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閉会日の討論

2023年07月07日 | 日記
7月6日(木)
 6月県議会が閉会しました。私は、14議案のうち13議案に賛成、1議案に反対しました。また、委員会で「不採択」とされた請願3件について、「採択するべき」という立場で討論しました。
 以下、討論全文です。

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 私は、日本共産党として、議案第1号「令和5年度徳島県一般会計補正予算(第1号)には反対の立場で、委員会で不採択とされた請願1号、2号、3号については、不採択ではなく、採択するべきという立場で討論します。
議案第一号は、予算額130億円をかかげ、予算の編成方針を、「徳島新時代に向け『県民目線・現場主義』を徹底し、 喫緊の課題である『県民の安全・安心の確保』や『物価高・新型コロナへの対応』と 『徳島の魅力の最大化』をいち早く具現化する事業に重点化」としています。
しかし、「新時代」というにはあまりに時代遅れの不透明、不公平な補助金が徳島化製協業組合という一民間企業へ支出される予算が入っています。
 この補助金は、平成6年から30年近く毎年出し続け、多い時には年間3億円にも上っていたこともあります。徐々に減額をしてきたとはいえ、危機管理、商工、農林3部局あわせて、令和4年度までで約51億4千万円、令和5年度の予算3382万6千円を合わせると、51億7335万3千円にものぼります。
 県の「財政構造改革基本方針」では、「廃止」や「終期設定」など徹底した見直し、また、複数年継続している補助金については「固定化」や「既得権益化」することがないよう検証することなど、「補助金の検証」が方針の一つに掲げられています。しかし、実際は「固定化」し、「既得権益化」した補助金といわざるをえません。そして、3年以上経過した政策経費は20%減としていた時でも、徳島化製への補助金は10%減とする特別扱いを続けてきました。
 終期の設定もなく、一企業にこれだけ県費を投入し続けることは異常です。不公正な補助金支出が入った予算を認めることは出来ません。
 
 次に、請願第一号は「物価高騰に見合う生活保護基準の引き上げを求める意見書を国に送付することを求める」ものです。
昨年来、物価高騰が続き、すべての国民の暮らしを苦しめていることは、すでにご承知の通りです。請願には「2万品目の食料品が値上げされる見込み」とありますが、今年4月、6月、7月と値上げラッシュは止まらず、今年秋には3万品目を超えるとの予想もされている状況です。ガス、灯油、電気料金の値上げも相次ぎ、保護費のほぼすべてを食料品と光熱費に充てている生活保護利用者にとっては、「1割ぐらい物価が上がっている実感がする」大変な状況です。
 第二次石油危機以来、実に41年ぶりとも言われる今回の物価高騰による家計の負担増は、今年度1世帯平均で8.6万円になるという試算もでており、生活保護世帯にとっては1ヶ月分以上の保護費に匹敵する大変な負担増です。
 国は、昨年12月24日に、5年に1度の生活扶助基準の改定を発表し、今年10月から実施されます。この改定により、30代、40代の子どものいる世帯は、4.2%~最大11%引き上げとなります。一方、高齢の夫婦世帯などでは、基準とする低所得世帯の生活費を上回ったが、物価高騰やコロナ禍の影響をふまえて特例的に引き下げを見送り、現行の基準額を維持するとしました。しかし、この改定で比較対象として使われたのは、2019年度の消費実態データであり、2020年以降のコロナ感染拡大の影響や現在の急激な物価高騰が反映されたものではありません。引き下げを見送り、現行の基準額を維持したとしても、実質の引き下げとなるものです。
 また、2013年から2015年までに、当時の安倍政権が保護基準の引き下げを段階的に行いました。この引き下げで食費や光熱水費にあてられる生活扶助基準が平均6・5%、最大で10%減額となり、生活保護利用世帯の96%に影響が及ぶ大規模な削減となりました。
 この基準引き下げについては、各地で裁判が起こされ、当時の政府決定を違法とする司法判断が相次いでいます。6月現在までで21地裁中11地裁で原告が勝訴しています。行政裁判で5割以上の勝率は例のない高さです。こうした点からも2013年から引き下げとなった生活扶助基準そのものを引き下げ前に戻すべきです。
 生活保護基準は、最低賃金や税の減免や様々な給付、就学援助制度の適用など、様々な制度の土台になっており、生活保護を利用していない多くの住民にも多大な影響を及ぼすものです。
すべての県民の暮らしを守る立場に立てば、現在の物価高騰に見合う生活保護基準の引き上げを求める意見書を国に送るべきです。

 次に請願第二号は、『ひとりひとりを大切に徳島でゆきとどいた教育を求める請願』で、①定数内欠員補充臨時教員を減らし、正規採用教員を増やすこと。
②徳島県がすすめる少人数学級増に伴う分の県費単独負担教員を確保し、増やすことの2点を求めています。
 今、教員不足が大問題になっています。先日公表された教員時間外勤務の状況では、中学校では月平均約47時間で国が定めた上限の45時間を超えているという報告でした。
今、学校現場では、産休育休、病休で休む教員の代わりを配置できない深刻な状況があること、また補充教員が配置されたとしても、週10時間程度の非常勤講師という場合も多く、正規教員の仕事の一部しか任せられず、ほかの教員がカバーするなど学校現場に大きな負担をかける事態となり、複数の教員で授業をするグループ学習やティームティーチングを取りやめる学校もあると聞いています。
 また、徳島県は県独自に小学校・中学校全学年を35人以下学級としてきました。これは先進的な取り組みで高く評価していますが、県独自に少人数学級を実施しているのに、教員数を増やさず、国からの標準定数内の教員しか採用していません。このために、学級数に対して教員が少ない状態となり、教員の多忙化の大きな要因となっています。
 こうした現実があるにもかかわらず、県は教員増に関しては、「国へ強く働きかけて、定数改善と加配確保に取り組んでいきたい」と述べるにとどまっています。国の標準法ではなく、県が独自に35人以下の少人数学級に取り組んでいるのですから、これに対応する教員は県独自に採用するべきです。
 教員が心も身体もゆとりをもって子どもたちに向き合える環境を整えてこそ、「日本一の教育環境」と胸を張れるのではないでしょうか。
よって、教職員を増やしてもらいたいという本請願は採択するべきです。

 最後に請願第三号は「健康保険証一律廃止の中止を求める意見書の提出を求める請願」です。国に対して、マイナンバー保険証への拙速な移行をやめ、健康保険証の一律廃止を中止するよう求める意見書を提出してもらいたいという趣旨です。
国会では「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案」が可決され、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い、来年秋に現行の健康保険証の廃止が予定されています。
 しかし、今、「マイナ保険証」への別人の医療情報の誤登録などマイナンバーカードをめぐる相次ぐトラブルに国民の怒りが沸騰しています。マイナンバーカードには、重大な欠陥があることが次々と明らかになっています。
全国保険医団体連合会の調査では、マイナンバー保険証で受信しようとしたら保険証情報が読み取れず、資格確認が出来なかった等、何らかのトラブルがあったと回答した医療機関が6~7割に上ったという結果が公表されています。投薬や病歴など医療情報が他人のものと紐づけされていたなど、医療事故にも繋がりかねない重大なトラブルも判明しています。
 厚労省は国民に「マイナ保険証」利用時の不具合などに備えて、従来の保険証の持参を呼びかける方針を打ち出したことが話題になっていますが、カードが1枚で済むどころか2枚必要になってしまいます。
 このようなトラブル多発の背景には、政府が昨年10月、来年秋の保険証廃止方針を突然表明したり、この間、期限付きの2万円分のポイントカードの取得や保険証としての登録を急がせたりした強引な普及策が、国民の健康や個人情報の保護など二の次、三の次で進められたことにあります。
 岸田政権がマイナンバー制度の拡大とカードの強制に固執する背景には、財界が求める社会保障の給付減・自己負担増や個人情報の保護緩和とビジネス利用の拡大、国民監視社会をめざす政府の姿勢があります。税金を湯水のように使うマイナンバー事業自体が一握りの大企業を潤す巨大IT公共事業でもあります。
 こうした狙いに惑わされることなく、県民の利益を守る立場に立つなら、徳島県議会は、「マイナンバー保険証への拙速な移行をやめ、健康保険証の一律廃止を中止するよう求める意見書」を国に提出するべきであり、本請願は採択するべきです。
以上意見を述べました。議員各位のご賛同をお願いし討論といたします。
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写真は、県庁1Fロビー。平和を願う阿波和紙の折り紙と、ウクライナの古文書修復に阿波和紙を提供の展示。