青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。

過疎化している自治体の病院経営は、あまりにも危険

2017-09-08 | 地方のあり方
 私が議会新聞を配っていると、よく聞かされるのが「室戸病院が入院できなくなってしまい、室戸市には入院できる病院が無くなった」と言う話。そんな声の中には「これじゃいかんから、市が病院をやったらえいのに」と言う話も出てきます。

 ですが、そんな気持ちもわかるが、即座に「そんなことをしよったら、あんたら市民の負担は今以上に重くなりますが、あなたはそうなってもいいんですか?」と問うことにしている。

 自治体が病院経営をするなんて30万人、50万人という人口がある大きな都市部ならいざ知らず、室戸市のように人口減少が毎年400人前後減少し、国勢調査のたびに1700人、10年で3500人が減少している現状は今後も変わることはありません。病院経営なんか、そういう自治体が始める事業ではない。

 先日、高知新聞に「昨年、室戸市には市外・県外から30組47人が移住」なんて記事が載っていましたが、誰が記事にしてくれと頼んだか知りませんが、あんな話に惑わされてはならない。

 室戸市の政治情報を正しく伝えているのは新聞社よりも私の議会新聞であることは市民の皆さんが良く知ってくださっていますが、私なら、そうは書かず、「昨年、移住が47人」の数字に添えて、その後に「昨年、515人が転出して行った」ことも対で紹介する。新聞記者氏もそうしなくては、新聞社が「役所の太鼓持ち」になってしまう。以後、この知識を糧としていただけたら嬉しいが・・・。

 私が平成17年から毎年4月に室戸市市民課で調査を続けて作成したのが、次の表です。とくとご覧いただきたい。(※これらの表は『青空新聞』冬号に掲載します)

 ●室戸市の今後の人口推移 
  

 ●室戸市の人口動態の推移
  

 グラフと表を見ていただいてお分かりのように、間違いなく今後も室戸市は衰退の一途を続ける町であることに変わりはありません。 

 残す手立ては、高知市周辺から室戸市内で病院経営を行ってくれる私立の病院を探してくること。それだけが頼みの綱です。

 先に示した「室戸市に市立病院なんか作ったら、市民の負担が今以上に重くなりますよ」について。

 自治体が、それも室戸市のようにあと三十五年もすれば人口はゼロになることが解っているまちの自治体が市立病院なんか作ったらどうなるか。今でさえ人口は1万2000人しかいない室戸市は、あと十年経っただけで人口8500人です。それから十年たてば5000人の町です。これを踏まえて説明しましょうか。

 いま市立病院を20億円ぐらいで建設しますと、巨額の借金をして始める自治体の商売となります。借金したらそれを返さなくてはなりません。それに加え、病院となると、医師を市長や市職員ができるわけはないから、都市部から呼んでくることになります。技士や看護師さんも幹部となると室戸市にいる人では能力不足もあろうから、数名は都市部から呼んできます。市内の人も雇います。

 さて、この人たちを無給で雇用することはできませんから毎月、高い給与を払うことになります。病院を作るにあたり建設費がいり、管理運営を行うために給与がいり、機械類のメンテナンスなどにもお金がいる。患者さんは中芸地域や安芸市周辺から来るわけがないから、患者さんはすべて市内に住んでいる人。それも高齢者が中心。

 人口は減少するということは、病院を開いた時から患者さんの減少が始まり、患者の大半を占める市内の高齢者も減少の一途をたどる。つまり、病院の“お客さん”が減少し続けます。

 しかし、いったん開いた病院だ。簡単に閉めるわけにはいかない。すると、病院の借金はかさみ、増え続けます。

 となると、その借金はどこで問題となるのかと言うと、市政の財政を圧迫するということ。市議会では病院開設から半年や一年たつと問題視され始めます。こんなことは病院を作るということが論議されているときから分かっていることなのに、議会でワンサカワンサカやり始め、市長は責められ続け、議員らも市民から「おまんら議員は何しよら」と批判を受け続けます。

 それで済むわけはありません。そうして五年、十年経たなくても、病院開設からほんの二年目、三年目でその病院の負債、赤字分は市民に背負っていただくことになるのは間違いありません。市民税は1.5倍になり、固定資産税も法人税も1.5倍になり、それだけではすまず、同じように市の財政で賄っている国保税も負担増となろうし介護保険料にも影響は出てくるでしょう。

 かといって、国がやっていることでわかるように、国にしても県にしても市にしても同じで、政治家は自分たちが決めた事業が失敗しても責任はとりません。

 例えば室戸市が市立病院を建設し経営するようになりやがて巨額の債務ができたとしても、市長は「これは市民がほしいといったから作ったもので、私には責任がありません」と言い、やがて辞めていきます。病院建設議案に賛成してきた議員らも同じように「俺たちは市長と市民が作ってほしいといったから賛成しただけで、俺には責任はない」と、間違いなく言います。

 つまり、政治家とはこのように無責任な人間が大半を占めています。

 さあ、市民の皆さん、どうしますか。こうして市民の負担が増えることが解っていても、「市立の病院を作ったらえいやないか」なんて言えますか。

 私は「それだけはやめておいた方がいい」と思っています。議会にそんな議案が出てきたら、いの一番に反対します。理由は、間違いなく市民の負担が重くなるからです。

 唯、この問題について市や市議会が何も考えていないわけではありません。みんなで考えてはいます。でも、市も議会も「市が病院を建設して経営すればいいじゃないか」とは考えていないし、そうすれば市民の負担が増えることもわかっています。先日も市が議員説明会を開き、市から説明があり議員からもいろんな意見が出ましたが、いきつくところ、市も議会も「高知市周辺の病院が室戸市で病院経営を行ってほしい」との説明と意見が大半でした。

 私たちが衰退を続ける地域に住んでいることを考えますと、「いざ入院」とならば、安芸市や高知市周辺の病院に入院する手しかないと私は考えています。

 市民の皆さんは、忘れないでいただきたい。今後も室戸市は衰退の一途をたどり、役所はますます市民を支えきれなくなってしまうことを。

 最後に、参考となるサイトの記事をご覧いただきたい。
「地方から病院が消滅する日」(ビジネス・ジャーナル)  ←(クリック)

 きっと私が指摘していることの意味がお分かりになると思います。


※電子情報誌「青空エクスプレス」のアクセス数は、9月8日(金)Gooブログランキング(2762952ブログ)中、1484位でした。 
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