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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第105回全国高校野球選手権大会 予選展望その9 【九州】 ~最終回~

2023年07月02日 | 高校野球

≪第105回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望9 九州 -


【福岡】(参加135チーム)
強打の福岡大大濠が本命に躍り出た。追う西日本短大付も差は全くない。連覇狙う九国大附も佐倉の強打で連覇狙う。

◎ 福岡大大濠 西日本短大付 
〇 九州国際大付 
△ 飯塚 福岡工大城東 希望ヶ丘 
▲ 筑陽学園 東福岡 東海大福岡 折尾愛真 近大福岡

大型チームが非常にレベルの高い戦いを繰り広げる福岡。今年も大型チームが居並ぶ中、候補の筆頭に名乗り出たのは福岡大大濠。強力打線が爆発して春は九州4強まで上がっていった。九州大会で海星、日本ウェルネス沖縄と対戦し、いずれも打線爆発で大差で破ったのは圧巻だった。4番の藤田は高校通算40本塁打を越し、ドラフト候補。投手陣はエース鯉川を筆頭に速球派が居並び破綻しない。迎え撃つのが西日本短大付。秋優勝、春準優勝とこのチームでの実績では県下トップ。2年ぶりの夏に向け、視界は良好だ。こちらも強打線が看板。村上・高峰・多久のクリーンアップの破壊力は九州屈指。全国レベルの打線に引っ張られ、中塚中心の投手陣もレベルが上がってきた。全国でキッチリ戦うことができる戦力だ。昨年春夏ともに甲子園で暴れた九州国際大附は、ドラフト候補佐倉のパワーが飛びぬけている。昨年もすごかったが、今年も打線は県内屈指で、投手陣が頑張れば連続出場も十分可能だ。飯塚は経験十分のエース中村の安定感が高く、守り勝つ野球で活路を開きたい。福岡工大城東のエース園田もドラフト候補。プロの熱い注目を浴びる投手だ。希望ヶ丘、筑陽学園はこの夏が初采配となる監督で臨む。もともと力はあるだけに、上位進出の可能性は十分だ。タレントぞろいと言われる東福岡は、甲子園に届かなくなってもう15年の歳月が流れた。古豪と呼ばれる前に、何とか結果を出したいところ。東海大福岡は8強の常連だがそれ以上の成績を上げるには少し力不足か。そのほかでは折尾愛真や近大福岡に期待が寄せられている。


【佐賀】(参加36チーム)
がばい旋風以来の力を持つ佐賀北が大本命。神崎清明、神崎の神崎勢が追い、名門・佐賀商も来たぞ!

◎ 佐賀北
〇 神崎清明 佐賀商     
△ 有田工 龍谷 佐賀学園 
▲ 鳥栖 鳥栖工 東明館 敬徳   

がばい旋風で全国を席巻した佐賀北は、そこから16年の歳月が流れた今年、非常に強いチームを作ってきた。秋春ともに県大会を制し、九州大会でも実績を残す。星野・小柳が長打で突き放す打線は強力。投手陣も2枚の継投でしのぎ、相手に得点を与えない。今年は代表の座を勝ち取るだけではなく、全国の舞台での活躍を誓っている。追う一番手は神崎清明。昨夏は決勝まで進出して旋風を巻き起こした。今年も秋春ともに4強に進出し、昨夏の再現を狙う。小柄な左腕鍵山の投球で守備からリズムを作るのが得意。名門・佐賀商も急ピッチで上げてきた。エース鶴田を軸に投打ともにグレードアップ。5年ぶりの夏に照準を絞る。連覇を狙う有田工は、さすがに春夏甲子園に行った昨年と比較すると少し落ちると言われるものの、打線は4・5番を中心に鋭い攻撃を見せる。龍谷、佐賀学園の名門も虎視眈々と代表の座を狙う。鳥栖は秋準優勝、鳥栖工は鳥栖に負けじと投打ともに勢いを増している。2年前に初出場を飾った東明館はあの夏の勢いを取り戻したい。敬徳も打線が強力だ。



【長崎】(参加51チーム)
選抜出場の2校がつばぜり合い。そこに新興名門校・大崎と創成館が絡む展開か。

◎ 海星 長崎日大  
〇 大崎 創成館  
△ 清峰 九州文化学園  
▲ 波佐見 長崎商    

選抜に出場して県内を大いに沸かせた海星と長崎日大の力強さが際立つ。海星は昨夏、そして選抜で非常にいい戦いを繰り広げ、自信をつけているのが強み。特に打線は山口、田川、平尾ら粒ぞろいで、どこからでも得点が取れる。継投で挑む投手陣がさらに踏ん張ることができれば、3季連続の甲子園がぐっと近づく。長崎日大も2年連続で選抜に出場。経験値は非常に高い。広田、西尾らの投手陣がしっかり試合を作り、あとは得点を奪うという展開に持ち込みたい。すっかり強豪校の佇まいを見せるようになった大崎は、今年も春の県大会を制した。何枚も揃う投手陣に、キッチリと点を取る野球は全国レベルで、大混戦の県大会を制して夏の初キップをつかみたい。こちらも名門の佇まいを見せてきた創成館。一世を風靡した継投とチャンスに強い打撃は今も健在。上位3校とともに4強を形成する。久しぶりに上位にやってきたのが清峰。今年は選抜で元指揮官の吉田監督が山梨学院を率いて全国制覇。清峰も期するものがあるだろう。ブレークした当時は常に好投手がチームに安心感を与えていたが、今年は石田・南の左右の好投手を擁しており、ひょっとすると・・・・もあるかもしれない。元巨人の香田監督率いる九州文化学園も面白い。元プロの薫陶を受けて育ったエース中村に期待が集まる。波佐見は今年秋春ともに8強に進出。名門復活への足掛かりを得た。一昨年の代表、長崎商も怖い存在。戦い方がうまく、上位は要注意だ。



【熊本】(参加55チーム)
突如躍り出た有明が春の九州を制覇。その勢いは夏も続いていくのか。

◎ 有明 九州学院
〇 熊本工 文徳 
△ 城北 東海大熊本星翔 
▲ 専大熊本玉名 熊本商 秀岳館 

県内の高校野球シーンに、突如として躍り出たのが今春の有明だ。県大会で初優勝を飾ると、続く九州大会でもあれよあれよという間に駆け上がり、強豪を次々に破って初優勝。一躍シンデレラストーリーの主役となった。何しろ日南学園、大分商、福岡大大濠と、音に聞こえた強豪たちをバッタバッタとなぎ倒していく姿は圧巻。投手では稲岡、吉岡の両輪がキレのある球を武器に好投。打線は中軸を軸に良くまとまっていて、チャンスと見るや一気に畳み込む。初めての甲子園に向けて、視界は超良好。甲子園は新しい顔を待っている。その有明にとって最も怖いのが、昨夏甲子園8強の九州学院。エース直江は昨夏の甲子園で好投してすっかり名を上げた好投手。打線はもとより長打力、コンタクト力ともに高い強力打線。夏はグッと上げてくる術も知っており、有明と並ぶ有力候補だ。名門の熊本工は、投打ともになかなかの布陣だが結果が伴っていない1年を過ごした。きっちりチームの持っている力さえ出せば覇権奪回は十分に可能。エース沼、4番井上は県内注目の選手だ。文徳は秋春ともに準優勝。5月のRKK杯ではついに頂点に立った。スラッガー辻崎の前にランナーをためられれば得点力は上がる。26年ぶり、今世紀に入ってからは初めての甲子園に向け、気合が注入されている。東海大熊本星翔は、秋の県大会を制した。エース玉木は好投手、そして打線も好選手が揃い怖い存在になってきた。専大熊本玉名、RKK杯準優勝の熊本商、そしていつも何かと話題になる秀岳館あたりが上位をうかがう展開か。


【大分】(参加43チーム)
夏3連覇を狙う明豊は、投打にスケールが大きい。選抜出場の大分商は安定感を増し、大分舞鶴は九州大会準Vまで上り詰めた。

◎ 明豊
〇 大分舞鶴 大分商  
△ 藤蔭 津久見 
▲ 柳ヶ浦 大分 

3連覇を狙う明豊は、春は準決勝で敗れたがスケールの大きな攻守は断トツの力を持つ。春は終盤の逆転で大分舞鶴に敗れたが、夏に逆転する自信は十分。伝統の分厚い投手陣は今年も健在。エース森山から4,5人は完投能力がある。打線は九州屈指の破壊力を持つが、打つ割には得点が思うように取れないジレンマを抱えている。しかし県内では圧倒的な力を誇り、今年も候補筆頭であることに間違いはない。選抜出場の大分商は、投手陣がまとまり始めて、得点力のある打線と絡み合って一段実力を伸ばしてきた。県選手権では明豊に終盤の逆転勝ちで、今乗っている。春を制した大分舞鶴は、九州大会でも準優勝。すっかり強豪の姿が板についてきた。エース野上は好投手の系譜を継ぐ好投手。そこに渡辺、糸永の左右の両輪も加わり、公立校とは思えない豪華な陣容になった。打線は昨センバツを経験して一皮むけた感じで、打撃戦をも制するようになってきている。ここ3年連続で準優勝の夏、今年こそは打破して甲子園をつかみ取りたい。この3校の力が上回るものの、追ってくるチームにもそれぞれ特徴がある。名門津久見は佐伯の右腕に、パンチ力のある打撃陣で名門復活を狙う。藤蔭は春準優勝。もともと夏は強く、今年も「秘密兵器」の松石の復帰で覇権争いに加わってくる。柳ヶ浦も速球派の大生が面白い存在。大分もエース庄で浮上してくるか。



【宮崎】(参加47チーム)
日南学園が夏の覇権を奪回する?!秋春と実績を積む小林秀峰にもチャンスが来た。延岡学園も捲土重来を期す。

◎ 日南学園 
〇 小林秀峰 延岡学園
△ 高鍋 宮崎商 
▲ 日章学園 富島 宮崎学園

日南学園は、5月の招待試合で仙台育英と引き分けを演じ、その試合で強力打線をゼロに抑えきった投手陣が注目されている。春はエース町野に横手投げの本田、さらに速球派の高原など、層の厚さを見せつけた。打線は今一つ得点能力が高いわけではないが、中軸のバッターは強打者が揃う。春秋と4強入りの小林秀峰があとを追う。前チームは秋の九州大会に出場、その勢いに乗って今年も実績を積み上げてきた。初出場には、投打のバランスがかみ合う事が必要だが、その可能性は高い。延岡学園も甲子園で決勝まで上り詰めた13年夏から、ずっと雌伏の時を過ごしてきた。10年ぶりの夏へ、藤田、押川の剛球コンビを軸に一気に浮上したい。高鍋も伝統校ながら甲子園にはご無沙汰。左腕山床の安定感に硬軟織り交ぜた攻めで上位を狙う。宮崎商は秋優勝、春準優勝と実績では県下No1。エース永山は県内屈指の安定感を誇る右腕。そこにチャンスに強い打線が絡み、2年ぶりの夏を狙う。コロナで涙にくれた夏を取り戻すには、今年頂点まで駆け上がるしかない。日章学園は長身エースの的場に注目、昨夏の代表富島は2年生中心にチームを再構築してきている。勢いに乗れば連覇もあながち夢ではない。


【鹿児島】(参加64チーム)
強打でねじ伏せる鹿児島城西が初めての夏をつかみ取るか、打ち合い上等の樟南が浮上するか。鹿実、神村の強豪も虎視眈々。

◎ 鹿児島城西  
〇 樟南 神村学園 
△ 鹿児島実 鹿屋中央 
▲ 鹿児島玉龍 国分中央 大島

例年本命の学校が戦力を充実させる鹿児島大会も、今年は大本命と呼ばれる学校がいない。鹿児島城西は好打者だった佐々木監督の下、しっかりと打てるチームに仕上げてきてはいる。特にマウンドにも上がるスラッガーの明瀬は大注目のスラッガー。ここに池野、黒川ら打てる中軸が絡み、打線の迫力は大会随一であることは間違いない。あとは相手の打線に対して投手陣がどうしのいでいけるか。樟南も「ここ数年では最もいい」という打線を前面に押し出す野球。畝地、茶園、坂口らの打線は、一気に試合をひっくり返す力を秘める。鹿児島城西とは、打撃戦で決着をつけたいところ。昨年はかなりチーム力が高かった神村学園だが、まさかの予選敗退の憂き目にあった。今年は捲土重来の年。春の段階では投手陣の軸が定まっていなかったが、そこを解消できればもちろん優勝候補。打線はスラッガー秋元らに一発が期待できる重量打線だ。夏は伝統的に強い鹿児島実が連覇を狙う。投手陣の軸が誰になるかがまだ見えてきてはいないが、戦い方を熟知しているところは他校にとっては不気味だ。鹿屋中央も打線の破壊力は抜群。鹿児島城西にも勝ち越しており、投手陣の整備ができれば一気に浮上する。いずれにしても今年は、有力校はすべて打撃のチームで、活発な打撃戦の中で覇権争いが繰り広げられそうな気配だ。



【沖縄】(参加60チーム)
すでに3回戦まで大会は進む。圧倒的に充実する沖縄尚学の狙いは夏初めての全国制覇。新顔の日本ウェルネス沖縄がどこまで追い上げるか。

◎ 沖縄尚学
〇 日本ウェルネス沖縄 興南 
△ 未来沖縄 宮古
▲ 糸満 西原

すでに6月中旬にプレーボールがかかった沖縄大会。1,2回戦から激戦が続いており、有力校で敗れ去ったチームも出てきている。そんな中で今年も大本命なのが沖縄尚学。選抜では3回戦で敗れたものの、敗れた試合でも試合内容では圧倒。あと一本さえ出れば、優勝争いにも絡んできそうな戦力の充実ぶりだった。夏も投の東恩納、打の知花、中田らのキラ星達の輝きは失われていない。今年は大本命という位置で戦う県大会。全国制覇に向けて絶対に負けられない戦いだ。日本ウェルネス沖縄は、まだ創部5年ながらすっかり実力を伸ばし、秋は準優勝、そして春は優勝を飾った。いよいよ甲子園に向けての機は熟したと言える。投は2枚看板、打は強打者を揃え選抜帰りの沖縄尚学をタイブレークで破り自信をつけた。沖縄尚学のライバル興南は、連覇に向けて着々と戦力を整える。島袋コーチに鍛えられた左腕エースの平山が成長曲線を描き始め、連覇に向けて視界が開けてきた。打線は相変わらず低いライナーを連発して得点を奪う。未来沖縄はその興南を春破り一躍候補の一角に。宮古は春の県大会で決勝に進出。離島のチームだが、九州は離島のチームが強いことでも有名。どの選手も運動能力が高く、総合力では決して引けを取らない。強打の糸満、バッテリーがいい西原など、上位をうかがうチームは数多い。




ということで、
今年の105回大会の予選展望、終了です。
今年も、疲れました。。。。。。


~以下は4年前に書いたことの引用です。これで締めさせてもらいます。~

例年書くことなのですが、
高校野球はファンにとっては「甲子園」が中心ですが、
本のタイトルではないですが多くの高校球児にとってはまさに「甲子園だけが高校野球じゃない」のはまさに自明の理。
それぞれの心の甲子園は、
まさにこの各地方の球場の中にこそあります。

4000にならんとする高校の中から、
甲子園に登場できるのはわずか49校。
甲子園を前に敗れ去り、涙にくれるチームは3900有余校。

その現実が、
毎年夏になるたび、
ワタシの前に姿を現してきます。

そのあまりにもドラマチックな現実に、
時には打ちのめされ、時には涙しながら、
粛々とこの夏の2か月を過ごす、高校野球オヤジです。

日本の夏は、誰が何と言っても「高校野球の夏」。
決して甲子園だけではない地方大会からのドラマが、
今年も日本中を熱くしてくれることでしょう。


高校球児の皆さん、特に最後の夏を迎える3年生にとっては、
やはりこの夏「完全燃焼」してほしいと思います。
グラウンドに立っていようがいまいが、
そんなことはどうでもいい。

自分の中で「完全燃焼」して「やり切った」という充実感を味わい、
それを明日からの糧にしてほしい、
そう強く願っています。

新しい時代に、
新しい人たちが、
また集ってくるニッポンの夏。

今年も、堪能しましょう。


頑張れ~~~~高校球児たち!!!!



〈了〉


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