<ジオパーク秩父>巡りに行ってきました。
西武秩父駅前には味処や土産処が軒を連ねる「仲見世通り」があります。
「ジェラートカフェSETARIA(セタリア)」さんでは、日本酒「秩父錦」・赤ワイン「秩父ルージュ」など秩父の地酒を使ったジェラートがあり、一番人気だというモルトウイスキー「イチローズモルト」を使ったジェラート320円をいただきました。
グランマニエやラムレーズンも気になりつつ…。
モルトの風味がありさっぱりして美味しかったです。
2011年4月から6月までフジテレビで放送され2013年8月31日には劇場版が公開されたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、ここ埼玉県秩父市が舞台となっているそうです。
キャラクターのお土産品がありました。
西武秩父駅前には駐車場もありました。
2時間無料、2時間以降30分毎150円だそうです。
まずは、美の山公園展望台。
標高586.9mの「蓑山(みのやま)」の山頂にあります。
秩父山地に囲まれた秩父盆地が眼下に開け、素晴らしい眺めです。
低位・中位・高位と発達した河岸段丘の様子がよくわかります。
夜景の名所だそうです。
両神山標高1,723m。
日本百名山の一つで古くから信仰の山だそうです。
地質学的には、チャート(SiO2)という放散虫など珪質の殻を持つプランクトンが深海で静かにつもってできた堆積岩の山ということです。
チャートは火打石になることで知られています。
モース硬度7で鉄よりも硬く(鉄はモース硬度6)、チャートと鋼という硬い鉄をぶつけると鋼が削られ鉄粉となり摩擦熱で火花が出るのだそうです。
武甲山標高1,304m。
日本二百名山の一つでやはり古くから信仰の山だそうです。
ってか、日本二百名山ってあるんだー><。
山の北側斜面は推定可採鉱量約4億トンといわれる日本屈指の良質な石灰岩の大鉱床で、古くから漆喰などの原料として採掘されていたそうですが、明治時代になるとセメントの原料として採掘が進められ頂上の標高が変わってしまうほど山の形が変容してしまったそうです。
石灰岩は炭酸カルシウム(CaCO3)を50%以上含む堆積岩で、有孔虫・ウミユリ・サンゴ・貝類などの炭酸カルシウムの殻を持つ生物が堆積してできたものだそうです。
美の山公園は「関東の吉野山」と呼ばれ、70種約8000本の桜の花が4月中旬から5月上旬まで咲くそうです。
えー、桜の花と聞くと、きのこ好きさん方はアミガサタケを思い浮かべますよね。
桜の花の咲く頃、桜の木の根元に顔を出してくれます。
桜前線とともにやってくるアミガサタケ前線ってなもんです。
桜の花の頃に来てみたいなー。
次は 荒川・親鼻橋のポットホールと紅簾石片岩です。
この場所がかつて川底であった頃、上流から流れてきたチャートなどの硬い岩石が岩のくぼみに取り込まれ、激しい流れによって回転し削ってできたものだそうです。
紅簾石片岩とは、マンガンを含む珪酸塩鉱物の桃色の柱状結晶である紅簾石を多く含む石英片岩のことだそうです。
片岩というのは、地下深部で高圧により変成し再結晶したもので、片理に沿って板状に割れやすいそうです。
このように大きな露頭は世界的にも珍しいのだとか。
昼食は日帰り入浴施設「秩父温泉 満願の湯」さんで。
こちらは水素イオン9.3phのアルカリ性・単純硫黄冷鉱泉だそうです。
その源泉から引いた冷泉が長命水と名づけられ、玄関前で竹筒から流れ出るようになっていて飲むことができました。
入館料大人一日800円、子ども400円。
お食事メニュー。
黄金(こがね)めし1,000円です。
黄金(こがね)めしとは秩父で収穫したアワ・ヒエ・キビ・クリ等を入れて炊いたご飯で、祭事や祝い事の時に食べられる郷土料理だそうです。
こちらでは、自慢の冷鉱泉で炊いているそうです。
漬物。
お膳が付いてきました。
天麩羅・煮物・酢の物にお蕎麦まで…。
茶碗蒸し。
大変美味しゅうございました。
ごちそうさまでした。
次は、「埼玉県立自然の博物館」です。
「日本地質学発祥の地」の石碑です。
明治時代から日本の近代地質学における数々の先駆的な研究が行われ、多くの地質学徒の育成に貢献してきたことから「日本地質学発祥の地」と呼ばれているそうです。
入館料200円。
オリエンテーションホール。
いきなり大きなジョーズの口。
これはカルカロドン・メガロドン(和名ムカシオオホホジロザメ)の歯です。
世界で最も完全に近いと考えられる1個体の歯のセット(合計73本)が1989年埼玉県深谷市の荒川河床に露出する土塩層(約1,000万年前)から発見され、このセットを用いた顎歯の復元と全長12mに達する生体の復元模型が展示されています。
県・天然記念物(平成15年指定)に指定されているそうです。
水流で回転してポットホールを削った石。
まんまるです!
パレオパラドキシアとは、約1,300万年前に絶滅した哺乳類の仲間。
日本から北米西海岸に生息していた体長1.5~2.0mの、現在のカバあるいはセイウチに似たと思われる海生獣だそうです。
秩父ではなんと、1975年と1977年に秩父市で、1981年に秩父郡で、と、3回にも渡って発見されたそうです。
1975年に秩父市大野原の荒川右岸から高校生によって発見された頭蓋から第三腰椎までの部分が、1977年に発見されたものとともに大野原標本として展示されているそうです。
1981年に秩父郡小鹿野町般若の石灰採石場で石灰石を採掘中に発見された頭・脚以外はほぼ完全な状態のものは 、般若標本として展示されているそうです。
さわれる剥製。
哺乳類のイノシシ・キツネ・タヌキ・アナグマ・ネズミ・モグラ、鳥類のシメ・アオゲラなど。
川原の石の実物図鑑。
岩石・鉱物実物図鑑。
画像は割愛しますが、地学展示ホール・生物展示ホール・季節展示・特別展・企画展と楽しめました。
次は、取方海底地すべり跡です。
赤平川の屈曲部に幅800m高さ50mの大露頭があります。
ジュラ紀(約1億9,960万年前から約1億4,550万年前まで)の堆積岩を新第三紀中新世 (約1,600万年前) の堆積岩が不整合に覆っている露頭だそうです。
砂岩泥岩互層中に厚さ15mのスランプ構造(海底地滑りの跡)が見られます。
次は、「おがの化石館」です。
画像は割愛しますが、小鹿野町で採取された多くの化石、日本・世界の化石が展示されています。
生きているみたいな大きなカニの化石等、面白かったです。
入館料大人300円・子ども200円。
おがの化石館裏手にある「ようばけ」は天然記念物に指定されているそうです。
上部が砂岩泥岩の互層・下部が砂岩の幅400m高さ100mの新第三紀中新世 (約1,500万年前) の地層から、カニや貝類の化石が豊富に見つかることで有名だそうです。
最後は、「秩父ミューズパーク」展望台です。
長尾根丘陵と言う高位段丘にあり、中位段丘の羊山丘陵が間近に見えました。
芝桜の時期は桃色に染まった段丘が見えることでしょう。
荒川が深く切れ込んで流れているのも見えます。
荒川が深いところを流れているためその水が利用できず土地は水不足で乾燥していたため一部地域を除き稲作には不適で、畑に桑を植え生糸を作ることが人々の生業となったそうです。
生糸の相場は人々の生活に大きく影響し、ヨーロッパ大不況により発生した1882年のリヨン生糸取引所の生糸価格の大暴落により生糸の国内価格の大暴落が発生し、生糸生産の比重が高くフランス市場との結びつきが強かった秩父の人々の生活は瞬く間に困窮し、1884年(明治17年)の武装蜂起事件・秩父事件へと繋がって行ったそうです。
一方、秩父織物の起源は古く、古代には知々夫絹と呼ばれた白絹の生産が行われ朝廷にも献上されたと伝えられており、鎌倉時代には幕府の関東武士の旗指物として採用され、安土桃山時代には南蛮渡来の「シマ物」の製織に成功し、それが現在の「秩父銘仙」の始まりと言われているそうです。
明治41年に「解(ほぐし)模様銘仙」が創案され、先染め平織りで表裏がなく表が色あせても裏を使って仕立て直しができる「秩父銘仙」は女性の手軽なおしゃれ着として明治後期から昭和初期にかけて日本全国に知られたそうです。
これにて、ジオパーク秩父巡り、終了!
秩父といえば長瀞、長瀞といえば阿左美冷蔵のかき氷。
盆地の厳しい寒さと自然に育まれる氷から生まれる秩父伝統の味。
これも立派なジオですよね。
暖かくなったら食べに行くぞー!!
えーと、盆地はなぜ寒いのか?
夜間放射冷却によって冷やされた空気が傾斜地を流れ、盆地状の地形のところにたまって冷気湖が形成されるからだとか。
四季折々いろんな魅力のある秩父です。
また、どうぞ気軽にお出かけください!
次回は「関東の吉野山」美の山公園の桜の花の美しい時期に、「ランチパスポート秩父・長瀞近郊版」を携えて、アミガサタケを探しに行きたいです。