青山貞一ブログ

今話題の環境、財政、政治、司法に国民の立場で論評

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青山貞一「福島原発事故で、本当に恐ろしいのは魚介汚染」

2012-02-10 01:56:22 | 放射能汚染
◆青山貞一「福島原発事故で、本当に恐ろしいのは魚介汚染」
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ALvIdgc824Q#!

 原発事故以来、官民を問わず膨大な量のモニタリングデータが公にされてきたが、なぜか魚介類に含まれる放射性物質汚染に関するデータは、きわめて限られている。 理由はやはり太平洋側の海洋汚染が相当深刻なためだろう。


 日本の気象庁の気象研究所が2011年11月16日に発表したシミュレーション結果によると、放射性物質のうち、とくに放射性セシウムは今年の4月までに70~80%が海に落ち、陸地に降ったセシウムは30%程度と推測している。


 気象研究所の研究チームによれば、2011年3~4月は偏西風で運ばれるために陸地に落ちる量は少なく、その分海洋が汚染されたとみている。ヨウ素131は放出量の約65%が海に落ちたとしている。


 ちなみに私たち環境総合研究所が2011年春に行った放射性物質の3次元の移流、拡散シミュレーションでも類似の結果がでている。

 陸側におちた放射性物質も最終的に海に流れ込む。今後、近海魚や回遊魚だけでなく、底生魚介類の汚染が深刻になると推察される。


 本動画は、この分野第一線で漁民やNPOとも議論しあう中で調査研究をしてきた青山貞一さんに詳しくその実態、裏事情、一般国民はどうすればよいかなどについてのご意見を伺った。


 池田こみち 環境総合研究所副所長/インタビューア 2012年2月6日 
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繰り返す津波被害の半分は人災である? 後日談  青山貞一

2012-01-14 17:02:00 | 津波
 昨年12月末に録画し、数日前にYouTubeにアップしました「繰り返す津波被害の半分は人災」の動画は、1時間ものですが、現在、アクセス数が伸びています。まだ見ていない方は、ぜひご覧ください。

◆青山貞一:繰り返す津波被害の半分は人災である? You Tube 
 http://www.youtube.com/watch?v=ZeVrP2YTxAs

 私がこの動画で強調したかったのは、まともな土地利用規制をせず、一方、強大で巨額の防波堤、防潮堤をつくりながら、数万の死亡者をだし、多くの住民の固定資産や財産を流出されていることです。

 動画で述べたように、このような津波の被害は1000年に一度ではなく、100年に一度程度の規模で来ており、その都度、万を超す死亡者がでています。内務省資料や吉村昭氏の著作などをぜひ、ご覧下さい。

 ※貞観三陸津波、慶長三陸津波、明治三陸津波、昭和三陸津波、東日本大震災津波など。ぞれぞれの間にも宮城沖、チリ津波
  など多くの津波が到来しています。

 結局、原発事故同様、1000年に一度などと言うことで、あらゆる国、自治体などの国家賠償責任を逃れようとしている意図がミエミエです。実際、過去この種の国家損害賠償裁判は住民側が敗訴しています。

 だとしたら、何のために国から市町村の行政が存在するのか?という疑問がでてきます。

 中世の欧州のように小さな都市国家をつくり、クロアチアのドブロブニクやモンテネグロのコトルのような都市、さらにイタリアのアマルフィのような海洋都市国家の方がよほど、自然災害や外敵からの防御に対応できたと言えます。クロアチアのドブロブニクの場合、強固な城壁は高いところでは30mに及んでいます。これは外的を守るためのものですが、アドリア海で巨大地震があり、巨大津波があってもおそらくびくともしないでしょう。

 高台移転と言えば、南イタリアのアマルフィ海岸が世界的に有名ですが、この海岸にある小さな過去の都市国家は、9世紀から今日まで自律的、持続的なまち、それも小さいがキラリと光る歴史と文化、風土を生かしたまちづくりを続けています!

 これを機会に、本気で地方分権、地方主権を考える必要も出てきます!原発事故同様、無責任な国、行政、審議会、委員会などに自分たちの生命や財産をまかすわけには行かないと本気で感じます。

 ところで、正月にたまたま国土交通省の顧問と話す機会がありましたので、私は次のような質問をしました。

①国、自治体の行政は、建築確認を出し、開発許可を下し、また埋め立て免許を出してきた主体である。いわばそこに住んでもよいとお墨付きを与えてきた当人が、津波被害で国家賠償責任を一切負わないのはおかしい、

②なぜ、今回も巨大堤防をつくような土建的な事業、工事ばかりが先行するのか?
 
③さらになぜダム事業では住民を強制的に移住させながら、津波被害地で、なぜ、法的な土地利用規制、立地規制をしないのか、

④毎回何千人規模の住民が亡くなっている地域でなぜ、高台移転ないし集団移転をさせないのか、そのための国家補助的なことをしないのか

 ②に関連して、福島県内でいわゆる除洗にかかわる巨大利権を原発建設に係わったゼネコンや事故の責任当事者に近い独法の日本原子力開発機構などが得ている実態、現実に似ています!

 いずれの質問にも、誠実な答えは返ってきませんでしたし、④については、「高台なんかない」と怒鳴っていました。

 残念ながら私が動画を制作したのは、昨年末であり、上記についての議論内容は動画に十分反映されていませんが、国や自治体は、津波被害の大部分を住民自身におっかぶせ、他方、NHKの特番などでも県などは、サプライチェーンや企業にばかり復旧、復興の補助金を出すことに力を入れているのはまったくおかしいと感じます。

 実は原発同様、ここでも国、とくに国土交通省系の官僚や審議会、委員会などの無責任さ、また何でも鉄とコンクリートで自然災害をおしこめいようとし、結果的に災害を大きくしている土建的体質が問われます。

 なにしろ、数万人単位が亡くなり、家屋、家財道具、資産などがすべて流出している膨大な数の世帯がある実態を、行政の責任の視点から問う視点がなければいけないと思います。  

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繰り返される津波被害の半分は人災である 青山貞一

2012-01-09 09:29:24 | 津波

昨年4月から12月まで三陸海岸、それに宮城南部、福島全域の海岸を現地調査し、それをもとに制作した動画です。

 私見では、歴史的に見てこれほど何度となく繰り返され多くの死亡者など甚大な被害がでている津波ですが、行政が開発許可や建築確認を出している場所で起きていること自体、異常なことです。

 本来、国、自治体は死亡者や財産を喪失したひとびとに国家賠償責任を追うべきと感じました。
 
 その意味で繰り返す津波被害は天災であるとともに、間違いなく人災であるというのが、この動画で私が最も言いたかったことです。

◆青山貞一:繰り返す津波被害の半分は人災である? You Tube 
 http://www.youtube.com/watch?v=ZeVrP2YTxAs

 なお、動画の後半では高台移転などイタリアの事例、また放射性物質に汚染された瓦礫処理問題についても政策提言しています。

 ぜひ、見てください!
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青山貞一氏が語る、八ッ場ダムが止まらない理由

2011-12-24 12:22:08 | 政治
民主党政権に代わったときに、自然保護運動をしていた人たちが何よりも期待したのは大形公共事業の縮小だった。そして、八ッ場ダムをはじめとしたダムの中止。しかし、そんな期待はあっさりと裏切られ、国交省は工事を再開しようとしている。あの前原氏の意気込みはいったい何だったのか? なぜいつまでも目的を失った無駄な事業が止められないのか? そのことを東京都市大学教授の青山貞一氏がYouTubeで解説している。

八ッ場ダム工事再開問題①

八ッ場ダム工事再開問題②

 全部聞くと1時間以上になるので、要旨を以下に紹介しておきたい。

**********
 現在、河川改修、砂防ダム事業、道路の付け替え、吾妻線の橋梁など、ダム本体以外はほとんど工事が終わっており、住民移転も進んでいる。川原湯温泉の移転が遅れている程度。

 当初予算は2300億円だったが、6600億円に倍増。さらに道路特別会計、水資源特別会計などをつくってお金を使っており、4600億をはるかに超えている。これ以外にも5、6千億円を使っていると思う。民主党は建設中止宣言したが、工事は止まっていなかった。政治主導といいながら、官僚主導だった。

 前原氏は中止宣言した。しかし、国交省はダムの必要性について関係自治体や下流域の建設費を負担している都県の知事にも意見を聞き、有識者にも検討させた。今まで推進してきた知事に検討させて不要だということになるわけがない。国交省の有識者会議は一部慎重派が数名いるが、過半数は推進派など御用学者。このような国交省の仕掛けが動き出した時点で、今の状況はわかっていた。同じような例として長野県の浅川ダムがある。田中康夫さんが脱ダム宣言したのに行政手続きはまったく止まっておらず、政治主導にならなかった。こうしたことの背景には、政治家が行政手続きや計画確定手続きを理解しておらず、行政の思うままになっていることがある。

 日本の住民裁判はほとんど勝てないが、和解に持ち込めたものも含めると勝訴は6%程度。八ッ場ダムは国の直轄事業なので、国を相手に裁判ができない。そこで、応分の負担をしている地方自治体に対して差し止め請求裁判を起こした。その後損害賠償も複数起こした。裁判を起こした側の弁護士は、オンブズマンをやっているような名うての弁護士だったが、奇妙なことに自治体相手に起こした裁判であるのに関わらず、事業者側つまり国なり県の側にいる弁護士は同じだった。同じような理由でみんな負けてきた。大手メディアは裁判で何が主張されていたか、何で負けたのか、一切報道しなかった。

 行政訴訟の本質的問題がある。日本の行政訴訟では原告適格でほとんど却下。実質審議に入っても勝つことはきわめて稀。情報公開裁判はけっこう勝つが、時間がかかる。勝ったときはダムができてしまっている。行政訴訟は機能不全になっている。

 八ッ場ダムの場合、長野原町の住民が原告にほとんどいない。地域住民はお金をもらって移転するなどしてしまった。環境問題に関わっている人や税金の無駄遣いを問題にしている弁護士たちが起こした裁判になった。裁判を起こした側が計画高水というダムの根拠に深入りし過ぎ、何年も費やしてしまったという方もいる。そこにも敗因があったのではないか。

 八ッ場ダムの計画はカスリン台風の洪水被害が大きなきっかけになっている。しかし、ダムを造ろうとしたときに、吾妻水系の酸性水によって鉄やコンクリートがとけてボロボロになる、という問題が起こった。そのことは国交省も認めている。そこで品木ダムをつくり、石灰で酸性水を中和した。これで酸性水は改善されたが、品木ダムに大量のヘドロが溜まり、浚渫しなければならなくなった。そのヘドロにヒ素が高濃度に入っていた。この問題については高杉晋吾さんが指摘している。

 カスリン台風は大昔の洪水で、そのあと利根川水系に多くのダムが造られ、最後に残ったのが八ッ場ダムだった。洪水が防げることはほとんどないというのが専門家の意見。地質がもろく、土砂が堆積する。利水では、東京、埼玉、群馬などの水利用量は減っている。農業用水の需要もそれほどない。工業用水も同じ。発電も、中小水力がたくさんある。目的が失われている。国交省は、ダムをつくれば観光地となり地域の活性化になるといっているが、そんなことはまずあり得ない。国はデータを出さず、ほとんど水かけ論。いつまでたっても埒があかず、時間がたってしまった。

 八ッ場ダムはアセス法ができるはるか前の古い事業で、アセスも役割を果たしていない。日本のアセスでは、経済性は除外され公害と自然破壊のみ。吾妻渓谷はすばらしい景勝地であったが、すでにそれは破壊されてしまった。アセス法ができたときに、本格的アセスをするべきだったが、アセスの実質適用除外になってしまった。

 パブコメも聞き置かれるだけ。ダムがいいのか、河川改修がいいのか、いろいろな代替案があっていいが、日本のアセスは代替案をもとにやっていない。アメリカの環境アセスは、代替案の検討を義務付けている。日本ではアセスが行われる時期が非常に遅く、工事が進んでしまう。しかしアメリカはそういうことがクリアされている。米国では、スネールダーターという絶滅危惧種の小さな魚が見つかったあと、ほとんど出来ていたダムをやめて魚を守ることを選んだ。日本は、どこまで利権的な世の中なのか。

 日本は異常に公共事業費が多い。1996年時点で、日本の公共事業費はアメリカの3、4倍。その後も日本はずっとダントツで公共事業費の割合が大きい。道路、空港、ダムをつくってきたため。バブルのころは5、60万社の土建業者があった。それがバブル崩壊後もほとんど減らなかった。政治家と官僚が事業をつくりつづけた。

 政、官、業、のほか学、報(マスコミ)が強固なペンタゴン(五角形)をつくっている。原発問題も同じ。学者はとりわけ罪深い。東大が道路系、京大が水系を牛耳ってきた。学者は第三者的に研究するべきだが、日本は原発もダム問題も多くの学者が行政に取り込まれている。研究費をもらい、便宜をはかられ、検討会審議会の委員になる。良心的な人はせいぜい口をつぐむ。

 古くて新しい事業としては諫早干拓事業。あれも造るまえから大きな問題となりアセスもやったが、造られた。堤防の外側では魚介類が激減し、内側では水質がものすごく悪化した。反対してきた人たちが裁判して勝ったにも関わらず、国は今でも水門を開けない。日本という国は、どんなに問題があろうとお金を使おうと、ひとたび行政がやったことは立法も司法も追認してしまう。日本を象徴するような事業ではないか。

 民主党になっても法律改正をせず利権を引き継いでいる。だからといって自民党に戻ればいいというわけではないというところに最大の不幸がある。

**********

 世界の中でも日本の公共事業費がダントツに多いということを、国民は知っておくべきだろう。根っこは原発問題と何も変わらない。ごく一部の人の金儲けのために必要もない事業が造られ、国民がどれだけ反対しても無視されるシステムができあがっている。その部分が変わらない限り、いくら正論を主張しても簡単に止まらないのが日本の公共事業なのだ。利権構造の根は深い。
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◆青山貞一:「日本の大マスコミが抱える深刻な問題」

2011-04-28 11:21:19 | 政治
みなさま

 青山貞一です。

4月12日、Ustreamを活用し、独立系メディア E-wave Tokyo を開局しました。


◆独立系メディア E-wave Tokyo
http://eritokyo.jp/independent/today-column-ewave.htm



 以下は開局記念番組です。ワンクリックだけで視聴できます!
 

◆青山貞一:「日本の大マスコミが抱える深刻な問題」
=========================
http://www.ustream.tv/channel/aoyama-live1
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津波被災地、福島県いわき市現地調査動画 青山貞一

2011-04-26 10:01:16 | 政治
津波被災地、福島県いわき市現地調査動画  青山貞一
みなさま

 この4月16~17日、福島県いわき市在住の弁護士でオンブズマン、福島県弁護士会いわき支部の被害救済委員長でもあります広田次男弁護士の依頼でいわきを中心に福島県南部と茨城県北部の津波被災被害の実態を視察してきました。

 この視察では環境総合研究所の環境研究者3名と広田弁護士、坂本弁護士ら環境弁護士4名により、走行距離で0km、約30カ所に及ぶ被災地を2台の乗用車で視察し、被災地住民へのインタビューなどを行いました。

 以下に動画と静止画でそのうち9カ所の被害実態を収録しています。集落全部が壊滅している地域もあります。

◆E-wave Tokyo (Ustream)
 青山貞一、池田こみち、鷹取敦(環境総合研究所)
 津波により壊滅的被害地、いわきの実態視察
  http://www.ustream.tv/recorded/14241236

 なお、4月17日の午後はいわき市で福島原発関連のシンポジウムを地元の弁護士ら30名と一緒に行うとともに、今後、地元弁護士が被害救済を行う上で被災者(住民、漁民、農民ら)に対するインタビュー調査、聞き取り調査を行いました。

 なお、独立系メディア E-wave Tokyo のURLは以下の通りです。

ブログ系:http://eritokyo.jp/independent/aoyama-column1.htm
テレビ系:http://eritokyo.jp/independent/today-column-ewave.htm
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小沢一郎とメディアと法律  青山貞一

2010-11-06 20:29:42 | 政治
私の友人でフリーのジャーナリストは、以前、農水官僚の昇進にあわせ農業系公共事業などで世話になったとされる群馬県の片田舎の新治村の村長が元助役に指示し有力者からカネを集めお礼を贈ったとする記事を日刊ゲンダイに掲載した。

助役は友人のジャーナリストに銀行の通帳まで見せその事実を認めていた。ほぼ同じ内容の論文を岩波書店の「世界」に書いたところ、村長から友人と岩波書店を相手として民事の損害賠償請求訴訟を起された。

一審の前橋地裁では、友人と岩波書店が勝訴したものの、二審の東京高裁で逆転敗訴し、最高裁で棄却され確定、最終的に2百万円の損害賠償請求が確定した。

判決では、「裏付け取材を欠き、筆者が真実と信じる十分な理由はなかった」とし、記事中で村長が元助役に依頼して金を集めたという事実は真実と認めるが、そのカネが農水官僚に渡ったとまでは言えない。にもかかわらず記事を読む読者には農水官僚がもらったように、すなわち黒である印象を与えていることを判決の根拠にしていた。友人のフリージャーナリストは、決して決めつけて書いたわけではなく、疑惑があると書いただけと、今でも述べている(2010年11月6日談)。

◆東京高裁;岩波書店に賠償命令
東京高裁;岩波書店に賠償命令、群馬・新治村長が逆転勝訴(2002年2月6日)「農水省職員の昇進にあわせ、鈴木村長の指示で村職員が村の有力者に声をかけて数百万円のお祝いを贈った」などと、農水省構造改善局にわいろ疑惑があると書いた月刊誌「世界」00年3月号の記事で名誉を傷つけられたとして、群馬県の鈴木和雄新治村長が、同誌を発行する岩波書店(東京都)などを相手に300万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決があった。判決は、「裏付け取材を欠き、筆者が真実と信じる十分な理由はなかった」として、請求を棄却した一審・前橋地裁判決を変更し、岩波書店側に200万円の賠償を命じた。


当時、この判決は、刑事事件に関連することについては裁判が確定するまでジャーナリストは何も書くなと言うに等しいと話したものだった。そして当然、この事件の判決内容は判例となっているはずだ。

もし、その判例をもとに小沢一郎元民主党代表に関する新聞の記事やテレビのニュースを検証すれば、間違いなく、どれもこれも小沢氏にかけられた政治資金規正法に関連する容疑(個別具体に法的に見ればこの容疑は大したものではない)をグレーであるどころか、明らかに黒である印象を与えている。

であればこそ、この間、頻繁に大メディアが行ってきた世論調査、とりわけ2010年初秋に行われた民主党代表選での小沢一郎議員に対する支持が異常に低くなったと言えるのであろう。

今や大メディアの記者の多くに、「社会の木鐸」という言葉はないし、求めるのも無理がある。

本来、取材がメディアの大前提である。だが、こと小沢一郎氏に対しては、ろくに取材をしていない。

私が知る限り、この2年間、夕刊紙である日刊ゲンダイの独占インタビューと今回のニコニコ動画の1時間30分に及ぶロングインタビューをのぞけば、大メディアはどれも小沢氏本人にロングインタビューをしていない(できていない)。

民主党代表選に関連し、テレビ朝日の朝の情報番組と報道ステーションが小沢氏をスタジオに呼びキャスターらの質問に応えたことがあったものの、その場合でも小沢氏の実質発言時間は10分にも満たないものだった。

一方、小沢氏に対する新聞テレビなどの大メディア、さらに週刊誌、夕刊紙の名誉毀損、信用毀損、侮辱的な記事、それも「誰が読んでも書かれた当人が黒である印象を与える」記事や報道は星の数ほどあった。

大メディアは司法当局とか司法関係者によれば、などと記事のソースを書いてきたが、もとより検察、警察は法律や服務規程によって捜査中の情報を外部に漏洩することを禁止されている。そんな司法関係者からのリークをもとにあたかも事実であるかのような情報を、この2年近く連日連夜記事にし、報道してきたのである。

法学部や法科大学院の学生はもとより誰でも周知のように、我が国では憲法や刑事事件訴訟法に規定される「推定無罪」がある。

しかし、この間のメディアの論調をつぶさに見れば、「推定無罪」などどこ吹く風である。みんなで書けば怖くない。みんなで名誉毀損すれば恐くない。検察当局がリークしているのだから怖くないとばかりに、連日連夜、小沢氏の名誉や信用を毀損することに精を出してきたのである。

◆推定無罪 「疑わしきは罰せず」
推定無罪は「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という、近代法の基本原則である。狭義では刑事裁判における立証責任の所在を示す原則であり、「検察官が被告人の有罪を証明しない限り、被告人に無罪判決が下される(=被告人は自らの無実を証明する責任を負担しない)」ということを意味する(刑事訴訟法336条等)。広義では、有罪判決が確定するまでは何人も犯罪者として取り扱われない(権利を有する)ことを意味する(国際人権規約B規約14条2項等、「仮定無罪の原則」という別用語が用いられることもある)。
この原則は刑事訴訟における当事者の面から表現されている。これを裁判官側から表現した言葉が「疑わしきは罰せず」であり「疑わしきは被告人の利益に」の表現から利益原則と言われることもあるが、上述の通り、「疑わしきは罰せず」より無罪の推定の方が広い。
日本では、「被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない」と定める刑事訴訟法第336条は、「疑わしきは被告人の利益に」の原則を表明したものだと理解されている。 また、適正手続(due process of law)一般を保障する条文と解釈される日本国憲法第31条の「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」に推定無罪の原則(狭義)が含まれると解釈されている。
もっとも、「無罪の推定」(presumption of innocence)は、「疑わしきは被告人の利益に」(in dubio pro reo)の原則より広く、被疑者・被告人は、有罪の犯人と区別し、むしろ無辜の市民として扱われるべきだという意味として捉えられており(広義の推定無罪の原則、別名「仮定無罪の原則」)、国際的にも定着している。 これは、国際人権規約にも明文化されており、日本も批准している。そのB規約第14条2項は「刑事上の罪に問われているすべての者は、法律に基づいて有罪とされるまでは、無罪と推定される権利を有する。」と、権利の形で明確に保障している。


日本は「起訴法定主義」ではなく「起訴便宜主義」をとっている国だ。この「起訴便宜主義」により、検察に絶大な裁量が与えられている。しかもその検察には、それこそ説明責任の義務はない。なぜなら法律や服務規程によって情報開示がシャットアウトされているからである。

◆起訴便宜主義
刑事訴訟法248条によると、検察官が必要としないときは、公訴を提起しないことができる、つまり、起訴猶予が認められており、このことから、検察官に広い裁量権が与えられていることが分かる。
このことを起訴便宜主義というが、それに対して、検察官に裁量権を認めないというのが起訴法定主義である。日本の刑事訴訟法は、諸外国と比べ、起訴便宜主義が徹底されている。
起訴便宜主義においては、検察官による公訴権の濫用が発生しうるため、公訴権の行使が権限の濫用にあたる場合には裁判所は訴訟手続を打ち切るべきという「公訴権濫用論」という主張もある。


その結果、検察が起訴し公訴、すなわち公判にもちこめば、99.9....%の事件が有罪になる。だから一旦起訴されれば=有罪となり=罪人となるという図式がメディアで常識となってきた。すなわち、日本では起訴された時点で罪人といういかにももっともらしい言説が流布されてきたのである。

しかし、ここ数年分かったことは、99.9...%のなかに、かなりの無罪が含まれていたことであった。これを冤罪と言う。

そして、ここ数年、日本の捜査、取り調べがいかに無謀なものか、また昔特高、今特捜というべき実態が明らかになってきた。

物理的な拷問ではないとしても、検察自らが描いたシナリオを金科玉条とし、それに達するためには、人質捜査はじめ、やくざ顔負けのありとあらゆる言論暴力、時間的拷問、精神的拷問、さらに誘導をしてきたことが分かってきた。

そのあげくの大阪地検特捜部の幹部検事による証拠の捏造が明らかになったのである。

いずれにせよ、この間にメディアから出された決めつけ的な記事やニュース、情報番組は数知れない。

ご承知の方も多いと思うが、その昔、三浦和義氏(故人)が別件で逮捕、起訴され有罪となり収監されている最中に行った通信社、新聞社、テレビ局などのメディアへの本人訴訟による民事訴訟は、実に約500件に及んだ。しかも、その80%以上で三浦氏が勝訴したことは有名だ。

三浦和義氏はマスコミに報道された名誉毀損報道に対し、弁護士を代理に立てない本人訴訟を起こした(民事訴訟のみ可能)。

マスコミに対する名誉毀損の訴訟は476件にものぼる。三浦は訴訟の内80%が勝訴していると主張している(残り15%は時効による却下、5%は三浦の敗訴)。

現在は被疑者の人権を守るために、逮捕や連行の場合は警察は頭から衣服をかぶせたり全体をシートで遮断するなどの措置が、報道機関では手錠にモザイクをかけたりしている。

これは1985年9月11日に警察が三浦氏を逮捕し連行する際に、報道関係者の撮影用に腰縄・手錠姿を撮影させたが、三浦氏はこれに対して、「有罪が確定していない被疑者をさらし者にする人権侵害だ」として提訴し勝訴したことがきっかけとなっている。

小沢氏の場合どうだろうか?

当然のこととして、決めつけの名誉毀損、信用毀損、侮辱的な記事は桁が違う。どうみても起訴に値しない政治資金規正法問題だけでなく、政党交付金の使途に関する決めつけ記事を含めれば、新聞、テレビの大メディア、週刊誌、夕刊紙などで1万本以上が相当するのではないか?
もし、小沢氏が上記の記事や報道内容をひとつひとつ検証し、不法行為(民法第709条、共同不法行為は第719条)により損害賠償の民事訴訟を提起すれば、現時点でも圧倒的大部分で勝訴することになるだろう。まして、強制起訴され公判で当該容疑事実が晴れればなおさらである。

◆民法第5章 不法行為
第709条 故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス
第719条 数人カ共同ノ不法行為ニ因リテ他人ニ損害ヲ加ヘタルトキハ各自連帯ニテ其賠償ノ責ニ任ス 共同行為者中ノ孰レカ其損害ヲ加ヘタルカヲ知ルコト能ハサルトキ亦同シ
2 教唆者及ヒ幇助者ハ之ヲ共同行為者ト看做ス


メディアによる小沢氏への攻撃、毀損行為は過失ではなく明らかに故意であることは間違いないところだ。地方紙などが共同通信や時事通信が配信する記事を転載した場合でも、不法行為が成立するのは三浦和義氏の件で明らかとなっている。

親亀(通信社)だけでなく、子亀(地方紙)、さらにそれらをもとに記事を書いた雑誌や夕刊紙などの孫亀も不法行為の責任を負わなければならない。さらに言えば、無責任に匿名で書き散らすブログなども同じだ。いくら何々新聞が掲載していたからと言ってもその責任は免れないのである。

また不法行為の消滅時効は、不法行為の損害および相手(加害者)を知ったときから3年、不法行為のときから20年である。できればはやめに対応した方がよいだろう。

◆不法行為の消滅時効
不法行為の消滅時効は、不法行為の損害および相手(加害者)を知ったときから3年、不法行為のときから20年である。
不法行為の損害および相手(加害者)を知らなければ、3年の消滅時効にはかからないが、不法行為の損害および相手(加害者)を知らなくても、不法行為のときから20年で、消滅時効にかかることになる。


もちろん、政治家である小沢氏にとって重要なことは、この2年間、「記事は誰が読んでも書かれた当人が黒である印象を与え」られたことである。

小沢氏自身が何度となく述べているように、民主党代表時に事務所を幾度となく強制的に家宅捜査され、当人に対しも何度も確か4度にわたり事情聴取が行われている。

その上で容疑を裏付ける証拠を東京地検特捜部は、見つけられず不起訴にせざるをえなかった案件だからである。こんな例は聞いたこともない。ましてもし、東京地検特捜部の杜撰な捜査やリークがなければ、昨年9月以降、小沢一郎氏は日本の総理、首相となっていた人物である。

半世紀続いた自民党などの実質独裁政権によりできあがった既得権益を手放したくない自民党や大メディア、それに先進国では日本だけ独裁的権力をもつ検察権力が既得権益を手放したくないことは分かる。

かといって、勝手に描いたシナリオで秘書を逮捕したり、事務所の強制捜査後に、証拠をかき集めるという乱暴きわまりない捜査は前代未聞である。

しかも、司法当局は当初から司法クラブに居座る大メディアの記者を子飼い化し、いい加減な捜査、取り調べ情報をリークしまくったのである。まるで戦前の特高警察そのものであり、大本営発表を鵜呑みにし、また分かっていながらウソを書きまくった大新聞がしたことのデジャブである。

周知のように、名誉毀損や信用毀損の法的成立条件はいくつかあるが最終的には顕示した事実が真実であるか、真実性の証明が困難な場合、相当性があるかどうかで判断される。

刑事事件における名誉毀損、信用毀損の場合には、刑法230条の2第1項によれば、名誉を毀損する表現であっても、第一に、それが公共の利害に関する事実に係るものであり、第二に、その目的がもっぱら公益を図るものであり、第三に、当該事実が真実であれば、処罰されないが、当然の事として証明が難しいのは、第三である。

東京地検特捜部が国策捜査と揶揄されるように、意図を持って古い案件について、政権交代直前で小沢氏にかけた容疑で秘書らの逮捕、小沢事務所の家宅捜査、小沢氏本人への度重なる事情聴取で証拠が得られない案件である。真実性はもとより相当性であっても証明するのは容易ではない。

まして、平均年齢が30歳のまったくのシロウト審査員が二度にわたり起訴相当を出したことこそ疑惑を超える。しかも、何から何まで非開示、非公開の検察審査会はどうみても憲法違反の可能性が大である。人民裁判による人権侵害の危険性もある。

本題の小沢氏に関連する疑義であるが、第一に当初の西松建設問題があるが、肝心要の西松建設幹部の証人が前言を覆し大久保秘書裁判は頓挫している、判決どころか検察側は今後の公判維持すら危ぶまれている。

次は佐久間元東京地検特捜副部長が現在収監されている水谷建設社長の供述からはじまった5000万円問題だ。これも社長に虚言癖が指摘され、無理筋である。具体的証拠がまったく見つからない。もともと小沢氏は当時、民主党の幹部ではあっても閣僚でも与党の幹部でもない。職務権限がない。

三つ目は、本題の政治資金規正法違反容疑である。ここ2年世間を騒がした4億円問題で明らかになったのは、最終的に政治資金収支報告書におけるいわゆる「期ずれ」である。

これは民間ではよくあること。非現実的な現金主義をとる政治資金管理における会計のあり方の問題である。

仮にこの「形式」問題で公党の代表(当時)をいきなりお縄とするのは言語道断である。「形式犯」的微罪が問われるなら大部分の国会議員は、その都度お縄となるだろう。

また政治資金で不動産購入を執拗に問題にするマスコミや政治家がいるが、平成19年以前、これはまったく問われなかった。平成19年の法律改正で禁止されているが、小沢氏問題は平成19年以前である。

もとより、小沢氏がそれらにより私財を増やし、私腹を肥やしているのならまだしも、多くの書生や秘書を一人前に育てるためのアパートや宿舎のために合法的に使っているのだから、とやかくいわれる筋合いはないだろう。

歳費で海外に豪華な観光旅行したり、政治資金でキャミソールを購入したり、菅氏のように毎日のように数万円の会食を身内でしていることこそ、政治的、倫理的に問われなければならないのではないか。

そもそも、特捜部の何はともあれ片っ端から捕まえ、家宅捜査してから容疑を考えるトンデモ捜査こそ断罪されるべきであろう。

もし、上記のような疑義だけで現職の政党党首を引っ張るとなれば、自民党の大部分の幹部はひっぱられるだろう。事実、西松建設問題では20名近くの自民党及び自民党系代議士や知事が献金を受けていたからだ。

次いでに言えば、巷では政党交付金の使途問題が執拗に騒がれている。もしこれが問題、さらに違法の可能性が有れば、とっくにこれを容疑事実としてひっぱっている。

このように法、法理、証拠、事実、真実などをまるで伝えず、ただ「政治とカネ」と喧しく騒ぎ続ける人権無視の大マスコミとそのスクラムは、一体どう責任を取る用意と覚悟があるのだろうか?
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「経済と選挙」音痴のKY首相に増税を指南した小野教授とは?   青山貞一

2010-07-10 11:44:54 | Weblog
 経済音痴で有名な菅首相が副総理時代の今年2月(2010年2月)、内閣府参与として政府に登用した東工大出身の経済学者による「増税と公共事業による雇用創出論」を「つまみ食い的かつ鵜呑み」にし、総理就任直後、消費税10%論を唐突に提案していたことが判明した。

2010/03/06(土) 06:10:29 ID:???0 日経
内閣府参与に小野阪大教授 経済政策を助言
 経済財政政策を担当する菅直人副総理・財務相は5日、阪大の小野善康教授を内閣府参与に任命したことを明らかにした。小野教授は阪大と兼務しながら、必要に応じて菅副総理に経済政策を助言する。昨年末の成長戦略の策定では有識者としてヒアリングに呼ばれるなど、民主党政権との距離が近いとされる。 小野教授は規制緩和など企業活力の向上を狙う政策は人員余剰につながると指摘。環境インフラへの財政支出などが需要を増やし日本経済を活性化させると訴えてきた。一方、生活困窮者の対策を手掛けた反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏は内閣府参与から外れた。(00:40)

 2010年6月27日(日)にテレビ朝日のサンデーフロントライン(キャスター小宮悦子氏)に出演した菅直人ブレーンは、何度となく携帯電話で助言、指南を仰いできたことなど、菅直人首相の消費税10%の裏事情を暴露している。

 その学者は大阪大学社会経済研究所長の小野善康教授。下は小野教授の詳細プロフィール。菅直人首相が卒業した東京工業大学工学部の後輩にあたる(菅氏は昭和21年(1946年)生まれ、昭和49年東工大入学、昭和44年卒)。

小野善康氏プロフィール

昭和26(1951)年生まれ
昭和44年4月 東京工業大学工学部 入学
昭和48年3月 東京工業大学工学部社会工学科 卒業
昭和48年4月 東京大学大学院経済学研究科修士課程 入学
昭和50年3月 同課程修了 経済学修士
昭和50年4月 同博士課程 進学
昭和54年3月 同課程修了 経済学博士
昭和54年 4月 - 昭和56年 3月 武蔵大学経済学部 専任講師
昭和56年 4月 - 昭和59年 9月 武蔵大学経済学部 助教授
昭和59年10月 - 平成 2年 9月 大阪大学社会経済研究所 助教授
平成 2年10月 - 平成 8年 3月 大阪大学社会経済研究所 教授
平成 8年 4月 - 平成11年 3月 東京工業大学社会理工学研究科 教授
大阪大学社会経済研究所 併任教授
平成11年 4月 - 平成13年 3月 大阪大学社会経済研究所 所長・教授
平成13年 4月 - 平成21年 3月 大阪大学社会経済研究所 教授
平成21年 4月- 現在 大阪大学社会経済研究所 所長・教授
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昭和55年 9月 - 昭和56年 7月 ロンドン大学LSE 客員研究員 (British Council Scholar)
昭和60年 9月 - 昭和62年 8月 プリンストン大学 客員研究員 (国際文化会館 新渡戸フェロー)
平成 3年 1月 - 平成 3年 5月 ブリティッシュ・コロンビア大学経済学部 客員教授(経済動学、日本経済論担当)
平成 5年 5月 - 平成 5年 8月 世界銀行 客員研究員
平成22年 2月 - 現在    内閣府本府参与

 小野教授が説く「第三の道」は、以前より研究者仲間の間で「現実の世の中では実行不可能な不自然な前提を置いており、人間の行動力学を無視した机上の空論」と批判されてきたものだ。 

★小野善康氏が内閣府の参与に(驚き)? 石渡 正樹ブログ

 小野氏が説く「第三の道」が第三の道といわれる所以は、小野氏は経済学において、いわゆるニューケインジアンであり拡張財政派の立場にある。しかし、氏は昔のケインズ主義者ではなく、ケインズ理論を否定する新古典派経済学理論を用い新たなケインズ経済学を導いた、という異色の経済学者とされている。

 その小野教授は、ロイターのインタビューで、「雇用創出に向け消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいいと、現在5%程度の失業率を3%に下げるまで人を雇えるお金が必要だ」また「増税分は借金返済に充てるのではなく、雇用創出とその所得支払いにまわすべきだと主張するとともに、税収の使途は、福祉目的税のように限定しないほうがいい」との見解を示し、増税を首相に提案していた。

 インタビューで第三の道について尋ねられると、小野教授は「過去の自民党政権下で取られた第一の道は、消費者にお金をばらまけばいいというオールド・ケインジアンの発想であり、無駄な公共事業や減税、補助金を指す。第二の道は構造改革そのもので、1990年代以降に生産能力が余っているにもかかわらず生産能力を上げようとした小泉・竹中改革。双方に共通するのは、労働資源を活用することが頭になく、お金を使うか倹約するしかないこと。これでは需要と雇用は生まれない」と述べている。

 さらに 「第三の道は、人に働いてもらうことが目的。そのために資金が必要なら、増税しても構わない。そうすれば当初の増税分は家計に所得として返るので、その時点で家計負担はないし、サービスや設備も提供される。雇用が増加してデフレも雇用不安も緩和されるため、消費が刺激され、経済も成長して税収が増え、財政も健全化していく」とも述べている。

★インタビュー:失業率3%へ消費税上げも=小野・阪大教授 ロイター
★小野教授自身の経済政策論サイト

 菅首相が消費税10%増税を何に使うのかと会見や野党から質問されたとき、国民年金、社会保険など福祉目的税に使うと明言しなかった理由が上のロイターのインタビュー記事から見てとれる。

 もっぱら、小野教授は消費税の増税より、高額所得者への増税を持論としているようだが、菅首相ブレーンとして小野教授は、「消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいい」と進言している。

 経済音痴で選挙音痴のKY首相は、こともあろうか参議院議員選挙直前のこの時期に、マニフェストや党内議論を無視し、小野教授の進言を鵜呑みにし、かつ「つまみ食い的」、唐突に消費税10%論を提案した。

 学者が理論としていろいろな政策(問題解決の方向性、道筋)を考え、提案するのはよいとして、国政を預かる首相、総理が、理論中心で実社会での経験がほとんどない(世間知らず)の学者の経済論を、誇らしげに上から目線で公言したことになる。これは政策内容は違うが、小泉首相と竹中教授の関係に似ている。

 KY(空気が読めない)といえばこれほどKYな政治家、それも首相は歴代いないはずだ。結果は、ご覧のようにV字回復した内閣支持率や民主党支持率は劇落してしまった。

 KY学者の小野教授側に問題は多々あるものの、それをつまみ食い的に鵜呑みに、こともあろうか参議院議員選挙直前に気負って公言したKY首相に、民主党は真っ青、昨年夏政権交代を支持した国民、有権者も唖然、茫然し狼狽している。

 覆水盆に戻らずのたとえの通り、V字回復で単独過半数を狙った民主党はKY首相の付け焼刃的な増税論でボロ負けの可能性が高くなっている!

追記

 その昔、大学卒業後、筆者はアジア経済研究所の関連機関に数年いた経験がある。そのとき以来、経済学(経済学者)ほど現実、実社会から乖離し、学者の唯我独尊、トンデモ理論が跋扈している世界はないと言えると感じている。

 当時、研究所に英国からジョーン・ロビンソン教授がこられ経済学の現実との非関連性を徹底的に批判するなど、ラディカルエコノミクスがミシガン大学などで台頭していた。

 学問、研究の自由は大切である。さまざまな理論的研究、モデル、政策を研究し提案することは大切である。しかし、MITの学者とその卒業生が考え出したサブプライムローンシステムや竹中平蔵氏ら新自由主義の経済論など、学者の机上の空論が実経済社会を破たんに追い込んだり取り返しのつかない弱肉強食の「格差社会」を招来させるケースもたくさんある。

 また政治、政局と無関係に唯我独尊の持論を「ときの首相」に助言、指南し、経済音痴の首相が全面的にそれを鵜呑みにするケースも多い。しかも、しっかり分かっていればまだしも、生煮えの中途半端な理解のもと、会見などで首相が世に問うなどもっとての他のはずだ。

 今回はこともあろうか、小野教授の持論である「第三の道」の経済政策をおそらく戦後日本社会でもっとも重要な時期の参議院議員選挙のなかで総理が社会実験しようとしたKY菅直人首相にも驚きの念を隠せない。 
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雨後の竹の子、乱立する新党の実像

2010-04-25 20:26:40 | Weblog

政権交代後、既得権益がなくなり、求心力がなくなった自民党の政治家が、次々に自民党を離党したり新党を立ちあげている。

 もとよりこの種の新党は、政党の存在理由が分かっていない独善的な政治家がつくるか、特定の政策目的、たとえば官僚による天下り禁止などでつくっているもので、共通しているのは自己顕示欲、すなわち「目立ちたがり屋」の性格が強く、いわゆる唯我独尊的なものだ。

 自民党系の新党は、冒頭に書いたように利権、権益だけが求心力であり、賞味期限どころか消費期限が過ぎた自民党という泥船から脱出しようとしている政治家が自己顕示欲と政党交付金欲しさに迎合、野合しているものばかりである。またこれら新党は選挙互助会的色彩も強い。

●たちあがれ日本

 まず、理念も政策もばらばら、共通しているのは70歳過ぎの偏屈なタカ派、右翼が集まったのが「たちあがれ日本」である。そもそも小泉郵政民営化を担った緊縮財政派の与謝野議員と郵政民営化に反対し自民党を離党した平沼議員が共同代表となっている。2人は言うまでもなく理念や国家観が全く異なっている。

 この厳然たる事実だけを見ても支離滅裂である。政党交付金をもらうためには政党要件を満たさなければならず、理念も政策もそっちのけで消費期限が過ぎた年寄り政治家が無理矢理5人集まったといえる(石原知事は国会議員ではない)。今まで同様、今後も精勤で喰って行こうという点でも共通している。

平沼赳夫 (代表・衆議院議員)
与謝野馨 (共同代表・衆議院議員)
園田博之 (幹事長・衆議院議員)
藤井孝男 (参議院代表・参議院議員)
中川義雄 (参議院幹事長・参議院議員)
石原慎太郎 (応援団長・東京都知事)

 そんなことから、参加を見送った議員、たとえば城内実議員、小泉龍司議員からは「保守色が強すぎる」とされ、逆に鴻池祥肇議員は「理念や国家観が違う与謝野と一緒にできないと述べている。

 そもそも「たちあがれ」は、家族そろって税金に寄生する石原東京都知事が命名したとされるが、その名称は、「上から目線」あるいは「他人ごと」的である。たちあがるエネルギーがなくなった「立ち枯れ」老人が自身を鼓舞しているとしか思えない。


●舛添新党

 マスメディアの誘導質問的インチキ世論調査で首相に相応しい政治家ナンバーワンとされ、さもなくとも傲慢、独善、自民党内で嫌われ者となっている舛添議員が、「その気になって」谷垣自民党総裁など執行部をボロクソ批判した。

 そこまで批判すると、あとは離党する以外無くなったが、周りをよく見ると、自民党内のまともな政治家は誰も着いてきそうにもない。かといって橋元大阪府知事などとの連携も相手から断られる始末。

 どうしようもなく、渡り鳥議員、わけあり議員を集めこの4月21日、舛添新党づくりに言及せざるを得なくなった、というのが真相であろう。その背景には、「たちあがれ日本」同様、政党要件を満たさなければ交付金もなければ発言場所も発言時間もほとんどなくなるので、渡り鳥、わけあり議員を集めて旗揚げせぜるをえなくなった。
 
 新党結成の意向を表明した舛添要一議員は21日以下の発言をしている。それぞれにコメントを付けてみた。

 【現状認識】今の鳩山内閣の状況を放っておくと日本が必ず沈没する。一日も早く民主党政権を倒さないと国民のためにならない。閉塞感を何とかしたい。

 ....これは自民党政治そのものに対するものである。そっくり自民党にお返ししたい。

 【新党結成】国民の期待に応えられるよう準備を進めている。国を憂えている政治家が結集すればいい。オールジャパンでやれば、必ずこの難局を乗り切れる。夢と希望をこの国に取り戻したい。集大成の日が迫っている。

 ....言うのは自由だが、渡り鳥議員、わけあり議員を集めやっとどうにか5名となるような政党が日本の難局を乗り切り、夢と希望を取り戻せるわけがない。

 【準備状況】清潔な政治を目指し、外交・安保を立て直す。タイムリミットがあるので、いろいろな政治家と話をしている。5人以上と話し、ほとんど賛同いただいた。当然、私が党首になるから「舛添新党」という話だ。

 ....その5人とは、舛添議員以外は矢野哲朗議員(前参院国対委員長)が参加を検討中のほか自民党と国会で統一会派を組む改革クラブの渡辺秀央、荒井広幸、山内俊夫の参院議員という。もとより荒井議員は郵政民営化政策で自民党を離党した後、選挙互助会となった新党日本に移り、首班指名で安倍晋三議員に投票するなど支離滅裂行為を繰り返し、はぐれ議員の集まり、改革クラブに移っている。

 【自民党批判】政党のために政治をやっているのではない。どこの政党も支持しない人が5割を超える状況だ。こんな不健全な政治は過去数十年なかった。

 ....日本の政治は実質半世紀、自民党の利権、独裁政治に蹂躙されてきたことをどう総括するのだろうか。

 舛添新党の母体となる「改革クラブ」だが、その沿革を見れば唖然とする。

 この改革クラブこそ、「政党交付金」と「選挙」のための互助会であることが明々白々である。何が改革クラブか! もちろん、理念も政策もあったものではなく、バラバラである。

2008年(平成20年)

 8 月29日 : 参議院議員4人により結成。参加予定であった姫井由美子が直前に翻意し、政党要件を満たさない政治団体として発足した。

 9月24日 : 無所属で活動していた衆議院議員・西村眞悟が参加。所属議員が衆参5人となりやっと政党要件を満たすことになる。

2009年(平成21年)

 8月30 日 : 第45回衆議院議員選挙で西村議員が落選。所属議員が参議院議員4人のみとなり、再び政党要件を満たさない政治団体となる。

 9月11日 : 参議院で自民党との統一会派「自由民主党・改革クラブ」を結成。

 10月16日 : 無所属(元自民党)衆議院議員・中村喜四郎が入党、所属議員が5人となり、政党要件を回復。

 10月19日 : 衆議院でも自民党との統一会派を結成することで合意。

 2010年(平成22年)

 1月 8日 : 山内俊夫参議院議員(5日に自民党を離党)が入党。
 1月14日 : 松下新平参議院議員が離党(翌日、自民党に入党)。


●山田・中田新党
 
 松下政経塾出身で衆議院議員から首長に転出した東京都杉並区の山田宏区長と前横浜市長の中田宏氏が中心となり、前山形県知事の斎藤弘氏ら現職の首長や首長経験者が今月内にも新党を結成するという。

 山田区長は、都内で記者団の質問に答え、新党のメンバーや党名、参院選候補者を今月中に発表すると説明。自身の参院選立候補については「出る考えはない」と否定した。参院選には候補者10人程度を擁立する方針で、中田氏と斎藤氏が比例代表での立候補を検討しているというが、現職国会議員の参加は見込んでいない。

 さらに山田区長によれば、橋下徹大阪府知事に関して「いろいろな形で連携するが、今回の動きに直接加わることはない」と指摘している。

 山田、中田両氏らが結成した政治団体「よい国つくろう!日本志民会議」に参加する中村時広松山市長や鈴木康友浜松市長については「新党に入るということではないが、連携はあり得る」と述べた。

 山田・中田新党は、民主党政権を「ばらまきが過ぎる。国家の再生にはつながらない」と批判し「永田町の動きとは一線を画した形で国民の声を集めたい」と強調しているという。また共同通信の記事によれば、政策に関連しては「地方の行政改革を進めた立場から見ると、国の経営はあまりにも問題が多い。地方自治での実績を踏まえて経験を生かす」と述べており、法人税引き下げや国家公務員数の削減などを訴えるとみられる。

 まず最初に指摘したいのは、山田区長、中田前市長は、いずれも致命的な女性スキャンダルを起こしている政治家である。

 山田区長と元杉並区議、その後東京都議選に転出し落選し小泉選挙で大阪の選挙区から当選。昨年の総選挙で落選した渡嘉敷なおみ氏とのグチャグチャな不倫事件はあまりにも有名だ。

 山田区長は渡嘉敷氏の実の旦那(その後離婚)を刑事告訴し、当時の旦那は収監された。その後、旦那から山田区長と渡嘉敷氏は名誉毀損裁判で訴えられ、山田区長は500万円の示談金で和解している(ただし、渡嘉敷氏は旦那からの訴えそのものを否認している。

 この山田区長の女性スキャンダルについては、以下を参照いただきたい。
 
 ある小泉チルドレン(2006.12.2)

 また中田宏前横浜市長の女性スキャンダルも地元で知らない人はいない。ひとつは週刊現代がスクープした専門学校の女学生との間での問題、もうひとつは被害を受けたという関内のクラブの女性から損害賠償請求された時間である。

 中田市長女性醜聞1(週刊現代)

 中田市長女性醜聞2(週刊現代)
 また、日刊ゲンダイに以下のリードにあるような記事もある。
 
 無責任“中田宏”市長が明かせない辞任理由  日刊ゲンダイ

 横浜の中田宏市長(44)の任期途中での放り出し辞任には市民も市職員も呆れている。今度の衆院選には出ないというが、国政転出を狙っているのは明らか。それでも何をやりたいかはハッキリしない。女性問題など、これだけスキャンダルが多いと、自民も民主も3期目は担げないという声もしきりだが、「開国博」などやりかけたままでほっぽり出すのは無責任もいいところ。  

 いずれにせよ、この2人に共通していることは、日本の将来や日本の教育を憂う以前にご自身が起こしたこの種のスキャンダルをしっかり反省することであろう。さもなくとも多々批判が多い松下政経塾卒の政治家の品位、品格を地に落としているという自覚がなければならない。

つづく
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オバマの真価を問う中南米諸国との関係修復 青山貞一

2009-04-20 23:06:42 | Weblog
 現地時間の2009年4月17日、カリブ海のトリニダードトバコのポートオブスペインで米州首脳会議が始まった。

 この会議は、ひさびさに北米、中米、南米、カリブ海諸国が一同に会する会議である。

 開幕式典で演説したオバマ米大統領は「上下の無い対等な関係構築に努める」と述べた。

 しかし、ノーム・チョムスキーMIT教授の言葉を借りるまでもなく、米国は歴史的に中南米、カリブ諸国を米国の裏庭とみなし、あたかも殖民地であるかのごとく扱ってきた事実がある。

 またJ.F.ケネディ大統領以来、米国はキューバを敵視し、キューバに対して経済封鎖を公然と現在に至るまで行っている事実もある。

 これら米国の中南米、カリブ諸国へのいわば「蔑視政策」は、前ブッシュ大統領において頂点に達していた。

....

 これら米国のいわば蔑視政策に対し、中南米諸国は、反米・反帝国主義を掲げるヴェネズエラのウゴ・チャベス大統領がリーダーシップをとる形で、ボリビア、ニカラガなど反米急進派だけでなく、ブラジル、アルゼンチン、さらに穏健派諸国を巻き込む形で反ブッシュ包囲網を形成してきた。

 そのウゴ・チャベス大統領は、国連でブッシュ大統領を「悪魔」呼ばわりする一方で、フィデル・カストロ前キューバ革命会議議長らキューバ政府の立場をあらゆる公式の場で代弁してきた。
 世界各国にとって「悪魔」であったブッシュ政権から、米国では黒人初のオバマ大統領となったが、実は今回の米州首脳会議にもキューバだけが出席を拒否されていた。歴代、米国の大統領が拒否権を発動してきたからである。

 ところでこの会議で、オバマ大統領は「アメリカ政府はキューバと、人権・表現の自由、民主的改革など、幅広い問題について協議する用意がある」と述べ、長年対立してきたキューバに対し、「アメリカは新たな始まりを求めている」と呼びかけた。

 これに対し、変米の雄、チャベス大統領は、「米国よりキューバの方が民主主義がある」と持論を展開、民主化への取り組みの遅れなどを理由にキューバのOAS復帰を拒む米国を批判した。

 客観的に見て、ケネディー大統領がキューバへの経済封鎖を行ってこの方、米国の歴代大統領がとってきたキューバ敵視政策は、チャベス大統領の言を待つまでもなく、まったく時代にそぐわないものである。いわば旧ソ連との間での冷戦構造時代の歴史的遺物のようなものである。

◆青山貞一:米国の経済封鎖、オバマ大統領は封鎖解除を! 

 またブッシュ政権時代を見れば分かるように、米国は対外的に人権だ民主主義だと声高に叫ぶ割に、アフガン、イラクなど中東諸国にエネルギー新殖民地主義的な侵略を行ったり、キューバの東端にあるガンタナモ基地に多くのアフガン、イラク、パキスタンなどイスラム人を強制収容している。

 米国は世界各国から人権無視と厳しい批判を受けており、オバマ大統領はガンタナモ基地のこの刑務所の閉鎖を公約している。

 米国の建国の理念、精神がいくら立派で崇高であっても、現実に米国が中南米諸国でCIAや軍を使い行ってきたことは、国際音痴の日本人やジャーナリズムが知らないだけで、ブッシュ前大統領がいう「テロ国家」そのものであったといえる。

 その意味でチャベス大統領のいう「米国よりキューバの方が民主主義がある」という言葉は極めて現実味をもっており、同時に言葉の重さをもつものである。

 ただ中南米、カリブには今でも米国の裏庭、殖民地的な地域や傀儡政権的国家が多数ある。その意味で、反米、反グローバリズム、反国主義を旗幟鮮明にし、物言う大統領、チャベス氏の役割は一段と大きなものとなるだろう。

 一方、私見だがオバマ大統領の真価が本当に問われるのは、欧州、日本ではなく中南米、カリブなどの諸国との関係改善が可能となるかどうか、とくにキューバへの経済封鎖経済封鎖や敵視政策を大幅に改善できるかどうかにかかっていると思う。

ブッシュ前政権と違いアピール 米、中南米と融和姿勢東京新聞 2009年4月19日 朝刊

 【ニューヨーク=阿部伸哉】十七日にカリブ海のトリニダード・トバゴで開幕した米州首脳会議で、オバマ大統領の中南米外交が本格始動した。大統領は反米左派のベネズエラのチャベス大統領と握手を交わし、演説でキューバとの対話姿勢を打ち出すなど、ブッシュ前政権との違いをアピール。左派勢力の伸長が目立つ中南米で、米国の復権にどこまでつながるか注目される。

 会議の最大の焦点は、米国から約半世紀にわたって経済制裁を受け、事実上の除名処分を受けているキューバの扱い。公式議題ではないが、中南米諸国から制裁解除を求める声が高まっている。

 オバマ大統領は開幕式のあいさつで、参加国の期待に応えるようにキューバに何度も言及。「どの国も自分の道を歩む権利がある」とし、「米国はキューバとの新たな始まりを求める」と述べた。

 クリントン米国務長官も前政権の対キューバ政策は「誤りだった」と認め、政権の方針転換を印象づけた。

 キューバを社会主義モデルと仰ぐチャベス大統領は前日、首脳会議の最終宣言案を「米国の対キューバ制裁解除が盛り込まれていない」として拒否。緊張感が高まる場面もあったが、オバマ大統領は開幕式の前にチャベス氏と握手し、融和ムードを打ち出した。

 チャベス氏は十八日、中南米の植民地支配の歴史を記したウルグアイ人作家の著書をオバマ大統領に贈呈。米政権が中南米諸国への理解を深めることを期待したとみられ、オバマ大統領は笑顔でこれを受け取った。



米州サミット開幕 オバマ大統領「中南米と対等な関係」
【ポートオブスペイン(トリニダード・トバゴ)=檀上誠】北・中南米の首脳が一堂に会する米州首脳会議(サミット)が17日、当地で開幕した。開幕式典で演説したオバマ米大統領は「上下の無い対等な関係構築に努める」と述べ、これまで「米国の裏庭」とみなして配慮を怠ってきた中南米に対する政策の転換を宣言した。

 式典ではこれに先だちアルゼンチンのフェルナンデス大統領が「序列ではなく協調を基にした関係が必要だ」と指摘。オバマ大統領が応じた格好だ。

 オバマ氏は中南米各国の首脳が求めている対キューバ政策見直しについて「米・キューバ関係は新たな方向に前進できる」と発言。中米歴訪の直前に発表した在米キューバ人の一時帰国の緩和など、対キューバ政策の根本的な見直しに踏み出したことを強調した。

 開幕式典では、反米を掲げるニカラグアのオルテガ大統領が一時間を費やし、米国の歴代政権の中南米政策を批判する一幕もあった。オバマ大統領は「自分が生まれたころに起きたことまで、私のせいだと言われなくてよかった」とかわした。(13:12)

日経新聞


OAS宣言案に拒否権も=キューバへの言及に不満-ベネズエラ大統領

 【ポートオブスペイン16日時事】ベネズエラの反米左派チャベス大統領は16日、カリブ海の島国トリニダード・トバゴの首都ポートオブスペインで17日から開幕する米州機構(OAS)首脳会議で採択予定の首脳声明について、OASから事実上排除されたままのキューバへの言及に不満があるとして、同調する他の国と共に拒否権を発動すると語った。AFP通信などが伝えた。

 チャベス氏は「宣言は受け入れ難い。時宜にかなっておらず、まるで時間が止まったかのようだ」と指摘。さらに「米国よりキューバの方が民主主義がある」と持論を展開、民主化への取り組みの遅れなどを理由にキューバのOAS復帰を拒む米国を批判した。(2009/04/17-10:15)

時事通信
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