誌『あおぞら』の中でたびたび訴えてきた言葉。言われると当たり前のことでも、こうして教訓として文字にすると、自分の胸に響くと思いませんか。

 地域おこし活動に関わり、昭和61年から地域づくりのリーダーとしてやってきた年月を振り返ると脳裏に浮かび、読者の皆さんに「教訓にしてほしい」と地域雑誌の中に書いてきた言葉ですが、地方議員にしてもいつもこうあるべきだと思っています。

 「外」とは、行政視察に出かける委員(議員)にすれば、疑いなく「視察先で学ぶ事業」だ。「内」とは、疑いなく「室戸市政」だ。

 行政視察を観光旅行、物見遊山と考えている議員が全国にいないことは無い。間違いなくいます。しかし、その旅費はその町の住民のお金(市町村の年間予算)から出ています。つまり、自治体の不正をチェックすべき立場の議員が物見遊山の気持ちで行政視察に行けば、その旅費は不正な公金支出と言え、いわば犯罪となる。

 だからこそ、視察に行くなら、その委員会の委員は「外に学んで、内に活かす」責任を負っている。そう言えよう。勉強する気がなければ無理に行くことはない。「視察に行くな」と言っておきたい。
 
 以上、視察の流れと、熱心な参加委員はいつも質問する時間が足らないことと、全国の地方議員諸氏にお願いしたいこととして「視察は観光旅行ではない」というお話でした。


 さて、バスの中の雑談です。

 委員同士が市政に関するいろんな話が飛び交い意見交換をしました。

 13日に室戸市を出発して、車中で参加した議員から室戸市内の病院の中に入院できる病院が無くなり市民が困っていることについて話しが出て、次のような会話になった。

 私「当然、赤字になるだろうが、市議会で一度、入院できる市立病院を設置すべきかすべきでないかを協議する“市立病院設置に係る調査検討委員会”のような物を立ち上げ、議員と担当課職員も交えて話し合ってはどうだろうか。採算が取れず赤字体質の病院になることは明らかだが、その赤字は毎年どのくらいの金額になるのかを調査検討してはどうだろうか。市立病院を開設して運営したら毎年どのくらいの収益になって、どのくらいの赤字になるのか。その赤字は市の予算で賄える範囲か。それは許容範囲かどうか」と。

 議員「赤字は『5000万円』という話も聞く」。

 私「もしその『赤字5000万円』ぐらいで市民が市内の病院で入院できるのなら、それなら市立病院設立にゴーサインを出したらいいんじゃないか。あの温浴施設にはこれまで毎年4000万円ほどの指定管理料を支払って施設を運営してもらってきたことを考えると、それほど驚くような金額ではない。年間2億円、3億円の赤字なら市立病院の設置など止めておいた方が良いが、5000万円前後なら設置すべきでしょう。許容範囲よ」。


 この「5000万円」が本当にそうかどうかは確定した話かどうかは不明であるが、本当に年間の赤字がこれから十年十五年と5000万円前後で推移するならば、市立病院は設置すべきだと私は考えました。

 でも、多分ですが、議員が聞いてこられた「年間の赤字は5000万円ぐらいで済む」という話は確証のない、病院経営など全く分からない市民が単なる推測で「予想するに、多分年間5000万円の赤字で済むんじゃないか」と言った、いわゆる放言ではないかと思っています。

 もし実際に室戸市立病院を設置し、経営を始めると毎年数億円の赤字が生まれるようなら、いくら市民が「市内に入院する病院が無いから市立病院を作ってほしい」と叫んでいても、作ってはならないと私は考えています。

 なぜなら、その赤字分は市民の皆さんの国保料値上げや介護保険料の値上げ、そして市民税の値上げと、その赤字分は市長や市職員が被って給与削減などするわけがなくすべて、市民負担となって帰ってくるからです。

 でも、室戸市議会において、「室戸市立病院設置調査検討特別委員会」を設置し、委員6名ほどが全国の人口1万人から2万人の市・町・村が設置している各公立病院の実績(数字)を集め、市長と担当課の意見も聞きながら最終結論を出すことの価値はあろうと思います。

 現在、室戸市は入院施設のある病院を室戸市内で経営してくれる経営者を探していて、高知市などの病院に打診してはいます。ですが、小松市長が考えているのは、市が経営する病院ではなく、市が予算的な支援する必要がない入院施設がある病院の誘致(らしい)。だから、市長は市立病院の設立は全く考えておらず、病院誘致がかなわなかったらこの問題は打ち切るものと考えます。

 市長の性格として、平成18年11月に初当選して以降、法令違反や市長選の公約違反、無駄な大型公共工事などを見て分かるが、「何事も、市の執行機関で決めたことは市議会にとやかく言われたくないし、変更も改めたくもない」と考えているのは疑いなく、この室戸市に入院できる病院が無くなったことについても一度、議員説明会でその時の状況を議員にお知らせしただけで、「どうすればそれが可能か、どうすればそれが可能になるのか」を一緒に協議を重ねようなどという考えはない。

 「入院できる病院」について市長等執行機関が協議しているだけで、市議会は前の議員説明会以来、なんら関わっていない。このことから、「市と議会が一緒になって何度も協議を重ねることを市長は良しとしていない」と、私は考えています。

 唯、市民が「室戸市に入院ができる病院がほしい」という思いは一考の価値はあり、「もし市立病院を設置したらどのくらいかかるか」を市議会が特別委員会を設置してシミュレーションすべきであろう。

 そういうことにトライせずに、「たぶん、何億円も毎年赤字になると思うきん、やめちょこ」では、市役所も市議会も情けない。

 バスの中で二人で話し合ったことは一考の価値があると思うが、市民の皆さんはどのようにお考えか?

 但し、市立病院となると、今の室戸病院の建物が使えるわけはなく、新しい病院建設の大事業となる。それには何十億円とお金がかかり、国や県の交付金等を使っても市の持ち出しも当然何億円となり、それは十年、二十年と債務となり市民に負担がかぶさってくると考えられます。しかし、室戸市の人口は今12300人ほどしかいませんが、5年後には1700人、10年後には3500人が減少する勘定になるから、5年後の人口は約1万人、10年後には約8500人になる。ほんの10年後にこの人口になるが、その時、室戸市民はその市立病院の建設費に係った債務(借金)を払い切れるのか。

 「あれがほしい」「これも欲しい」といっても、その品物を買うにはお金がかかります。

 病院を建設すればこのように巨額の費用が掛かるが、それは市長や職員が払ってくれるわけではなく、大半は市民が払わなくてはならない、つまり市民負担(税金や国保料や介護保険料など)が今よりも増えることは明らか。市民はそれでよいのか、です。市長が、市がタッチしない形の、高知市周辺にある病院に室戸で病院経営をしてもら追うとしているのはそういう点からでしょうね。

 市民の皆さんも一緒になって考えていただきたい。

 市民は欲しがるだけではいけません。そこには自分たちが負うべき負担が両肩にのしかかってくることは疑いない。市にしても、将来に亘って払い切れないぐらい巨額の債務となることが解っている事業に手は出せません。このような大型公共施設建設事業を行って喜ぶのはあの議員とあの業者だけ。しかし、市民は入院できる病院がほしい。

 衰退する町のジレンマが続きます。


電子情報誌「青空エクスプレス」のアクセス数は、11月22日(水)Gooブログランキング(2784168ブログ)中、1222位でした。

22日は多くの方々にご訪問いただき少し驚いています。まずは御礼申し上げます。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 九州への行政視察④ー豊後高田市 | トップ | 室戸市議会の12月定例会の予定 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

議員活動」カテゴリの最新記事