まわりで起こっていること

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正常性バイアス

2011年10月03日 | Weblog
夕べのNHKスペシャル。

津波からどのように逃げたか。

だったか、そんなテーマの番組だった。

名取市の閖上(ゆりあげ)地区。

この種の番組は、ここのところ、ちょっと敬遠気味だったんだけど。

夕べは、やっぱり、直視しなきゃな。

という気になって見ていた。

6人に一人が、津波で流されたそうで。

地震おきた後の行動を、NHKがアンケートとったり、インタビューしたり。

しかし、よく取材したな、と思った。

訊くほうも、訊かれるほうも、つらかっただろうね。

貞山堀といったか、伊達政宗の造ったという堀までは津波はこない。

という安全神話や。

ある女性の話が印象に残ってるんだけどね。

地震のあと、ステレオの足が壊れて、それをなおしていたそうだ。

彼女曰く、なぜそうしたのかわからないけど、そうすることで平静心に戻ろうと思ったのかも、と。

結果、二階に避難していた家族は、彼女以外、助からなかったという。

フクシマ以後、学者さんたちは、あんまり、信用できない。

というような雰囲気がただよっているんだけど。

心理学なのか、東京女子大学の先生がおっしゃていた。

人間というものは危機が迫ったとき、危険でないように思いたくなるものだ、と。

そういうものなんだ。

それを、正常性バイアス、というらしい。

敵に追われたダチョウが、頭を砂のなかにつっこむ、というのと似てるね。

安心材料にすがってしまうものなんだ、と。

それは、いいとかわるいとかじゃなくて、そういうものなんだ、というわけだ。

そのことを前提にして、さまざまな対策を立てる必要がある。

ということなんだけど。

それにしても、地震から津波までの1時間10分のドラマは、衝撃だった。

即逃げる人、立ち話などして逃げない人、家の中で動けない人などなど。

600人の動きを、地図上にプロットしていた。

同調バイアス、というのもあるらしい。

危機のなかで、人と同じ行動をとることで安心する、と。

その結果、避難場所の公民館からさらに中学へ移動中になくなった方が多かったという。

この二つのバイアスって、津波だけじゃなく、日ごろの活動のなかでも、ふつうにあるかもね。

そりゃ、人間の心理を解析しているんだから、当たり前でもあるんだけど。

それはともかく、Nスペはいい番組で、固唾を呑んで見入ってしまった。

そのあと、エグザイルの、南三陸、僕らも立ち寄った志津川中学の校庭でのライブを見た。

今年卒業の子たちと「道」という歌を合唱していた。

ここでも涙、出てきた。

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