ふみさんの日々雑感

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サザンカの思い出

2009-11-17 17:03:56 | 花と自然
サザンカの花の咲く季節になった。

私の育った田舎の冬は、子供の頃、それはそれは大変な量の雪が降った。現在は信じられないほど、降らなくなったけど。

多い時は、雪道が電線よりも上にあった事もある。毎日毎日、白灰色の空からサラサラと粉雪が降り続く。耳が痛くなるほどの静けさの中を、サラサラサラサラと、雪の降り積む音だけが世界の全てだった。

家々を取り囲む木々も、隣の家も、白い世界に呑みこまれて見えない。現実の世界が消えて、村々は異次元に変わって行く…。

周りから花の色が消えた頃、母屋と蔵との間にある大きなサザンカの木が沢山の白い花をつけ始める。それは、冬の始まり。そして、冬囲いの始まり。

豪雪に備えて、やっと咲き始めたサザンカも囲われて見えなくなってしまう。その頃から、大きな風が吹き、雪おろしの雷が轟き、雨がみぞれに、そして雪に変わって行き、太陽は何カ月も旅に出てしまう。

夫の大阪転勤から、東京に戻り世田谷に住んだ時、直ぐにサザンカの小さな鉢植えを買った。実家に咲いていた八重の白いサザンカ。川崎に引っ越しして、今度は八重のピンクのサザンカを買った。

 

マンション住まいなので、大きくならないように毎年、適当にカットしているが、可愛く咲いてくれる。沢山、挿し木して姉や妹や友達にあげた。そして、田舎の庭の片隅にも植えた。

サザンカが咲くと、子供の頃の田舎の冬を思い出す。住んでいた村が世界の全てだった頃。冬に太陽がサンサンと輝いている世界があるなんて、想像もつかなかった子供の頃。暖かく燃える囲炉裏を囲み、元気だった父や母やおばあちゃん、姉や妹、子犬のペチ。

子供の頃の思い出は、幸せなセピア色。

今頃の時期になると、随分と遠くに来たものだと、物悲しくサザンカを見つめる。
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