あをぢる。

青い汁

コフィン・ダンサー

2008年11月26日 06時06分06秒 | BOOK
「ボーン・コレクター」に続く
リンカーン・ライムシリーズの第2弾
「コフィン・ダンサー」上・下
ジェフリー・ディーヴァー著 文春文庫


今回もライムの頭脳は冴えわたってますね。
訳者のあとがきにあった作者の
「銃を撃ちまくったり、悪党を追い回したりせず
頭脳だけで犯罪解決に取り組む人物を作りたかった」
という意図は、四肢麻痺の主人公にすることで
それがすごく明確になっていますし

そのベッドから動けないライムの代わりに
美貌の捜査官アメリア・サックスを
活動させることで2人のキャラも立って
この小説の面白さにつながっているのでしょう。

やはりこれは一作目から読んでいないと
ライムとアメリアなどの関係性が
全て理解できないでしょうね。

ちなみに「コフィン・ダンサー」とは
棺桶の前で踊る死神の刺青をしているため
そう呼ばれている殺し屋の俗称。

私は読みながら、ずっと
この殺し屋に対する違和感を感じていたのですが
その違和感の理由が後半やっと分かりました。

この後半のどんでん返しにはけっこう驚いたのですが
ただ少し強引さが見えてしまいますね。
なぜ後半になってあえてそういう行動をしたのか
明確な理由付けがされてませんね。
もう時間が無かったから後は自分でってことかなぁ…

なんとなくこの作者は後半に驚かせることだけに
重点を置いているんじゃないかと疑ってしまうような
結末でした。
ライムと犯人の心理戦は非常に面白いのですが。


長編小説というのは、
短い時間で一気に読むほど面白い
私は思っているのですが
(一日や二日で読み切った本ほど面白いし
面白さは読んだ日数の少なさに比例すると思う)

今月はなかなか読む時間が無くて
上下巻読むのに1ヵ月近くもかかってしまいました。
短期間で読んでいたら、もっと面白かっただろうに…
それだけが心残りですね。