アンの絵本日記&g

大人にも楽しめる絵本の紹介と
稲垣吾郎さんについて(時々)語ります。

今日の絵本

2011-10-20 22:26:02 | 絵本
「これもむし ぜんぶむし」(3分)
内田麟太郎:作
斎藤隆夫:絵
すずき出版:発行
2011.9初版第1刷(1200円)

夫の虫の居所がいいので、「洋服と指輪と別荘と無人島を七つほど、買ってもらっちゃった」という妻の話はそこらにごろごろ転がっている。
その時その虫は、夫の体内のどの辺りにいるのかを研究した学術書『おっとどっこい』と『いどころところどころ』は、妻たちのひそかなベストセラーになっているそうだ。
だが、妻の中には、この二書を読まなかったがために、悪い虫にとりつかれ日々泣き暮らしている人も多いという。
それでも人は生きていかなくてはならない。
絶望を希望に、涙をほほ笑みに変えて・・・。
その希望を、終生語り続けたドイツの哲学者ヒンテは「悲しい男と寂しい女の顔は、一目でわかる」と言っている。
「それらの男女は、いつも苦虫を噛み潰し、虫ずが走る顔をしているからだ」と。
その上でヒンテはこう予言している。
「これらの男女と子どもを救うのは、日本の斎藤隆夫が描く虫の絵本だけであろう」。
ヒンテは稀代の詐欺師だったけれど、耳を傾けてしまいそうな虫のイイ話だ。
(作者まえがき<虫のイイ話>より)

洋服と指輪と・・・そこらにごろごろと転がっているはずであろうその話
私の周囲には気配もない(^_^;)