実家の倉庫から発掘してきた大島紬の反物をワンピースに仕立てるまでの工程をまとめてみます。
まだ途中の段階なので、仕立て上がるまで記事は追加されます。
「見つけた当時の反物」
もしかしてあの高価な大島紬?!と恐る恐る手にとってみました。
本物っぽく見えるし、そうでないようにも思えますが、とりあえず洋裁教室に行くときの材料が手に入ったので大変うれしいです。
本物かと思える根拠はこのタグと表紙の印字ですが、まだ半信半疑。
所有者の実家の母に聞けばわかるでしょうが、本人は加齢(96歳)による健康障害(便秘、入歯の不具合)のため自分のことで手一杯。
話がややこしくなるとめんどくさいので、現在そのようなものを一括管理している義姉の許可を得て私が引き取ることになったのです。
本物かどうかを若干疑っているのは、自分が持っている着物の白大島(銀色の地に花柄のような織り込みが入っている)より光沢が少なく、肌触りが滑らかでないため。
大島紬も産地やランクにより様々あると思いますが、タイトルにある「紅富士本大島」という商標ロゴは現在では存在していません。
この反物は推定50年前の可能性があるため、確認の仕様がありません。
折り畳んで糸で綴じてあります。
男物らしく、黒、茶、白が混じっていて遠目には無地に見えるので、このくらいの色合だと7回忌の法事にはぴったりでしょう。
「湯通し」
洋服に仕立てる前に、生地の下ごしらえが必要です。
そのまま仕立てると縮む可能性があるのと汚れ落としも兼ねて、湯のしとか湯通しといったことをやらなくてはなりません。
本物だったら高い着物地を自分で湯通しするのには勇気が要りましたが、経済的に目的を達するためには仕方がなく、入浴後の浴槽で決行することにしました。
その前に寸法を測ってみると、縦が10.5m、横幅35cmです。
洗剤は使わず、40度くらいのお湯の中に浸しての糊気とホコリを落とす程度にゆすぎました。
濡れているので黒く見えます。
脱水をせずに吊るしただけ。
これが午前1時半ごろでしたが、朝7時ごろには水が滴るということもなく、アイロンのところまで持っていくことができました。
「アイロンがけ」
10m以上ある布をアイロンがけするなんて気が遠くなりそうでしたけど、やってみるとそんなに大変ではありません。
本体が濡れているのでスチームは必要なく、スチームタンクは外してあります。
アイロンのかかった分は向こう側へ落としていき、次々に送り出していきます。
幅が狭いのでアイロンはかけやすい。
途中、一箇所だけ糸をつないだところがありました。
布の表裏がわからないままたぶん裏だろうと思えるほうにアイロンをかけたのですが、この糸目が見つかったことで、やはり裏だったことが判明しました。
その他には虫食いも一切ありませんでした。
アイロンの終わった布を畳の上に拡げたところ。