川柳しま専科 三月投稿句

 

川柳しま専科 2020/3 投稿句

3/1
ウイルスに勝つか負けるかジム通い
六輔に説き伏せられて大往生
京に住み肥えた娘は言い訳し
3/2
墓参り逆走なきよう富士は西
やるっきゃないでしょ全校休校
 リーマンも兜を脱いだ株ショック
3/3
ひな祭り子育て雛に金一封
霊園は富士の噴火が気にはなり
コロナ禍も吹き飛ぶような江戸マラソン
3/4
突然のジムの休業身に及び
あちこちにペケ付く暦卯月待ち
拘留が解けてジム行く解放感
3/5
コチョウラン咲いた序の身繕い
終わったぜ昨日で二年電話口
姿変えかつて爆弾クラスター
3/6
どさくさに紛れこの際民縛り
恙なく孫の休校いまのとこ
せめてもと老いに逆らうメガネ変え
3/7
辻褄を合わせ籠もるや老所帯
イタリア版キスもいかんとお触れ出し
あくどさが目に余りますマスク売り
3/8
あくどさが目に余りますマスク売り
冬越したパンジー同胞称え合い
嗚呼コロナ貴国閉じれば我が国も
3/9
嗚呼コロナ貴国閉じれば我が国も
温もれば花見の虫も疼きだし
コロナ禍は国のあり様曝け出し
3/10
大空襲赤子ながらも反戦歌
炎鵬も応援なくば意気地なく
群れるのを拒まれ人は人あらず
3/11
遺されてまだ遺されて九年目
ウイルスがごめんと謝る震災忌
雨の日は敢えて彷徨う花粉症
3/12
いってらっしゃい日毎に大きく妻の声
朗々と遮るもの無く呼び出され
久しぶりジムでほぐして腹も空き
3/13
ワンカップ一人花見の伴となり
ばら撒いた挙句収束詫びはなく
鏡にはめがね次第のひしゃげ顔
3/14
真実の口も塞がれ神黙り
休校と花見重なり如何とし
コロナ禍をよそに今年も春一途
3/15
サクラ咲く咲くや横浜ボタン雪
川柳に名誉教授もよく嵌り
ファミレスとカラオケ老若覇を競い
3/16
いざの時無い物いつでも買える物
コロナ禍は泣く子と地頭黙らせる
自粛する店の名前はカナばかり
3/17
甲子園イガグリ頭掻きむしり
やすらぎの里にやおらのリアリティー
 朝風呂で今日の籠もりの身を濯ぎ
3/18
口上は無事なによりとジム仲間
グローバルあらぬ世界へ案内され
この際は八分抑えて腹七分
3/19
老いた脳パンデミックに揺すぶられ
いざの時富山のくすり今昔
名も花もクリスマスローズ素っ気なく
3/20
大暴落地球が壊れたわけでなし
鎖国なぞ思いも寄らぬ現代となり
溜息を朽ち木蓮に吹きかける
3/21
コロナ禍に加わる手記のつむじ風
阪神は大阪・神戸一絡げ
電波時計電池あってのものの種
3/22
やめとくれ老々介護の共倒れ
長男はよくも悪くも木偶の坊
重力に負けて縮むは背の高さ
3/23
窮すれば江戸が頼りの五七五
過去現在根ほり葉ほりのとっとちゃん
マスクなく戦後の通帳思い出し
3/24
カウンターパンチ覚悟のK-１戦
うまければ飽食のうちカップ麺
キャンセルは勿体ないと旅に出る
3/25
満開の桜今年はよそよそしい
握手なくメイドインジャパンハグもなく
啓蟄が過ぎて森友目を醒まし
3/26
ダイジョブかー？バカ殿様はダイジョブダー
憧れのハワイ航路も遠くなり
噛れるか足の一本タラバガニ
3/27
コロナ禍で自由と強制四つに組み
累々と重ねて生きる好奇心
巣籠もりの家を詐欺師が物見する
3/28
この際は神も仏もキリストも
大江戸が来てくれるなとお触れ書き
コロナ禍で世界の国々透けて見え
3/29
羨望の洋行帰り今怨嗟
自粛してようやく人が棲める街
メシ旨く罹患は未だと高括る
3/30
横浜もよもやよもやの春の雪
ハムレット伸るか反るかのかジム通い
大雪に閉じ込められて知る雪隠
3/31
望み据え沈黙の春問い続け
無観客お捻り投げるYOU-TUBE
孫は来ず落胆安堵相半ば