プレミアムシ-ト 草深昌子
目が合うて風の日のゆりかもめかな
つはぶきの花にいつまで蜂の翅
冬座敷鷗は脚を見せて飛ぶ
笹鳴いてゐるは陸羯南の墓
寒晴の鴨の一声ありにけり

(総合俳句誌「俳壇」2020年12月号所収)
プレミアムシ-ト 草深昌子
目が合うて風の日のゆりかもめかな
つはぶきの花にいつまで蜂の翅
冬座敷鷗は脚を見せて飛ぶ
笹鳴いてゐるは陸羯南の墓
寒晴の鴨の一声ありにけり

(総合俳句誌「俳壇」2020年12月号所収)



特別作品25句
咲きのぼる 草深昌子
秋風に何かはじまる椅子の数
あかあかと子規が心の草の花
底紅や舟降りて聞く舟のこと
着物著てベレー被つて野菊かな
空ぢゆうに雲湧く子規の忌なりけり
うれしさは会うて萩咲く寺のうち
手の甲にまた乗る蟻や秋彼岸
蓑虫に表も裏も脇もなし
豊年の鴨居にあたる頭かな
木犀や山手は坂のなつかしく
水澄みて波の一つも立たぬなり
パイロット万年筆と赤い羽根
うそ寒の一日かけて一句かな
卓上に一つ木瓜の実その影も
たまに立つ坐り仕事や夜の長き
夜長人宗右衛門町にまぎれけり
縄綯ふを見てゐたる子のみづつぱな
道替へてみても坂なり十三夜
会うてすぐ釣瓶落しに別れけり
晩秋の鷺は遠くに見るものか
末枯れて地べたに影のをどりをり
熊手もて秋の薔薇をはたきもす
残菊や金より薄く黄色濃く
園丁に道問ひ秋を惜しみけり
咲きのぼる草ありながら九月尽
草深昌子 くさふか・まさこ
昭和18年2月17日・大阪市生まれ
飯田龍太・原裕・大峯あきらに師事
「青草」創刊主宰
句集に『青葡萄』『邂逅』『金剛』など。
(2020年12月14日発行 WEP「俳句通信」119号 所収)
青草会員の森田ちとせさんが俳句と山の写真を冊子に纏められました。その一部をご紹介いたします。
春光 森田ちとせ
サイズ 148㎜×148㎜
雲海や礁のごとく嶺見つつ
アイゼンの一歩一歩に風真向き

入会して間もなく草深昌子先生の第三句集「金剛」の出版記念パーティーがありました。華やかな楽しいひと時を詠んだ句〈春光の祝賀の渦の広ごりぬ〉から春光をタイトルにしました。
2020年11月

誌名 青 草 主宰 草深昌子 【同】 間 草蛙 蛙 【編】 松尾まつを
〒243-0037 厚木市毛利台1-15-14 電話046-247-3465 FAX 同上
HP https;//blog.goo.ne.jp/aokusa8g
Mail masakokusa.0217@tiara.ocn.ne.jp
★平成二九年二月、草深昌子が創刊。師系飯田龍太・原裕・大峯あきら。
自然と共に生き、季節を感受する歓び。[年二回刊]
★令和二年二月、新春句会開催。四月、青草通信句会、青草ネット句会発足。
磐石につぐ磐石や梅見頃 草深昌子
色変へぬ松やはるかに即位礼 松尾まつを
明け方の風の涼しき厄日かな 間 草蛙
百段の磴の一歩や今朝の冬 川北廣子
二度寝して障子の白さ寒明くる 坂田金太郎
しぐるるや市立図書館休館日 佐藤健成
銀杏の踏まるるままや神の留守 佐藤昌緒
凌霄の傘に透けたる高さかな 二村結季
江の島のみどり明るき秋の潮 山森小径
諸家自選5句 草深昌子(青草・晨)
磐石につぐ磐石や梅見頃
線香と数珠をバッグに朝ぐもり
坂が好きそれも上りの蝉のこゑ
縁側にあふぐ枯木は柏かな
お彼岸や林の深く野の広く
年代別 2020年の収穫 「70代女性」 関悦史
人生の微光
俳句も作り続けていくうちには句柄が体質と同じく交換不能のものになっていくのではないか。言語以前の何ごとかを575に仕立てる手続きのなかに俳句作者の固有性があり、それは身体と浸潤しあってゆく。自動化してはならず、熟練もしてはならないのかもしれない。
草深昌子
二人して二百十日の森に入る 「晨」11月号
あぢさゐの枯れにさはれば鳴りにけり 〃 3月号
(入る)(さはれば)の感触をともなう踏み込みにより、頽落していくものの妖しさが引き出されている。
(「俳句年鑑」2021年版 ㈱KADOKAWA 所収)
兼題「おでん」・席題「風」
主宰選

浜町の芸者の煮込むおでんかな 鈴木一父
ガード下おでん屋台に女学生 松尾まつを
おでん種ころにさへづりおばけとか 間草蛙
肩すくめ湯気に手かざすおでんかな 松井あき子
風の音夕べと違ふ十二月 中澤翔風
風吹いて枇杷の花とは知られけり 川井さとみ
北風に赤提灯の破れけり 長谷川美知江
残月や綿虫一つ手に止めて 河野きなこ
ボール蹴る枯野はやがて山の影 中澤翔風
はやぶさや米磨ぐときの水冷た 芳賀秀弥
懸大根激しき雨をそのままに 山森小径

おでん食ふ止り木に足置きにくく 昌子
金ぴかの雲をそこなる関東煮
屏風岩見ゆる焼鳥食うてをり