風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

アルファ・ケンタウロスから訪れたご先祖さまとヤフーのこと

2004-12-17 23:49:32 | トリビアな日々
gulliver_yahoo昨日、書き忘れたことがある。それはボクの先祖に関することだが、ボクの祖父のさらに曾祖父にあたる人で、その方は当時ヨーロッパに住んでいて、アルファ・ケンタウロスから乗ってきた宇宙船「浮かぶ島・ラピュータ」で自由にさまざまな国を旅行していた。もちろん惑星間飛行もたびたび敢行し、太陽系の惑星はすべて訪れており、その知識を細切れにしてどうやらケプラーやガリレオなどにも教えたらしい。
その過程で時代はやや下るが、どうやらイギリスでスウィストにも出会ったらしい。そして、スウィフトはそのボクの御先祖さまをモデルにして家畜であるヤフーを使役する知能のすぐれた高等生物であるフゥイヌムを創造したらしい。Yahooはいまや押しも押されもせぬ世界的なIT企業となったが、このボクらの種族に使役されていた人間によく似た家畜を命名の元にしたものなのだ。

スウィフトはその『ガリヴァー旅行記』で、ヤフーをこのように表現している。

「頭と胸は、縮れた毛や細く長い毛など様々だったが、とにかく濃い毛でびっしり覆われていた。髯は山羊の髯そっくりで、その上長い毛が、背中にも前面の臑から足にいたる部分にも、ふさふさと波うっていた。しかし、体の他の部分には毛が一本も生えてはおらず、したがって茶色がかった淡黄色の皮膚がまる見えであった。お尻には尻尾もなければ、毛も全然生えていないくせに、ただ肛門のまわりには生えていた」

なんだか、醜悪な動物だが、これはガリヴァーつまりあなたたちと同じ原始人のような家畜人間ヤフーの姿なのだ(ちなみに御存知だろうが、ここからインスパイアーされて謎の作家沼正三は窮極のマゾ小説『家畜人ヤプー』を書いたのだ)。
一方のボクら、すなわち『ガリヴァー旅行記』でいうところのフゥイヌム(Houyhnhnm)の姿は、馬そのものだ。ひづめを持ち、最初ガリヴァーにはいななきとしか聞き取れなかったが、フゥイヌム語を話す。これは、ボクらアルファ・ケンタウロス人の亜種であるベータ・ケンタウロス人の姿である。かれらは、ボクらの種族と違って上半身が馬で、下半身がひとであるというキマイラだからだ。

のちに、ガリヴァーもフゥイヌム語を習得してフゥイヌムたちに、フゥイヌムたちが言うところのヤフーの国すなわちあなたたち人間の世界を語って聞かせる。それは、作者スウィフトの思いそのものだったろう。この皮相なアイルランドの聖職者(スウィフトはその思いと違って聖職の道にあった)は、ボクの御先祖さまと運命の邂逅をすることによって、自分の同朋すなわちヤフーへの遠慮会釈ない批判精神を持つに至ったらしいのだ。

「人間の腐敗と余りにも違う、この優秀な「四足獣」の美徳の数々を見て、私の目は豁然(かつぜん)として開け、理解も急に深く広くなり、そのため、人間の行動や感情を今までとは一変した角度から眺め始め、自分と同類の者の名誉なんか考慮する必要はない、と私は思い始めた。」

きっと、スウィフトにとっても、ボクの御先祖さまとの出会いは、衝撃的な出会いだったのだろう。そして、舌鋒鋭くガリヴァーはいや、スウィストはまるで「ユートピア便り」のようなフゥイヌムとヤフーつまり人間の世界を比較していくのだ。

(画像は1996年制作のTV番組『ガリヴァー旅行記』より。家畜人間ヤフーたち)