アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

最近のCD-Rより(ムーティの演奏)

2015-11-08 20:30:00 | 音楽/芸術

秋のバーゲンセールのご連絡を頂いたので、気になっていたCD-Rを少しまとめて購入して聴いている。

例によってブルックナーの楽曲が中心だが、今回はムーティのブルックナー第1・第2・第6について。

リッカルド・ムーティは過去80年代にブルックナーの交響曲を第4・第6と録音している。どちらもベルリン・フィルを振った重厚な演奏だった。重厚と言ったのは、イタリア人であるムーティは、どちらかというと色彩豊かに派手に色づけした演奏を好んでいるような印象を持っていたが、ここでのブルックナーは、逆に色彩を押さえた奇抜なことをしない演奏で、重厚に当時は感じていたものだった。場合によっては、うるさく聴こえてしまうのブルックナーのフォルテだが、ベルリン・フィルを必要にして十分なバランスで鳴らしているのが印象に残っている。

こんなムーティだから、20年以上経った現在は、どこように変わっているのかが聴きどころであった。今回は、シカゴ響とニューヨーク・フィルを振った演奏だったが、結論からいうと、楽曲に向かうスタンスは過去のものとさほど変わりがない印象だった。

 第2の交響曲については、何年か前のウィーン・フィルの来日時に生で聴いた覚えがあった。あまり奇手を狙わずの演奏であったが、今回の2009年の演奏でも特に演奏における変化は聴きとれなかった。楽曲に合っているか合っていないかは別として、とにかくこの録音でも、シカゴ響のトータルなバランス感覚は素晴らしい。音色の安定感や、トゥッティの時の全体の音色の色彩感や響きには毎度のことながら恐れ入る。

指揮者ご本人曰く、ブルックナーの第1もお好みだそうで、正規録音こそないものの、その解釈といい大変聴きやすい演奏のように感じた。金管楽器を発散させることなく、といって決めどころでは圧倒するような解釈であり、楽曲への深い読みが伺える。もう少し時間をかけながら聴き込んで行きたいが、ムーティ自身も円熟期に入り、ますます期待できる指揮者の一人となりそうな予感がしている。

DIR-1251  ムーティ指揮 シカゴ交響楽団

DIR-0537  ムーティ指揮 シカゴ交響楽団

DIR-0248  ムーティ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団