平和の歌・核兵器絶滅へと戦った英雄の歌

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短編小説   完全

2012年06月03日 | Weblog
短編小説
         完全           中道 進
           1 面会
秘書 先生に面会したいと来ていますが。
黙田 わかってるだろう。いそがしいんだ。手荷物は横の部屋に、うまく断れや。
秘書 はい、わかりました。
企業家 少しでもよいから会わせてください。
秘書 うんー。今は多忙で。現在はメールとか振込みとかが多いいのですが。
企業家 わかっていますよ。しかし、今、我が社は大変な局面なのです。
秘書 しかし、今は忙しいのです。よくよく先生にお話させていただきますから。
企業家も繁盛しているときはよいが、悪化すると赤字が大変である。それを乗り切るには銀行の融資等の対策がある。この企業家も、今の赤字経営を何とか乗り越えたいようである。しかし、政治家に会う必要があるのだろうか。さては、勘ぐりたくなる。銀行は赤字経営者を見切っているのかもしれない。
 
          2愛人
企業家 酒だ、それも上等なやつだよ。
愛人 ところでうまくいきましたの。融資のほうは。
企業家 ははは、何べんも危機を乗り越えてきているんだ。心配は無用だ。9回の裏、2アウト満塁、一打で逆転されるも、ここで、踏ん張りが大切よ。いかに、冷静するかが勝利の分かれ目だ。
愛人 ですが、今度は、巨額で大きなピンチですわ。
企業家 ははは、ここが辛抱の時よ。魔球で三振を取るさ。

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