青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。

地方議会研修講座(3) 『議員必携』を読破し、基本を学べ

2011-11-24 | 政治家のあり方
 (この記事は2008年6月の再録です)

   
            
 議会議員の基本知識や基本精神を教えてくれる二冊の本です。左が全国市議会議長会編の『地方議会議員ハンドブック』。右が全国町村議会議長会編の『議員必携』。

 内容の価値や密度は、断然後者『議員必携』の勝ち。全国の議員さんも是非この本を購入して、内容を徹底的に勉強されることをお薦めします。もう購入されている方なら、すでに議会改革に目覚め、取り組んでおられると思います。


 そこで今日は、この『議員必携』の中から「議員の権限と義務」の項をまとめてお伝えしたいと思います。

 まず、「議員の権限」。議員が行使する権利について。これには8項目挙げられている。
①議会召集請求権。 ②開議請求権・・これは、議長が会議を開かない時、議員定数の半数以上の者が議会の開会を請求することができるというもの。 ③議案提出権。 ④動議提出権。 ⑤発言権。 ⑥表決権。 ⑦侮辱に対する処分要求権。 ⑧請願紹介権。 

 次に、「議員の義務」。これは議員がこれに違反したら懲罰が科せられたり議員失職する担う義務、責任。
①会議に出席する義務・・議員は議長からの招状を受けても正当な理由なく召集に応ぜず出席しない場合は、議決を経て懲罰を科せられることになる。議員が別に持っている本職が忙しいからと議会を欠席するのは、この地方自治法137条に違反していることから、懲罰を受けることになる。
②委員に就任する義務
③規律を守る義務
④懲罰に服する義務
⑤兼職の禁止
⑥兼業の禁止・・これはその自治体の仕事を請け負うたり、請け負う法人(会社)の役員になってはならないということ。

 次に、一般質問について『議員必携』には次のように書かれている。
「町村議会の活性化方策に関する報告書」の中に
《一般質問は、議員がその町村の行財政全般にわたって、首長等の執行機関に対し疑問点を正し、所信の表明を求めるものであるが、場合によっては一歩踏み込んで政治姿勢や政治責任を明確にさせたり、政策の変更・是正、あるいは新規施策の採用などを要求したりすることも可能である。したがって、議員にとってはその政策形成能力を発揮する重要な手段であるが、カイゼンすべき問題点もある。特に、議員側としては、地元の陳情に終始したり、首長へのお願いやお礼言上の場になったりすることは厳に慎むべきである》
とある。

 要点をまとめると、一般質問とは、
①執行機関に対し、疑問点を正し、所信を求めるもの。
②執行機関に対し、政治姿勢や政治責任を明確にさせたり、政策を変更・是正させ、新規施策の採用を要求するもの。
③議員の政策立案能力と、政策実現能力を発揮する場であること。
④一般質問で首長に地元の要望・陳情を行ったり、お礼を言ってはならない。
となる。

 これに私が付け加えておきたいのは、
⑤行政の現状について教えを乞うたり、金額やデータの数字を教えてもらって納得しているだけの一般質問も改めること。あれは恥を掻いているだけで、何の効果も行政への効果も全く無い。
行政の現状も、金額も、データの数字も全て、議会前に自分が県庁やその自治体の担当者に聞いたり、インターネットで関係事業を調べて調査した上で、まとめ認識するもの。それを基に質問原稿を書き、議会に望まなくてはならない。議会前、ほんの3,4日で質問を書き上げた“付け焼刃”の原稿では、やめておいたほうが恥を掻かないだけ、まだ増し。

⑥ ①の補足になるが、議会の責務は行政に対する厳しいチェックと監査にある。それを議会前の二ヶ月の調査によって議員としての責務が果たせているということをよく認識し、そう努力すること。

⑦ ③の補足になるが、議員の責務はチェック機関の一員であると共に、もう一つの役目は、提案。加えて、条例を議会に提案する議員提案条例を作成する仕事もしなければならない。提案する議会に改革していけるのは、議員一人一人のたゆまぬ努力でしか成し得ないことをよく知ること。

「議会の時に出席したら、後の二ヵ月半は遊んでいても報酬をくれる」なんて思ってる議員は、よくいう“給料ドロボウ”とのそしりを受けてもその人を批判する立場には無い。「あなたが悪いのです。不真面目なあなたが」。

⑧一般質問でも大綱質疑の質疑でもそうだが、ベテラン議員がその模範となること。
現在、全国の議場ではベテラン議員が後部座席に座り、質問にもあまり立たない傾向があるが、これは改めるべき。その議員たちが毎議会質問に立ち、持ち時間一杯、その主張や政策や知識や調査の優秀さを披露して、議場をうならせる生きた模範を示すことによって、新人や二期目の議員が育ってくるものだ。
でも現状は、その人たちが意欲を失い(元々なかった人もいるかもしれませんね)、模範となれない現状があるから、新人や二期目の議員がいつまで経っても意識に乏しく、育たないということも言えよう。

 むしろ、新人議員が議会の活性化に努め、その人は二期目になっても議会を引っ張っているが、あいつだけがなぜもてるというジェラシー、嫉妬心も手伝って、周りがそれについてゆけなくて、反対にその高い意識を持つ議員が孤立しまっている状況もある。もっとみんなが素直になれば町はもっとよくなるのですが、大人になるとなかなかそこが素直になれない。「もういまさらオレが努力しても遅い」と自覚しているだけに。

 だから、議会に一人ぐらい先進的な人物が突如として現れても、議会などという組織は変革できるものではないということだ。

 なぜなら、「賛成多数」で物事が決まっていく世界だからです。「多数」に意欲が無い場合、その「多数」の声の力で物ごとが進められてゆくことの、いかに理不尽なことか。それが、議会という組織のよい点であり、弱点でもある。

 これを解決するには、正義が理解出来る議員が一人ではなくて、二人以上出てくること。仕事熱心で賢明な議員が、報酬分以上の働きをしようといつも心がけている議員が多数派を占めるようになれば、議会は必ずよくなり、そこでやっと市民に貢献出来るようになる。

 そうならなければ、常勤の公務員のように毎日議員としての職責を果たそうと働く議員が一人ぐらいいても、現状のままの悪い状態で十年、二十年と時が過ぎてゆきます。

 だから、これはその熱心な議員が考えることではなくて、その熱意に乏しい議員さんたちが考えなければ、町はいつまでも変わらない。貴重な町の予算から報酬を毎月支払いながらですが。モッタイナイ。

 結論は、「8年間32議会の全てにおいて質問に立ってきた小生のように、地方議員は毎議会、一般質問に立ちましょう。そして、持ち時間(室戸市議会は50分)一杯の質問を首長と執行部の所管課長にぶつけることです。そのためには、議会前約2ヶ月の事前調査・取材活動が必要になりますが」。

 つまり、地方議員に休んでいる暇はないということだ。毎晩夜の街に出かけて行って飲み歩く暇なんてものはない。

 「議員になったら遊ぶことをやめ、町や村のために尽くすことだけ考えよ」ということだ。

 いやいや、この程度の能力しか持たない私がやってきたんだから、それもやる気になれば誰にだってできます。それを出来ないというのは、“あなたはもともと議員になる前からやる気はなく、報酬目当てで選挙に出ただけだろ”、そう言われても仕方がない。

 世の中、厳しいのです。いまやオリンパスや大王製紙の例を引くまでもなく、仕事をしない人間や法律・規律を守らない人間は組織や世間から厳しく糾弾され、やがては追放される目に遭う。だから、真面目が一番。

 組織にはマイケル・ウッドフォード氏やこの谷口のような公正で健全な組織経営を追求する真面目な人間がいてこそ、組織悪が明るみに出るもので、例えそんな組織や地域が現在の悪い体制を守るためにその気まじめな考えを持つ人間を悪意を以って追放しても、その道のりは長いかもしれないが、悪事はやがてその人物の力によって駆逐されるものである。


 ま、悪いことをする人というものは、悪いことを悪いことだと思ってないがネ。

 本日の講座の、これが結論です。


※電子情報誌「高知発!青空エクスプレス」は、11月24日(木)付けGooブログランキング(165万7417ブログ)中、4201位でした。

 昨日、いつになく過激な文章を認めたからか、(計算通り?)愛読者の検索数も上昇中です。誠にありがたく思っています。(笑)
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 菅野、がんばれ! | トップ | 地方議会研修講座(4) 地... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

政治家のあり方」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事