今井あんきの家(犬山市) グループホーム・宅老所

「NPO法人犬山あんきにくらそう会」が運営している、「今井あんきの家」のブログです。老人介護について書きたいと思います。

胃ろう

2012-06-28 10:15:24 | 日記
最近、新聞やテレビでもお年寄りの胃ろうについて記事をよく見ます。

「今井あんきの家」でも、10年ぐらい前からでしょうか、胃ろうについて色々と話が上がるようになってきました。



今井あんきの家は、医療施設ではないので基本的に胃ろうの入った方はグループホームへ入居できません。
(バックに医療法人とかが付いているところは、胃ろうOKの施設もあるのですが…)

それでもこの13年間で2名の方が胃ろうを入れてグループホームに入居されていました(現在も1人入居中)。そのお二人とも家族の並々ならぬ愛情を感じています。


今のところ、特別な研修等の条件が整わない限り、介護職員による胃ろうの注入は認められていません。なので、当然今井あんきの家のグループホームでも胃ろうの注入は看護師以外できません。グループホームには常勤の看護師はいないので、胃ろうの注入はすべて家族の負担となります。


なのでこの2名の方は、ずっと家族が、朝・昼・晩と胃ろうの注入に通っていました。 
こちらも大変だろうと心配に思い、胃ろうを管理してもらえる他の施設に移ることを提案させて頂いたのですが、
家族の方は
「この今井あんきの家が気に入っているから。  お母さんにはここが合っているから。」
と、ずっと入居をされていました。

本当に頭の下がる思いです。
毎日何回も施設に通わなければいけない、というのは、しかもそれがいつまで続くかわからない というのは、本当に大変な事です。



でもその甲斐あってか、今入居中の方は、口から御飯が食べられるようになってきました。
朝・昼・夕と3回胃ろうだったのが、最初に昼を食事に変え、今は夕飯も食事を食べるようになり、胃ろうは朝のみです。

やはり、食事が食べられるようになると、発語のない方や少ない方でも 表情が違ってくるように感じます。

また食事を再開できるようになるには、口からの摂取をやめない事です。

今井あんきの家でも家族の了承を得て、胃ろうだけでの食事の間もずっと、介護職員が氷をなめさせたり、お茶をゼリー状にして食べさせたり、と毎日毎日一口だけでも食べさせていました。そういったことが、今の状態につながっていると思います。


やはり、生きてある限り、食事は口から食べたいものです。

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4 コメント

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難しい・・。 (ケロ子)
2012-06-28 13:46:34
胃婁とか延命治療とかって難しい問題ですよね・・。一言で良い悪いとかって言えないですよね。実際作って良かったという方もいれば作らなければよかったという方もみえます。人それぞれで考え方も違いますし感じ方も違います。その人の為と思ってもホントはそうじゃないかもしれない・・。でも大切なのは、その人の事を思って色々と考える事じゃないでしょうか?安易に医者の言う通りにするのではなく人を思って自分なりに考えをめぐらす、コミュニケーションをとってその人の思いを解ろうとする行為そのものが大事なのじゃないかと思います。だって結果はどうなるのかは神様次第なんですから・・。あんきの家ではこれからも本人やご家族の心の声に耳を傾けられるようにしていけたらいいですね
Unknown (ひな子)
2012-06-29 14:00:45
2000年1月開所12年になります。グループホームでお世話させていただいた方、47名です「今井あんきの家」が看取りの場になった方7人でした10年を過ぎると要介護5の方が3人になりましたが、かれこれ3年は看取りはありません。皆さんお元気です
胃瘻 (こうし)
2012-06-30 22:11:09
医療の現場では胃瘻を入れたら、口から食べ物を与えないという虐待が日常的に行われています。学会で胃瘻の是非とか言ってますが、一番必要なのは家族ではなく医者への教育だと思います。

何とかなりませんかね?
勉強 (ankinoie)
2012-07-01 10:02:38
医学の常識も、日々変化して行くので、新しい常識を取り入れられるお医者さんかどうかというのは、やはり個人の能力ですから…
新しい情報を発信されていても、それをうけとる能力がないと…

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