アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

ある日の鉄道少年

2019-09-13 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

早朝から東京駅や上野駅を目指し、長距離列車の到着をホームで待つ。鉄道少年ならだれでも一度は経験があるのではないか。普段は本でしか見ることが出来ない、機関車や客車たち。お昼間、品川や尾久で止まっているのは、電車の中から覗き見た事はあるが、目の前で走っている姿を見てみたい。こんな動機が最初の気持ちだったのではないか。

上野駅は移動が大変だった。何しろ橋上ホームと地上ホームがあり、夜行列車が着くたびに行ったり来たり・・もちろんエスカレータなるものはあるはずもなく、ひたすら階段を上下した遠い日。時刻表から行動スケジュールをメモり、純粋な気持ちで列車に会いに行った。幼いかもしれないが、雑念などなく、単純だったアントンKが愛おしい。こうして昔の画像を掘り起こすことで、あの頃の気持ちが少しずつ蘇る。決して若返ることはないのだが・・・

東京駅12番線、13番線ホーム先端。早朝、ここへは言わずと知れた九州ブルトレが入線してくる。「出雲」「瀬戸」「あさかぜ」。全てはまだ20系客車の時代。ブルトレ黄金時代なのである。そんなこととは当時思いもせず、夢中で客車を見入っていたアントンK。もちろんEF65P型にはそれぞれヘッドマークが掲げられ、そのマッチした顔立ちに憧れた。機回しでその電機が客車から切り離され、美しいナハネフ22の前面が現れた。思わず見惚れたのは言うまでもない。

それにしても、今から思えば特急ホームらしからぬオンボロなホームだ。多分工事中か何かだと思われるが、現在の巨大ターミナルを思えばまさに隔世の感である。

1976-10-12    16ㇾ「瀬戸」&14ㇾ「あさかぜ1号」     東海道本線:東京駅