超人日記・作文

日々の随筆の合間に、短歌や俳句も登場します。

歳時記俳句・数光年

2024-07-27 00:03:30 | 自作俳句
夏空に数光年の答え降る
炎天下散水塔のある町へ
灼ける日に生起する度開花する

明易や眠りて決まるあれやこれ
夏暁に出来事の意味ふと気づく
一行に込めて送らむ夏見舞い

夏休み踊りたい日の円舞曲
近づけばまた遠ざかる夏星座
庭先に気付くと咲けり赤い薔薇

行列の夏の床屋で待たず切る
原石や博物館の夏土産
人心を掬う漁師やヤコブの日
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歳時記俳句・青葉木菟

2024-07-26 00:03:19 | 自作俳句
夏夜半仙界の味甘露水
夏の森見守って居る青葉木菟
無花果のジャムを作りて甘き蜜

夏の瀧心を洗う渓谷へ
よく冷えた果汁滴る夏の桃
冬瓜の花に午睡の蜻蛉かな

海の日の旅で月日を生き直す
朝顔が開き始めて透ける月
悩みつつ掬いし水に映る月

気前よき恩師の影や夏の夢
朝曇り水道栓を取り替えむ
霞み草机に置いて夏の筆
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歳時記俳句・夏瀑布

2024-07-25 00:03:21 | 自作俳句
灼熱に脱ぎ捨てられし空蝉や
花の色競い合いつつ百日紅
夏祭り踊り櫓を作る汗

鉢植えに目映く咲けり聖母菊
この夏に砂漠の切手発売日
炎天下人も疎らな郵便局

人並みに土用鰻で暑気払い
直射光遮って居る窓簀垂れ
岩肌を洗いて涼し瀑布かな

緑林を抜ければそこは水源池
重力でビー玉走る夏研究
峠にはエーデルワイス淡く咲く
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歳時記俳句・瀬踏み

2024-07-24 00:03:20 | 自作俳句
成し終えて夜半の甘露涼やかや
夏の川素足でそっと瀬踏みかな
夏の橋渡れば木彫り不動像

灼ける日は散歩に行かず字を写す
度重ね麦茶飲み干す日の盛り
本分を各自が尽くし青葉風

夏暁に深々と鳴る虫の声
夏木立日時計の指す正午かな
向日葵も本領発揮咲き誇り

忙しくまた出帆や夏の蟻
幾輪か共に揺れ合う夏の菊
夕暮れに家路に誘う合歓の花
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歳時記俳句・満願

2024-07-23 00:03:33 | 自作俳句
十五夜に下界を満たす夏の月
夏暁に光の入るサッシ窓
朝曇り暑さを告げる夏の虫

大暑なり季節の時計日を刻む
道行けば燕飛び交う床屋かな
町の奥早苗波打つ青田かな

満願に頭を下げる夏薬師
昼顔や一つ二つと笑顔咲く
露草の゙数を数えて心満つ

夏の日に時の車輪が回りけり
庭先に小さく咲けり日輪草
夏夜半天竺の夢見る明恵
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