Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

ホームベーカリー

2008-05-13 16:18:19 | 料理
最近我が家で、ホームベーカリーを購入した。実は前からあったのだが、それは
今となっては黎明期のホームベーカリー(80年代のもの)で、天然酵母を使って
焼くことができないため、天然酵母対応を最新式の機種を購入することになった。
実際のところ、ドライイーストと高級な最強力粉を使えば、それなりにおいしい
パンができるのだが、次第に欲が出て、やはり天然酵母を使ったパンも焼いてみたい、
ということになり、購入にいたった。

購入したのは National の SD-BH101 という機種で、シリーズの中では最廉価版。
とはいえ、機能的には何も問題ない。上位機種は1.5斤まで焼けるものや、
デニッシュ風食パンが焼けるもの、餅までつけるものもあるようだが、そこまで
多機能なものは必要なし!ということになった。実際、これで何の問題もない。
そもそも、うちで年中餅をつくる人でもない限り、そんな機能は不要だし。

実際に使ってみた感想だが、いやはや、月日は百代の過客にしてではないが、
時代の差を感じてしまった。それまで使っていたのは、象印が世に出した最初の
ホームベーカリーで、当時私の母が象印系列の問屋に勤務していた関係で、
ノルマとして購入したものだった。このホームベーカリーを最初に使ったときの
ことは、今でも忘れられない。説明書の指示通りにすべての材料を入れてタイマーを
セットして床に就くと、翌朝、パンの焼けるなんともいえない、甘くて香ばしい
香りが家中に充満していたのだ。休日はいつも昼近くまで惰眠をむさぼるのが
当たり前の私が、目覚まし時計も使わずに目が覚めたほどだ。

さて、この焼き立てのパン、どんな味だったかというと、香りのすばらしさほど
ではなかった、というのが事実。当時のホームベーカリーというのは、そのへんの
スーパーで売っているドライイーストと強力粉で作ると、実にスカスカのパンしか
できないというものだったのだ。まだ練りや捏ねの技術が進んでいないせいもあり、
あまりおいしいパンにはならなかった。そのため、その後数回作ってはみたものの、
あまりおいしくないということになって、物置で長らく冬眠生活に入ったのだった。

それがどういう経緯が忘れたが(確か奥様のリクエストだったような・・・)、
結婚後に実家からこっちにもってくることになったのだった。あまりおいしくない
ことは事前に告げていたのだが、実際に焼いてみると相変わらずスカスカしたパンに
なった。とはいえ、奥様はホームベーカリーから出てくる、あの焼きたてのパンの
香りは気に入ってくれたようで、たいそう感動していた。本当に、家中が焼きたて
パンのいい香りでいっぱいになるのだ。

せっかく持ってきたのに放っておくのはやはりもったいないということになり、
なんとかならんかとあれこれ試してみたところ、高級食材店で売っている
最強力粉を使い、水分を牛乳100%にすれば、それなりにおいしいパンが
焼けるということがわかった。この組み合わせだと、あのスカスカパンしか
作れなかった初代ホームベーカリーで望みうる最高のパンが焼けると思う。
これをトーストして食べると、大変にヘルシーな味わいのパンになるのだ。

さて前置きが長くなったが、購入した最新式のホームベーカリーで、天然酵母を
使って焼いたパンだが、もう比較するのが失礼なくらいにおいしかった。初代のを
購入してからほぼ20年の歳月が経っているわけだが、電機メーカーも徒に
20年間時間をつぶしていたのではないのだな、ということを実感した。
もう、もちもち感も桁違いだし、耳の部分もふんわり薄いし、噛めば噛むほど
旨みが口の中に広がってくる。スーパーで売っているような、何を使って
焼いたかわからないような食パンとは、材料の安全度も違うし。このパンだと、
パン自体の旨みがしっかりしているので、トーストにせずにオープンサンドに
使っても何の問題もない。というか、パン屋さんで買ってきたパンと比較
しても、ぜんぜん負けてないと思う。

最近の我が家では、全粒粉を使った全粒粉パンをよく焼いている。これは普通の
食パンよりもさらに香ばしさがあって栄養豊富なので、奥様の評判もよいようだ。
不満点がほとんどないこの最新式ホームベーカリーだが、1つだけ残念なことが
ある。それは初代ホームベーカリーほどパンの焼ける香りが強烈にしないことだ。
もしかしたら、あまりにパンの香りがきついというクレームがあって改良したの
かもしれないが、そこだけが少し残念だ。今のでもけっこう香りはするのだが、
初代の「何事!?」というくらいの強烈な香りが今は懐かしい。