昨日、終了したあおひー個展「すくいとる」。
多数ご来場いただきありがとうございました!
出来るだけご来場いただいた方には説明さしあげたつもりですが、どうしてもひとりですので複数お客様がいらっしゃると追いつかないこともままありました。
そこで「すくいとる」出展作品解説を書くことにいたしました。少しでも伝わっていただけたら幸いです。
まずはモノクロから。
右から「ターミナル」「限界線」「水面をたゆたう」「残光夏」「えきかいだん」「えきかいだん2」
「ターミナル」
某終着駅のホームにて。
望遠の圧縮効果とモノクロで情緒ある味わいに。
さあ、まだ何が写ってるか分かりますよね。
「限界線」
初めて見た人はどうも滝や噴水といった垂直方向の動きに見えたよう。
でも実際には向かって右から左へと流れる川の流れに桜の花びらが浮かんでる。
中央近くの垂直の線に見える箇所は段があって水流がいったん落ちるので、花びらが集まってこういった分布になるのです。
カラーだったらきっと桃色で桜の花びらだとすぐにわかったでしょうね。
「水面をたゆたう」
そっぽ向いちゃってる水鳥さん。
水面をゆらりぷかぷか泳いでる。
ポイントは足が見えるところ。てろんとしててかわいい。
「残光夏」
わたしとしては珍しくストレートな写真。ぼかしてません。
このブログに以前掲載した際の反応がすごくよかったのです。
今回のような30点規模の個展なら一点くらいは入れてもよいかなあと思って出してみました。
「えきかいだん」
2年前の初個展「いつかのどこか」のキービジュアル。
今も気に入っててこのブログの作者イメージ画像はいまだにこれです。
横断歩道にも見えるみたいです。
「えきかいだん2」
そして2年経って撮った同じモチーフ。
でも、よく見るとモノクロでなくってカラーなのです。
ここからはカラーの世界へ。。。
右から「ガーディアン」「無題3」
「ガーディアン」
これは赤い丸が車のテールライトに見える方が多かったです。
でもよおく見てみるとヘルメット、ベルト、赤く発光するベストに交通誘導員であることが分かります。
タイトルはちょっとかっこつけたかったのと、「マノンさん!」って突っ込んでくれるひとがひとりくらいは居るかなああと。。。
「無題3」
出番待ちの寒い季節。テラス席の銀の椅子。
積み重ねられ、かつぼかしてることでにじむ線が筆で描いたかのようなところが好きなのです。
左の上が「無題4」下が「帰途」。
「無題4」
暗い夜の微妙なピンク、黄色といった色合いが気に入っています。
ちょっと束芋さんの浮世絵サンプリングな色彩に近くてすきなのです。
被写体は真夜中のコンビニ。
「帰途」
いまだによく撮るモチーフ。
以前はモノクロで撮ることが多かったのですが、最近はカラーも。
ここまでぼかしてもなんとなく写ってるひと、それぞれの関係が距離感に出てるんですよね。
おつかれさまです。こういう光景をみるとやっぱりそう思います。
上から「月虹」
横並びで左から「仏瞼」「光千鳥」「叢雲」。
この4点は和紙出力。3月のGEISAI#14に出展したもののプリントサイズを小さくしたもの。
すべてグラスの中の水と氷を撮ったものなのです。
下のはまだタイトル未定。
というのも最終日前日夜に撮影してプリント。最終日の朝に急遽追加しました。
気分はボーナストラック。
最終日特典ってことで。
近所の自転車駐輪場を撮ったもの。赤いライトが人工の花のよう。
右から「ランドリー」「GREEN」「RED」。
「ランドリー」
これはぎりぎりまで入れようかどうか迷ってたのですが入れて正解でした。
白にイエロー、ピンク、グリーンとポップなカラーリング。
でも、コインランドリー。
たぶん、ピント合わせてふつうに撮ったら部屋に飾りたくないですよね。
でも、こうなるととてもキレイに見えちゃうから不思議だし楽しい。
やはり酔っ払って撮るといい感じです。
「GREEN」
これは説明不要。
森の緑です。以前に名刺プリントに使ってた一連のうちの一枚。
水彩画のようだとの感想を頂きご満悦~。
「RED」
さあ、これはなかなか当たりませんでした。
しかも、このタイトルというのは我ながらずるいなあと。
正解はフォーク!
おしゃれ飲み屋さんで食器トレーに入ったままのフォーク。その横にはムーディーな赤いシェードの灯り。
フォークって小さくて銀色だと思ってるからこれだけ大きなサイズ(A3)でしかも赤いとそれだと分からないですよね。
この2点は「GREEN」「RED」というタイトルで分かるとおり、対比で並べて見せたかったのです。
小さな人工物の直線、大きな自然の緩やかな曲線。
硬い印象の赤、やわらかい印象の緑。
お花畑!!
右から「溶光梅」「椿(EGG)」「椿(PINK&GREEN)」「薔薇」。
「溶光梅」
今回のDMで真っ先に展示することを決定しました。
実物はもっと濃い赤なのです。
ぼかしてとばすことでマイルドなピンクに化けてくれました。
こちらはA4サイズのパネルも展示していました。
「椿(EGG)」
白い椿の花を上から撮ってるのでこの黄色なのです。
卵っぽかったのでもうこのタイトルしかないでしょう。
「椿(PINK&GREEN)」
こちらも椿。
色とにじみとフォルムがばっちりと決まってくれました。
とても気に入っています。
「薔薇」
前回のグループ展「ART POINT SELECTION IV」で最後にデザートが欲しかったのではがきサイズのフォトアクリルで登場しました。
そうだ!だったらお花はこの小さくかわいらしいサイズでシリーズ化しちゃおう。
ということで今回、このお花畑が誕生したのです。
右から「夢に出てきた電車」「かもめ」「空鏡」。
「夢に出てきた電車」
もうタイトルのとおりです。
ちょっと抑えたトーンのカラー。
こういう感じでまた撮りたいですね。
意外だったのは左下の木が馬や犬といった動物に見えるという方がいらしたこと。
なるほど!そういうふうにも見えるんですね。
「かもめ」
しらさぎ?っていうふうにも見えますが鳥であることはみなさんおわかりになるかと思います。
くちばしがあとちょっとぼけるともうわからないというぎりぎりのところ。
でも、もっとくっきりしちゃうと分かりやすくなってしまいすぎる。
このあたりがおとしどころかと。
「空鏡」
ここからの7点は「ART POINT SELECTION IV」で登場したフォトアクリルになります。
人工の池の水面。空の青い空と雲の白。そして、池の底のタイルがゆらめく水面のある角度からみるとアメーバのようになって常にその形を変えているのです。
同じフォルムは二度と撮れない。だから面白いのです。
右から3点はだぶるので割愛。「緑蓮」「橙灯」。
「緑蓮」
モネもびっくりの睡蓮!
ここまで筆が暴れるかのごときテイストになってくれるとはね。
というのも逆光で液晶モニターを見てたので光でつぶれてほとんど見えない状態で撮って、暗いところで再生し確認していたのです。
こうなるともう経験とカンが頼りです。
「橙灯」
鈴なりになった提灯。
ほんとは地元スポンサーの名前が筆で書かれてるのだけどとんで消えてしまってる。
中の光源の灯りを拾ってるので黄色がっ強く出ています。
実はこの3点の裏テーマはRGB。光の3原色なのです!
右から「浜二佇ム」「海ヲ臨ム」「無題2」「無題」。
「浜二佇ム」
もうこれは雰囲気ですね。
夕暮れの夏の終わり。
浜辺の波打ち際で読書するひと。
「海ヲ臨ム」
これは海外ですか?とたずねられてびっくり。
いえいえ、ちゃんと画面上方に松が写っています。
この松のぐぎぐぎしたラインがお気に入り。
途中が消えてなくちゃってるのがよいのです。
「無題2」
信号、車、緑道。
なんてことのない街の景色。
でも、こうやってぼかしてみたら素敵でしょ?
「無題」
森の中、池の上。
横切る橋の上で、3人のひとが談笑してる。
これが撮れたときは相当に興奮したことを思い出します。
こういうやり方ならイケルぞと。
とかなり長くなってしまいましたがご容赦ください。
さあ、次回展示に向けてまた頑張ります!