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『論語』

2021年12月01日 | 読書

加地伸行『論語』が届いたので少しめくってみました。

子曰、學而時習之。不亦説乎。有朋自遠方來。不亦樂乎。人不知而不慍。不亦君子乎。

冒頭、学而第一、の部分です。

これをこのように読んでいます。

しいわく、まなびてつねにこれをならう。またよろこばしからずや。ともえんぽうよりきたるあり。またたのしからずや。ひと、しらずしていからず。またくんしならずや。

あれっ、「しのたまわく」じゃないの?

たしか学校ではそう習ったと思うのですが。

「時」を「とき」ではなくて「つね」と読ませるのもひとくせあるなあ。

・・・などと難クセつけているので一向に先へ進みません。

この文庫本、中古ですが多少めくった形跡のあるのは最初の数ページのみであとはまっさら。

「源氏物語」の須磨明石返りみたいなものでしょうか。

 

県立図書館の新刊コーナーに『松浦宮物語 雲隠六帖』という本があり、借りてきました。

まだあらすじを追っただけですが、『松浦宮物語』というのは藤原定家が作者だといわれているそうです。

ストーリーが奇想天外。

主人公の「弁」とよばれる光源氏に類した若者が、はじめ日本で皇女に恋をするが彼女は入内することになり、彼女を諦めて遣唐使を志願して唐へ渡る。

時の唐の皇帝に気に入られ側付きになり、唐土では女性に心乱さずに過ごしていた(つかのま)。

ある夜、楼で老人が弾く琴をきき、そのつてで華陽公主から琴の伝授される。

公主はやがて亡くなる。

この頃、皇帝は病気になり、弁に皇太子を託す遺言。

皇帝が亡くなると、その弟の燕王が謀反を起こし国が混乱するが、弁は后と皇太子を守りいったん落ち延びた後、都へ凱旋する。

弁は皇后に恋をしていたが、夢の中に簫を吹く女がたびたび現れてそれが皇后にそっくりだと気づく(どうやら同一人物らしい)。

弁は別れを惜みつつ日本へ戻る。

帰国後、昇進して、初瀬寺へ詣でるとご利益があって華陽公主(唐土でなくなって空中へ飛んでいった人)が現れる。

華陽公主とめでたく結ばれるのだが、鏡を見て皇后を思い出してため息をつく弁(このあたりは宇治十帖のラストに似ているか)。

以上、これから読み返すので間違いがあるかもしれないけれど、おおむねこんな感じ。

あくまで物語なので史実を追うことはできないが、「弄玉(秦の穆公の娘)」ということばが出てきました。

弄玉といえば、「梵字悉曇字母釈義幷・・」にある「弄玉難信暗剣夜光」を思い出します。

「雲隠六帖」はまったく納得できず、偽作であると思う。

光源氏が出家もどきをすることは疑わしいし、とくに宇治十帖の浮舟が還俗して三条の上になるなどはありえない。

浮舟は出家したままのほうがいい。

 

借りてきた『松浦宮物語 雲隠六帖』という本はごくふつうの大きさで中くらいの薄さなんだけど、価格が6600円もするのでびっくり。

これからは本は図書館でまず借りて読み、どうしても手元に置いて繰り返し読みたい本だけ選びぬかなければならない。

などといいつつ、ジーブスシリーズなど増やしています。

 

 

 

 

 

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