あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

束芋 ヨロヨロン(原美術館)

2006-06-11 16:42:30 | アート系
束芋 ヨロヨロン(原美術館)に行ってきました。

これ、昨日のことなのですが、よく考えるとちょっと無茶苦茶だったかも知れません。

町田久美さんの絵を見て、その後に束芋さんの映像って。。。

やばいです。これは別の日に堪能すべき内容でした。まあ、どちらも安心して堪能出来るハイレベルな内容であることは間違いないのですが。

以前、
束芋さん、すごい!(KIRIN ART PROJECT2005)なんて、書いたくらいに衝撃だったのです。

というのも、昔、バミリオンプレジャーナイトという深夜番組で束芋さんの「ジャパニーズ・キッチン」で生理的に嫌いだったのです。

それが、実際に展示された映像を直に見るととてもすばらしい。おそらく、それだけじゃなくって、わたし自身の嗜好とかも変わってってるってことなんでしょうが、なんだか変な感じなのです。



これ、今回のチラシなのですが、このメインのビジュアルで使われてるのが、「真夜中の海」という作品のイメージです。

この作品、いきなり受付の横の暗幕の中でスリットから覗く状態で見たのですが、これまでの束芋さんとは違う感じなのです。

まず、色が黒バックに白い線というのが異色です。これまで束芋さんの作品てどれも色のついたイメージがあるのです。

それと内容から具象的なものを切り払った感じなのです。

鼓動する着ん行くや心臓のようなものは見られるものの現実世界に実在するものかどうかはまったくわからりません。そして、その中を泳ぐように動いてく物体、女性の長い髪がひとだまみたいな形をしてるものが何なのかはたぶん、作者本人にしか分からないのだと思います。

そして、タイトルにあるような真夜中の海のように見える光景が出てくるのですが、これがまた妖しいのです。

というのも、初め見た時には波がうねっているように見えたのですが、だんだんと目が慣れてくると波に見えたものが一匹ずつのアメーバというか植物の葉のような形をした生き物でそれぞれがその場所で運動しているように見えてくるのです。

すごいなあ。どうしてこういうものを作れてしまうんでしょう。

しょっぱなからやられてしまいました。

なお、この「真夜中の海」は2Fへ上がる階段の横からも見られるようになってます。こっちのほうがスクリーンの上から見るようになるので姿勢としては疲れないかも。



タイトルからしてすごい、「公衆便女」。これはチラシの裏面に描かれてるイメージです。でも、ほぼそのままですね。

「真夜中の海」とは全く異なる、普段の生活で見慣れてるはずのものを中心に据えています。といてもそうでないものも出てくるのですが。

全部、内容をまとめて書き出してもみたのですが、それだけで長い文章になってしまうのと、これは実際に見てみるしかないものなので割愛しちゃいます。

スクリーンは3面。ちょうど、「コ」の字を広げた感じです。圧巻でした。

束芋さんらしいグロなテイストは全開でしたね。

産気づいて鼻から赤子を取り出し(活字だと意味分からないと思いますが、そうなんです!)、亀に乗せて、便器に流すシーン。なんでしょうね、この光景は。

現実にあったら陰惨な光景のはずなのですが、亀の上に赤子を乗せて流すというイメージはさらっと入ってきてしまうのです。

かと思うと、ズボンを脱ぐタイミングでケータイを便器に落とし、水着に着替え、便器にダイブする女。命綱を腹にくくるもののその先はトイレットペーパーとはこれ如何に。

存在証明としてのケータイを取り戻すために犯す危険の安全装置がはずれちゃってる。すごく、怖いのです。

また、冒頭で便器の亀を何度も流そうとして、断念した女は鏡に向かうと、その中のもうひとりの女はハンマーを振るい、なんと現実の鏡を割ってしまうのです。その瞬間、女の手首からは血がしたたるのです。

心の中の歪みが現実に実体化してしまってる。さらにこの女はラストで再登場するのですが、その時には手首どころか、頭にさえホータイ(トイレットペーパーかもしれない)を巻いてるのです。

事態は救いようもなくって状況は悪化。さらにそれはまた繰り返されてる。そんな風に思えてしまって、いやな汗をかいてしまいます。

途中とラストに登場する蛾。目のところがカメラのシャッターになってて、便所の中でバシャっと音をたてて、シャッターを切るのです。でも、女たちは気にも留めない。

見終わって、すごくよく出来てるなというのと、なんかいやだなという思いとが交錯しました。

と思いつつも結局、合計4回も見てしまった公衆便女。恐るべし!束芋。

なお、映像中心の展示でしたが、イメージや映像の原画も展示されてました。

びっくりしますね、一枚一枚のクオリティがここまで高いと。

さて、今回、ちょっと失敗したなと思ったのは1Fの奥の展示が見られなかったこと。

というのもこの作品「ギニョラマ」は、日没後の庭のスクリーンに投影するという性格上、昼間は見ることが出来なかったのです。

夜、もういっぺん行ってもいいなとおもうのでした。

8/27まで。なお、水曜日は夜の8時まで(入場は7時半まで)やってるのでそのタイミングで「ギニョラマ」を見てくるのもいいと思います。

<7/20追記>
昨日、2回目行ってきました!

束芋 ヨロヨロン、2回目(原美術館)

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10 コメント

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よろよろん (バウム)
2006-06-14 02:40:37
TBありがとうございます。面白い展覧会でしたね~。

「公衆便女」を4回ご覧になられたとは!すごいキモの座りっぷりですなー。ワタシがこれを観ているとき、となりに子連れのお母さんがいて、これ子どもに見せて大丈夫?なんてこっちがハラハラしましたが、本人は大いに楽しんいたようで。くだんの“便器にダイブ“シーンでは思わず「あっ!」と声をあげてお母さんにたしなめられていましたが(笑)、ワタシを含め他の人の心の声を代弁してくれたみたいでオモシロかったです。

こちらからもTBさせていただきますね。またどうぞよろしくお願いしまーす。
こんばんわ (あおひー)
2006-06-14 23:08:38
いえいえ、こちらこそTB&コメントありがとうございます。

公衆便女は2回でヤメるつもりだったのですが、どうしても全ての流れ(誰がどの個室に入ったのかまで)を確認したくって合計4回も見てしまった次第です。おかげで頭のなかぐちゃぐちゃですね。

便器へダイブは「あっ」と言ってみたいですね~。

>こちらからもTBさせていただきますね。またどうぞよろしくお願いしまーす。

こちらこそ、よろしくお願いしますね。
束芋さん (saboten)
2006-06-30 11:24:28
こんにちわ

はじめまして 束芋さんの詳細なレポート

おもしろく読ませていただきました。

こちらから、後ほどTB送らせていただきますが、

よろしくお願いします。

ブログのタイトルがいいですねぇ~!!
こんにちわ (あおひー)
2006-06-30 22:01:47
はじめまして、sabotenさん。

TB&コメントありがとうございます。

褒めてもらうとうれしいですねえ。

>ブログのタイトルがいいですねぇ~!!

あ、こんなところをいいと言ってもらったの初めてっす
はじめまして☆ (うつろい)
2006-07-24 20:39:02
あおひーさん!はじめまして☆

うつろいと申します。

トラックバックをありがとうございました☆



束芋さん良かったですよね~!!

私も「ギニョラマ」見れてないんですよ~!

開催中にぜひ見て見たいものです☆



またお邪魔しますね☆ありがとうございました!
はじめまして (あおひー)
2006-07-25 08:29:16
はじめまして、うつろいさん。

TBとコメントありがとうございます。ギニョラマは追記したとおり、先週行ってみてきました。これもなかなか好きな作品です。是非、行ってみてください。
Unknown (はろるど)
2006-08-18 23:10:49
あおひーさん、こんばんは。

コメントとTBをどうもありがとうございました。



公衆便女は痛烈ですよね。

4回も見たら寝られなくなってしまいそうです…。



ギニョラマのご感想も拝見しました。



>気持ちの悪い手と足がいっしょくたになった物体が画面を動きまわるだけ。



あの原画がひたすらアニメーション化されていたのですか!

これまた夜だとさらに恐怖感が…。

誰もいない夜の原美で束芋さんの展示を拝見してみたいです。

夏ならピッタリかと。

下手なお化け屋敷よりもはるかに恐いでしょうね!
Unknown (あおひー)
2006-08-18 23:45:28
公衆便女はついつい、どうなってるのか確認したくて4回もみちゃいました~。

ギニョラマは意外にも怖いというのとちょっとイメージが違うんですよ。

何て言うんでしょうね、夏の夜のスクリーンに写し出されることで、逆にクリアーになって濁らなくなるというか。

>誰もいない夜の原美で束芋さんの展示を拝見してみたいです。

これは相当に勇気が要りますね~。

真夜中に「真夜中の海」は見るの怖いですよ。あの、髪のおばけみたいのが闇の中からふっと、出てきそう。
はじめまして (テツ)
2006-08-24 11:28:05
「公衆便女」、強力でしたね。私も蛾の目がカメラになっているところとか、歩く女性の姿が鏡にも映っているところとか、壁の落書になんて書いてあるんだろうかとか、何回も繰り返し見てしまいました。



「真夜中の海」は束芋さんの新境地という感じがしました。不気味だけど静かな詩情がある。あの波の映像と音に惹きこまれました。



TBさせていただきました。
はじめまして (あおひー)
2006-08-25 00:33:05
はじめまして、テツさん。

コメントとTBありがとうございました。

>「公衆便女」、強力でしたね。

ほんとヤバかったですね~。気になって見返してしまってもんです。

>「真夜中の海」は束芋さんの新境地という感じがしました。

束芋さんてこれまでは結構、具象のイメージだったのでこの抽象の表現はとても意外で心地よいものでした。

この展示も今週いっぱいで終了かと思うとさみしいものですね~。

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