Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
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1万7千年後の早春のサルラの日々

2016-03-15 01:12:03 | 旅行
ここ、フランスのペリゴールと呼ばれる地方の渓谷では
これまでに先史時代の洞窟や遺跡が200近くも発見されてきました。

じゃ、いったい「先史時代」(Prehistoric)って何?
と、にわかに自信がなくなって
となりにいる「メイおばさんの百科事典」いえ「便利帳」さんに聞いてみれば
即座にこんな答えが返ってきました。

「メイ、それはね、文字のなかった時代のことだよ。
文字による史料が全くない。だから遺跡がきわめて大切な手がかりになる。」

そんな「先史時代」の遺跡を毎日訪ねまわっています。
観光シーズン開幕前のこの時期はどこも静まり返っていて
いわば「穴場」です。

さすがに昨日の「ラスコー」だけは
案内開始時間になるとどこからか20数名の人たちが集まって
ガイドの後に続いて洞窟に入りましたが
観光バスにもグループツアーにも出会ったことがありません。

あちこちに点在するこれらの洞窟や遺跡は
「ヴェゼール渓谷の先史時代史跡群と洞窟壁画群」として
1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ラスコーのような超有名とも言える史跡のほかは
入り口で入場券さえ買いさえすればあとは完全なマイペース。
どこでどれだけ足を止めようが全くの自由です。
ほとんど他に人がいないのですから(笑)。

それでもいくつかのパターンがあります。
全くの「野放し状態」のものと
いちおうはルートがあってそれに従って歩いていくもの。
ポイントごとにフランス語で書かれた説明書きがあります。

「La Madeleine Village」という遺跡では
困っているメイおばさんに目を止めた親切な受付のおじさんが
英語で書かれた本を手に持たせてくれました。

「この地図の通りに歩いて行ってくださいね。

 その場所に着いたら、同じ番号のページを見るんですよ。
 説明が英語で書いてありますからね。
 戻ってきたらこの本を返すことを忘れないでくださいね。」

そんな親切に心打たれたわけでもないでしょうが
結局これまで見てきた中で一番心に残るのは不思議なもので
超が付くほど有名な「ラスコーの洞窟」ではなくて
ヴェゼール川に沿った高台を
お借りした英語の本を立ち読みしながら
気ままに歩いた遺跡でした。


風と光と川のせせらぎ
そして木々の間から聞こえてくる鳥の鳴き声の中
私たちのほかにはただ一人の人影もない「マドレーヌ村遺跡群」


「Magdalenian」(マグダレニアン)と呼ばれる人たちの
1万7千年も前の暮らしの跡でした。
ある意味、一番地味なものでした。



それは中世の時期にもまた人々の住処となり
質素な教会堂が作られました。
今では薄暗がりの中のマリア像と
壁の隙間から差し込む光があるだけです。


私たちの命は1万7千年もの時間の中で
継がれ、継がれて今ここにある!
そんなことをしみじみと思っている
早春のサルラの日々です。

どうぞ良い一日をお過ごしくださいね。
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