あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

ルネサンス 歴史と芸術の物語 (光文社新書) 池上 英洋・著

2012-07-18 23:53:31 | アート系
ルネサンス 歴史と芸術の物語 (光文社新書)
池上 英洋
光文社

池上先生の新刊をようやく読了。

冒頭、「はじめに」で語られている『「知っているルネッサンス」とは、本当は何を意味するのか。』。

この言葉で一気に引き込まれます。

これまでさんざ西洋美術を見ているもののそういえばルネッサンスが何なのかはよく理解出来てないまま。。。

この本では歴史の背景と当時の習俗によって宗教と絵画などの美術が変遷していくことがよく分かります。

よいなあと思ったのは新書だというのにカラーの写真がふんだんに盛り込まれていること。

やはりビジュアルがあってこそ。

特に絵画の移り変わりの説明では比較対照が必須です。

美術のことももちろんですがその前提となるパトロンはどのようにして勢力を持つに至ったのかも丁寧に書かれています。

メディチ家がなぜ力をもったのか?そもそもこういうことを疑問に思うこともなかったのでそういった命題の提示にわくわくしました。

マザッチョとマゾリーノの比較では奥行きのある表現と平面的な画面でかなり異なっていますが、マザッチョが27歳で没した後にマゾリーノが奥行きをもった作風の作品を発表するようになっているのは興味深いところ。

「ルネッサンス遠近法」を学んでこうも変わるとは。しかも作風を確立した以降にこうも変えていることには脱帽します。

巻末にはルネッサンスの美術家三十選も。1ページにひとり、1点のカラー図版で簡潔にまとめられています。

美術ファンのみならず読み物として楽しめる一冊です。

オススメ。

ペンブックス15 キリスト教とは何か。? 西洋美術で読み解く、聖書の世界 (Pen BOOKS)
クリエーター情報なし
阪急コミュニケーションズ
もっと知りたいラファエッロ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
池上 英洋
東京美術

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« RUSTED | トップ | スーパーなぞなぞカメラ!その5 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アート系」カテゴリの最新記事