Del Amanecer

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Facebook 創始者の物語 ~「ソーシャル・ネットワーク」を鑑賞

2011-02-10 23:57:14 | CINEMA~映画
なんという皮肉なラストシーンなんだろう。
友達を裏切り、訴訟まで起こされて、それでも何億もの登録者と巨万の富とを手に入れた主人公が本当に求めていたものが、これだったなんて・・・。

ハーバート大学のエリート学生マーク・ザッカーバーグ。
ボストン大学に通うガールフレンドのエリカと1杯飲みながら談笑中だけど、どこか2人の会話は噛みあわない。
話はポンポン飛ぶし一方的なマークに腹をたてたエリカは別れると言い放ちその場を去る。
彼女に振られた腹いせに始めた「ゲーム」がやがて「フェイスブック」へと発展していく。

この主人公に共感する人はあまりいないだろう。
物語はマークがいかに非凡であったかについても淡々と描いている。
むしろあまりにも自信たっぷりな主人公に嫌悪感を感じてしまうほど。
どんどんユーザーを増やし続けるフェイスブックが、こんな風に始まったとは驚きだ。
そして誰もがうらやむエリート学生の世界の裏側がこんなだなんて。

映画全体がしゃべり続けるマークのようで、速いテンポで進んでいく。
騒々しい音楽が流れるクラブやパーティなどで彼らがこんな風にしゃべり続けるのを聴くのは結構疲れた。
でもそれも監督の計算上のことなのだろうか。

友人よりもフェイスブックが大事だった主人公。
フェイスブックでは友達がどんどん増える。
でも友達は「数」ではない。リストにたくさんいればいいというものではない。
友達とは生身の人間なのだから。実際に関わっていける人の数はそんなに多くはないはずだ。
フェイスブックは確かに便利で面白いツールなのかもしれないけれど、それがすべてではないのだ。


今まさに一世を風靡しているこの新しいツール。
でもその創始者が本当に求めていたのは・・・。

ラストで、冒頭にケンカして別れたガールフレンドのエリカのページにアクセスして友達リクエストを送るマーク。
画面を更新するが何事も起こらない。彼はまた画面を更新する。
エリカの友達承認の知らせだけが、今の彼には必要なようだ。
深い闇のような孤独感がスクリーンを満たす。
果たしてエリカは彼を友達として承認してくれたのかな・・?


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「ソーシャル・ネットワーク」(字幕版)
原題「THE SOCIAL NETWORK」 2010年・アメリカ
鑑賞日: 2011年2月7日(水)13:30~(120分)
映画館: ユナイテッド・シネマ豊洲 スクリーン9 D-8



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