始発で自宅を飛び出し、1日撮影を楽しんだ最後の行程、夕方に下る125ㇾが宇都宮から重連運用であることがわかった。それも夢にまでみたEF57の重連だった。同行した友人と二人無心でシャッターを切る。シャッターを切るといっても、アントンKにとってこの時がバルブ撮影初挑戦だったのだ。三脚にカメラをセット、レリーズを装着してシャッターを押し込む。タイムを暗唱するが、緊張のあまり数が数えられずいい加減になる。フィルムの残りを気にしながら、時間いっぱいまで撮影し、気が付けばゴーナナは低い音を立てて動き出していた。今思い返しても多々後悔の残る画像。だが自身には渾身の画像の1枚になったのだ。
1976-10-31 125レ EF575+13 東北本線/宇都宮駅