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2010年新司法試験刑事系第1問再現答案

2010-08-31 23:30:34 | 平成22年新司法試験再現答案
第1 甲の罪責(以下、刑法は条文数のみで表記する)
1. 殺人罪(199条)の実行行為
(1) 甲が、D薬の投与によりショック状態となったVを放置し、死に至らしめた行為につき、殺人罪(199条)が成立するか。不作為による殺人罪の実行行為性が問題となる。
(2) この点、実行行為とは、法益侵害の現実的危険性を有する行為であり、かかる危険性は不作為によっても実現可能である。
 そこで、①作為義務、②作為可能性を考慮して、作為による実行行為と同視できる場合には、不作為による実行行為にあたるものと解する。
(3) 本件についてみるに、①甲はVの親族であり、かつ②看護師詰所に行きナースに救命措置を求めることにより、救命のための行動をとることは容易であった。
 したがって、救命のための行動をとることなく、D薬の投与によりショック状態となったVを放置する行為は、人を死に至らしめるほどの現実的危険性を有する行為といえるため、殺人罪の実行行為にあたる。
2. 因果関係
(1) 次に、Vの死の結果が、甲の不作為により発生したか、因果関係の有無が問題となる。
(2) この点、求められる作為を行っていれば結果が発生しないことが合理的な疑いを差し挟まない程度に確実である場合には、不作為と結果との間の因果関係が認められるものと解する。
(3) 本件では、Vがショック状態に至った午後1時50分の時点で、医師やナースの救命措置を求めていれば100%救命が可能であったといえるから、Vの不作為と結果との因果関係が認められる。
3. 殺意
 甲は、以前Vが薬に対するアレルギーでショック状態に陥り、救命措置が遅れれば死の危険性があったことを知っており、放置すると手遅れになることを認識していた。
そして、このまま死んだほうがVにとっても幸せでないかと思い、Vの生死を、医師らの手ではなく、運命に委ねることに決め放置したのであるから、甲には殺意が認められる。
4.  以上のことから、甲には殺人罪(199条)が成立する。
第2 乙の罪責
1. Vに対する投薬行為の業務上過失致死罪(211条1項)の成否
(1) 過失行為
ア. Vに対してD薬を投薬した乙の行為が、「業務上必要な注意を怠」ったといえるか。過失の意義問題となる。
イ.  この点、過失とは、①結果の発生が予見可能であり、②結果回避が可能であったにもかかわらず、③結果を回避する義務を懈怠したことを意味する。
(ア)  これを本件についてみるに、乙はナースであり、VがD薬に対するアレルギー体質であることを入院当初に確認しており、D薬が投与されればVがショック状態に至ることを当然に予見しえた。
(イ)  次に、D薬のアンプルに貼付されたラベルには薬名が明記されおり、それを確認することで、誤ってVにD薬が投薬されることを防ぐことが可能であった。
(ウ)  そして、ナースである乙は、投薬の際、アンプルのラベルを確認し、Vに対しD薬が投与されないようにする義務があったにもかかわらず、それを懈怠し、Vに対しD薬を投与している。
ウ.  以上のことにより、ナースである乙には、「業務上必要な注 意を怠」ったという過失行為が認められる。
(2) 因果関係
 では、乙の過失行為に「よって」Vを死亡させたものといえるか。過失行為と結果との間の因果関係が問題となる。
ア.  この点、因果関係は、実行行為の有する法益侵害の現実的危険性の結果への実現過程に他ならないため、因果関係の有無は、実行行為の有する危険性が結果へと現実化したか否かで決するべきである。
イ.  確かに、本件のVの直接の死因はD薬を投与されたことに基づく急性アレルギー反応による呼吸困難を伴うショック死であるから、乙の投与行為という過失行為がVの死の直接の原因であるようにも思える。
ウ.  しかし、Vは、遅くとも午後2時20分までに、医師やナースがVの異変に気付き、救命措置を行えば100%救命が可能であり、乙は30分置きに巡回をすることをBから命じられていたため、午後2時の見回りによりVの異変を発見し救命措置を行うことが可能であった。
 にもかかわらず、Vを救命できなかったのは、甲の上記のような故意行為により、乙の発見が妨げられたからである。
 そうであるとするならば、Vの死の結果の直接の原因は、甲の故意行為によるものといけるから、乙の過失行為にそのような第三者の故意行為を介在させる危険性が認められない以上、過失行為の危険性が現実化したものとはいえない。
(3) 以上により、乙の過失行為とVの死の結果との間の因果関係は認められず、D薬の投薬によりVのショック状態に陥らせ人の生理的機能に障害させたとして、業務上過失致傷罪(211条1項)が成立するにとどまる。
2. 見落とし行為の業務上過失致死罪(211条1項)の成否
(1) 過失行為
 乙には、Bの指示に従い30分ごとにVの病室を見回り、ショック状態に至ったVを発見したならば、救命措置を行う注意義務があったにもかかわらず、それを怠ったという過失行為が認められる。
(2) 因果関係
 乙のVのショック症状の見落としと死との間の因果関係が認められるか。
確かに、午後2時20分より後にVの異変に気づいた場合には、Vの救命の可能性は100%とはいえず、因果関係が否定されるようにも思える。
 しかし、乙がBの指示通りに午後2時の見回りを行っていれば、Vは100%救命可能であったため、乙の見落としと死との間の因果関係は肯定される。
(3) 以上により、ナースである乙は、Vのショック状態の見落としという「業務上必要な注意を怠」ったという過失行為に「より」Vを死亡させたものといえるから、業務上過失致死罪が成立する。
(4) なお、上記の投薬行為による業務上過失致傷罪は、この業務上過失致死罪に吸収される。
第3 丙の罪責
1.  薬剤師である丙が、乙にD薬を提供した行為について、Vに対する業務上致死罪が成立するか。
2.  丙は、D薬に対してアレルギー体質のあるVに対してD薬が投与されることのないよう、アンプルに貼付されたラベルを確認した上で、乙に薬を提供する義務があったにもかかわらず、それを怠ったという過失行為がある。
3.  しかし、上記のように、Vの死の結果は甲の故意行為が直接の原因となっているため、丙の過失行為に第三者の故意行為を介在させる危険性がない以上、過失行為とVの死の結果との間の因果関係は認められない。
4.  よって、丙は、D薬の提供により、Vの生理的機能に障害生じさせたという業務上過失致傷罪(211条1項)の範囲で罪責を負う。
 以上



【言い訳】

殺意の認定、過失犯、因果関係は予め用意してあった論点であったため、構成の段階であわてるようなことはありませんでした。しかし、刑訴が終わって刑法に帰ってきたときに残り時間は一時間をきっており、大慌てで答案を書く羽目に。できるだけコンパクトに最後まで書ききることを目標に書き始めましたが、やはり本番で実力以上のパフォーマンスはできませんね。ボロボロでした。

まず、殺意のところは、時間軸なんて関係なしで、ひたすら書き写し。そして評価もせずにあっさり殺意を認定しました。典型的なダメ答案ですね。殺意の認定は実務家の先生とのゼミで何度も練習したのにこの様で、情けないです。

次に因果関係。因果関係は、直前に山口で勉強した部分(ただし青本…。)だったので、本当に理解しているか謎なのにもかかわらず、危険の現実化で書いてしまいました。しかも因果関係を否定。危険の現実化でもほんとに因果関係切れるんですかね?
準備段階で使ったこともない武器を実戦でいきなり使用するなんて、司法試験以外の「戦い」でもご法度ですよ。ヤマがあたるとかえって危ないという話はよく聞いていましたが、本当に色気が出てしまうもんですね。痛感しました。
不作為犯の場合に、因果関係を十中八九で判断するのか、危険の現実化で判断するのかも良く分からなかったです…。

あと、本問では過失を厚く書く必要は無かったような気も。過失の共同正犯は迷いましたが、成立させなくても罪名(結論)だけは納得できたので、スルーしました。


ちなみに、刑法でやらかした事実誤認は、甲を「夫」と勘違いしたことです。アッー!
Comment

2010年新司法試験労働法再現答案

2010-08-31 01:13:24 | 平成22年新司法試験再現答案
第1問
第1 (1)について(以下、労働契約法は条文数のみで表記する)
1. X1・B社間の労働契約関係の存否及び賃金支払の可否について
(1)A社の労働契約がB社に承継されるか
 A社とB社が行った事業譲渡は、取引行為の集合体に過ぎな いため、従業員の労働契約関係を承継させる旨の契約がない限り、事業譲渡に伴い契約関係が当然に承継されることはない。
 本件の事業譲渡契約においては、A社工場部門の従業員の労働契約関係の処理に関する条項はなく、覚書においてB社はA社工場部門の従業員をできる限り引き受けるよう努力する旨の条項があったにすぎないことから、本件事業譲渡により、X1とA社間の労働契約関係がB社に承継させることはない。
 (2)X1・B社間の労働契約の成立の有無
 A社の退職後に、X1とB社の間で新たに労働契約が成立(6条)されたといえるか。
 この点、契約自由の原則に基づき、使用者は、特別の法律の制限がない限り、雇入れの自由を有する。
 事業譲渡においては、会社分割とは異なり、特別の法律の制限がないから、B社が書類選考の結果X1を不採用とした場合には、X1とB社間で新たに労働契約が成立したものとはいえない。
 (3) 以上のことから、X1は、B社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに賃金支払いを求めることはできない。
2. B社に対する損害賠償請求(民法709条)の可否
(1)不利益取扱い(労働組合法7条1号)
ア.  C組合の委員長であったX1を不採用としたB社の行為が不利益取扱い(労組法7条1号)に該当し、不当労働行為として不法行為(民法709条)にあたらないか。不採用が「労働組合に加入し」とことの「故をもって」なされたか否かが問題となる。
イ.  確かに、B社は新たに50人を採用しており、採用申込みをしたA社工場部門退職者45人全員を採用可能であったにも関わらず、X1を含めたC組合員3人を採用しなかったのであるから、不採用が「労働組合に加入し」とことの「故をもって」なされたようにも思える。
ウ.  しかし、C組合員14人のうち、11人はB社に採用されており、不採用者にはC組合員以外の者も含まれていることから、B社はC組合員であることを理由に不採用を決定したものとはいえない。
エ.  よって、B社のX1の不採用は「労働組合に加入し」とことの「故をもって」なされたものとはいえず、「不利益取扱い」にはあたない。
 以上のことから、X1はB社に対して不当労働行為を理由とした不法行為に基づく損害賠償請求をすることはできない。
 (2)期待権侵害
ア.  X1は、A社から、B社はA社工場部門の従業員をできる限り引き受けるよう努力する旨の覚書の内容及びB社への就職を希望する者については書類選考のみで優先的に採用する旨の説明を受けている。そこで、B社の不採用が、X1の採用への期待権を侵害するものとして不法行為(民法709条)にあたらないか。
イ.  確かに、B社は、採用申込みをしたA社工場部門退職者に対し、書類選考のみで採用の可否を決定しているため、外部からの応募者より優先的に採用しているとも考えられる。
ウ.  しかし、B社はA社工場部門の従業員をできる限り引き受けるよう努力する旨の覚書の内容からすれば、X1らA社工場部門の従業員は、当然にB社に採用されることを期待していたものといえる。
 にもかかわらず、A社退職者全員を採用することが現実的には可能であったにも関わらず、A社退職者5人を不採用とする代わりに外部からの応募者5人を採用したことは、X1の期待権を不当に侵害するものといえる。
エ.  したがって、X1はB社に対して、期待権侵害による不法行為に基づき、損害賠償を請求することができる。
第2 (2)について
1. 解雇の有効性
A社のX2らの解雇が解雇権の濫用にあたり無効となり(16条)、X2はA社との間で労働契約関係を有するといえるか。
本件の解雇は、A社の経営難を理由として、労働者に帰責性がないものであるから、整理解雇の4要素に基づき、その合理性・相当性を判断する。
 (1)必要性
 A社工場部門の事業は開始直後から不振が続き、このまま工場部門を存続させるとA社の経営に深刻な影響を及ぼす状況にあった。したがって、A工場部門を閉鎖し、A工場部門の従業員を解雇する経営上の必要性が存在する。
 (2)解雇回避努力義務
 X2は、食品加工工程における技術職であり、工場勤務以外の勤務はないという労働者であったが、A工場の閉鎖に伴い、本社部門及び小売店舗部門に配転することにより、解雇を回避することが可能であったようにも思える。
 しかし、A社では、会社再建のため、本社部門及び小売店舗部門の全従業員40人にも希望退職を募り、現に10人の退職者を得ていることから、X2を本社部門及び小売店舗部門に配転することは現実的には困難であったといえる。
 よって、B社に解雇回避努力義務の懈怠があったはいえない。
 (3)対象者選択の合理性
 A社では、工場部門をB社に譲渡することになったのであるから、工場部門に専属的に勤務するX2を整理解雇の対象者とすることには合理性がある。
 (4)手続の正当性
 A社では、A工場部門の従業員に対し、整理解雇に先立つ平成21年1月にA工場部門の廃止及びA社を退職してB社に就職するように勧めるなど、事前の説明を行っている。
 また、A社は、X2に対し、整理解雇の30日前にあたる平成21年2月28日に解雇の予告(労働基準法20条1項)を行っており、解雇に必要な手続きを行っている。
 (5)結論
 以上のことからすれば、A社の解雇は、合理性・相当性を有する正当な解雇といえるため、X2はB社に対して労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めることはできない。
2. 賃金の支払いの可否
 上記の通り、X2は解雇によりB社との間で平成21年4月1日以降は労働契約関係にないため、同日以降の賃金を請求することはできない。
 以上


第2問
第1 設問1(以下、労働組合法は条文数のみで表記する)
1. X1の法的救済
 (1) X1組合の委員長に対する戒告処分についての法的救済
 X1は、かかる戒告処分が7条1号の不利益取扱いにあたるとして、労働委員会に対する救済命令(27条)を申立てることができる。また、かかる不当労働行為を理由とする損害賠償請求(民法709条)を裁判所に請求することができる。
(2) 団体交渉拒絶に対する法的救済
 X1は、チェック・オフ協定の継続を求めて申し入れた団体交渉のY社の拒絶が、不当労働行為(7条2号)にあたるとして労働委員会に対する救済命令の申立て(27条)及び労働委員会に対するあっせんの申請(労働関係調整法12条)を行うことができる。また、裁判所に対し、団体交渉を求める地位の確認請求及び仮の地位を定める仮処分の申立て(民事保全法23条2項)をすることができる。
(3) チェック・オフ協定の更新拒絶に対する法的救済
 X1は、Y社のチェック・オフ協定の更新拒絶が支配介入(7条3号)にあたるとして、労働委員会に対して救済命令の申立て(27条)をすることができる。また、裁判所に対して、不当労働行為を理由とする損害賠償請求(民法709条)を請求することができる。
2. X2の法的救済
 X2は、裁判所に対し、Y社が行ったA組合の組合費控除が労基法24条1項に反するとして、控除した組合費相当分の賃金支払いを求めることができる。
第2 設問2
1. X1の法的救済について
(1) X1組合の委員長に対する戒告処分の不当労働行為該当性
 Y社がX1組合の委員長に対して行った戒告処分が「労働組合の正当な行為」をしたことの「故をもって」なされた「不利益取扱い」(7条1号)にあたるか。Y組合の行った社屋前の無許可の集会が「組合の正当な行為」にあたるかが問題となる。
ア.  この点、組合活動は「業務の正常な運営を阻害」しないことを要するため、労働契約に基づく合理的な制限に服する。
イ.  本件において、Y社が、企業秩序を維持するため、業務に影響を及ぼすおそれが高い社屋前の集会について許可要すること規定することは、労働契約に基づく合理的な制限にあたる。
ウ.  したがって、かかる許可制に違反して無許可で社屋前の集会を行ったことは、労働契約上の義務に反する組合活動にあたり、「組合の正当な行為」とはいえない。
エ.  以上のことにより、本件の戒告処分は、「労働組合の正当な行為」をしたことの「故をもって」なされたものとはいえないため、「不利益取扱い」(7条1号)にはあたらない。
 (2) 団体交渉拒絶の不当労働行為該当性
 Y社が、「正当な理由がなくて」団体交渉をすることを拒んだといえ不当労働行為(7条2項)が成立するか問題となる。
ア.  まず、チェック・オフ協定の更新は、労使関係の正常な運営に関する事項で、使用者に処分可能な事項であるから、義務的団交事項にあたる。
イ.  次に、使用者は団体交渉に際して誠実に交渉する義務があり、十分に交渉が行われ交渉が行き詰まった場合を除き、団体交渉に応じる義務がある。
 これを本件についてみるに、Y社は、平成21年3月15にチェック・オフ協定の更新について団体交渉に応じているものの、X1組合の組合員数が全従業員の過半数を大幅に下回ったことという合理性のない主張を繰り返し説明するに止まり、更新について具体的に交渉をすることはなかった。
ウ.  したがって、本件では十分に交渉が行われ交渉が行き詰まったものとはいえず、Y社の団交拒絶は、誠実団交義務に反する「正当な理由」のないものであり、7条2号の不当労働行為にあたる。
 (3) チェック・オフ協定更新拒絶の不当労働行為該当性
 Y社によるチェック・オフ協定の更新拒絶が、X1に対する「支配介入」(7条3号)にあたるか問題となる。
 この点、チェック・オフ協定の更新が拒絶されれば、X1は独自に組合費を組合員から徴収しなければならないという不利益を被ることになるため、X1組合の組合員数が全従業員の過半数を大幅に下回ったことという合理性のない理由に基づく更新拒絶は「支配介入」にあたる。
 よって、憲法28条に基づく団結権侵害にあたる「支配介入」により損害を被ったとして、X1組合はY社に対して損害賠償請求を求めることができる。
2.  X1の賃金請求の可否
 Y社とA組合とのチェック・オフ協定は、組合員の賃金についての組合費の取立委任契約としての性質を持つにすぎないため、Y社がX2の賃金からA組合費を控除してA組合に交付するためには、別個X2・Y社間において支払委任契約を締結する必要がある。
X1は、平成21年6月15日にA組合に対し脱退届を提出していることから、それに伴いX2・Y社間の支払委任契約も効力が失われているものといえる。
 したがって、組合費相当分の交付先をA組合からX1組合に変更するよう要求した後も賃金を控除しA組合に交付したことは、賃金全額払いの原則(労基法24条1項)に反し無効となる(同13条)。
 以上により、X2は控除相当分の賃金の支払いをY社に対して求めることができる。
 以上



【言い訳】

第1問
中日にちょっと気になったけどスルーした企業再編が出やがりました。とりあえず法律を探しましたが、会社分割と異なり、個別法による規定が見当たりませんでした。ただ、青山会事件という判例をたまたまチェックしており、その判例では、経営譲渡における雇用関係の承継と新規採用の違いについて判示されていたので、それをヒントに新規採用の場面として書くことに。
請求については、一応不当労働行為を否定しつつ、何にも認めないのはX1がかわいそうなので、期待権侵害に基づく請求を認めることにしました。ただ、この場合「損害」がどのように算定されるかが謎だったのですが、時間も無いのでスルーしてしまいました。
(2)は、整理解雇の話にして、解雇回避努力義務のところであてはめを頑張ってみました。解雇は有効っぽいと思いましたが、X2が何にも請求できないって結論も気持ち悪かったですね。

あと、資料に就業規則が無かったんですが、就業規則の規定がないのに整理解雇が可能なのかも謎でした。


第2問
構成段階で検討する行為が多かったにもかかわらず、長々と設問1を書いてしまいました。書いていて自分でも長すぎて変だと思っていましたが、今問題文を読み返すと、「機関」と「救済内容」のみを書けばいいのであって、行為ごとに書く必要は無かったと思います。

X1組合の委員長に対する戒告処分は検討するか迷ったのですが(事情も少ないし)、怪しかったので書くことに。でも、後半のチェックオフが疎かになるようだったら、時間と紙面を割いてまで書くべきではなかったと思います。
チェックオフについてはなぜか出ないと思っていて、マークしていなかったため、結構ボロが出たように思います。しかも時間が無くて最後テキトーになってしまいました。
特に、Yの「X1組合の組合員数が全従業員の過半数を大幅に下回った」という主張の意味に気づけなかったところが情けないです。


他の科目にもいえることですが、およそすべて書ききれないくらいたくさんの「問題点」を検討する場合に、メリハリを付けて書くが出来るようになることが重要な課題ですね。
Comment

2010年新司法試験刑事系第2問再現答案

2010-08-29 01:47:47 | 平成22年新司法試験再現答案
第1 設問1(以下、刑事訴訟法は条文数のみで表記する)
1. 捜査①の適法性
(1)ごみ袋を持ち去った行為について
甲がごみ集積所に置いたゴミ袋は、甲が所有権を放棄し、「遺留した物」にあたるため、これを持ち去ったPらの行為は、領置(221条)として適法である。
(2)メモ片を復元した行為について
ア 強制処分該当性
(ア) Pらはゴミ袋を甲がごみ集積所に置いたことを確認した後に回収、中身のメモ片を復元しているため、かかる行為が甲のプライバシー権を侵害する強制処分(197条1項但書)とならないか問題となる。
(イ) この点、個人の意思を制圧するような処分でなくても、私人の重大な権利を侵害することあり得る。そうであるとすると、かかる処分についても、国会によって強制処分をあらかじめ法定し(憲法41条)、司法権による事前審査を行う(憲法35条)ことにより人権を保障する、強制処分法定主義及び令状主義の趣旨が合致するものといえる。
 そこで、重大な権利を侵害するような処分は、強制処分にあたるものと解する。
(ウ) これを本件についてみるに、公道上のごみ集積所にごみ袋を置くことは、何者かにゴミ袋が持ち去られる可能性があることに鑑みれば、その中身についてプライバシー権を相当程度放棄しているものといえる。
 よって、甲の置いたゴミ袋を持ち去る行為は重大な権利を侵害するものとはいえず、強制処分にはあたらない。
イ 任意処分としての限界
(ア) 強制処分にあたらないとしても、何らかの権利を制約する可能性があるため、捜査比例の原則(憲法13条後段)に照らし、(a)必要性、(b) 緊急性、(c)相当性のない行為は任意処分の限界を超え違法となる。
(イ) 本件被疑事件のけん銃の密売は、密行性があり通常の捜査方法では証拠を入手することは困難であったことから、(a)必要性が認められる。
 次に、本件の密売は組織的に行われ、このままでは多数のけん銃が取引されることになり、それが犯罪に使用されるおそれもあるため、一刻も早く証拠収集を行う(b)緊急性も認められる。
 そして、本問のゴミ袋を公道上のごみ集積所に置かれ、所有権とともにプライバシー権も相当程度放棄されているから、その中身を復元する行為も上記の必要性及び相当性に照らせば(c)相当な行為といえる。
(ウ) 以上のように、捜査①のメモ片を復元する行為は任意捜査(197条1項本文)として適法である。
2. 捜査②の適法性
(1) Pらが甲のマンションのごみ集積所に対入りゴミ袋内を確認し、メモ片を持ち帰った行為について
ア 強制処分該当性
 (ア) Pらは、証拠収集のため、私有地である甲のマンションの敷地内にあるごみ集積所に立ち入り、甲の出したゴミ袋の中身を確認している。かかる行為が令状(218条1項)なくして行われた捜索差押えとして違法とならないか。重大な権利侵害があるか否か検討する。
(イ) この点、ごみ集積所はマンションの敷地内にあるものの、居住部分とは離れた場所にあり、しかもその出入り口は施錠されておらず、誰でも出入りすること可能な場所にあった。そうであるとすると、ごみ集積所は住居ほどのプライバシー性を有しておらず、重大な権利侵害があったとはいえない。
(ウ) したがって、かかるPらの行為は令状なく行われた捜索差押えにはあたらない。
  イ 任意処分としての限界
   (ア) では、かかる行為が(a)必要性、(b) 緊急性、(c)相当性を有する任意処分(197条1項)として適法といえるか。
   (イ) まず、前述のように、本件被疑事件は通常の捜査では証拠収集が困難であるけん銃の密売事件である。しかも捜査①によって、その重要な証拠となるメモ片が発見されており、同様なメモ片収集するために、本問のような捜査を行い証拠収集する(a)必要性があった。
 また、甲がいつメモ片の入ったゴミ袋を投棄し、それがいつ回収されてしまうかは不明であり、事前に令状を請求することも困難であったといえるから、甲がゴミ袋を投棄したあとすぐに中身を確認し、メモ片を回収する(b)緊急性も認められる。
 そして、上記の必要性・緊急性に鑑みると、甲がゴミ袋を投棄したのを確認後、短時間において誰でも出入り可能な倉庫内に立ち入り、ゴミ袋の中身を確認・メモ片を回収する程度の行為は、甲及びマンションの住人のプライバシー権に対する制約の程度も低く、相当である。
   (ウ) したがって、かかるPらの行為は、任意処分として適法である。
(2) メモの復元行為について
  メモの復元行為は、前述の通り、任意処分(197条1項本文)として適法である。
3. 捜査③の適法性
(1) 捜索差押えによって押収した乙の携帯電話のデータを復元する行為は、「押収物」に対する「必要な処分」(222条1項、111条1項)として適法といえるか問題となる。
(2) この点、同条項の趣旨は、捜索差押えの実効性を確保する点にあるから、「必要な処分」とは、(a) 捜索差押えの実効性を確保するために必要、かつ(b)相当性を有する処分をいうものと解する。
(3) これを本件についてみるに、本件被疑事件は密行性のある証拠収集が困難なけん銃密売事件であり、その取引は電話連絡を通じて行われていたことから、乙の携帯電話内のデータにはその証拠が存在する可能性が高かった。そして、そのデータは何者かによって消去されていたのであるから、捜索差押えの実効性を確保するためにデータを復元する(a)必要性が認められる。
 そして、所有者である乙はPらの捜査に協力的であり、携帯電話のデータの提供には承認していたものといえ、しかも、乙は死亡しており、二度とその携帯電話が使用されることはないのであるから、本問の処分によるプライバシー権などの権利の制約は認められず、相当性も有する。
(4) 以上により、本問の復元行為は、捜索差押えの実行性を確保するために必要かつ相当な「必要な処分」として適法である。
第2 設問2
1. 甲及び乙の会話部分の証拠能力について
(1) 法律的関連性
ア 本件捜査報告書の甲及び乙の会話部分に伝聞法則(320条1項)の適用があり、原則として証拠能力が否定されないか。
 この点、伝聞法則の趣旨は、伝聞証拠の介在する危険性を反対尋問等でチェックできない点にあるから、要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となる場合にのみ伝聞法則の適用があるものと解する。
 イ 本件被疑事件においては、設問1で得られた以外に有力的な客観的証拠が不足していることから、本件捜査報告書の要証事実は甲の犯人性であると解する。したがって、本件捜査報告書の甲の供述内容が問題となるため、かかる部分につき伝聞法則の適用がある。
 もっとも、乙はPらの指示通り会話をしていることから、その内容の真実性は問題とならず、またICレコーダーによる甲・乙の会話の記録は、正確性を有する機械的記録であるから、伝聞法則の適用はない。
 ウ では、甲の会話部分が伝聞例外にあたり証拠能力は認められるか。
 この点、甲の会話部分は再伝聞にあたるが、その内容は甲にとって「不利益な事実の承認」にあたり、信用の情況的保障があるから(324条1項、322条1項)、再伝聞性が否定される。
 また、本件捜査報告書は、Kが五官の作用によりICレコーダーの内容を認識・記録したものであるから、321条3項に基づき、Kがその作成名義と記載内容の真実性を証言すれば証拠能力が認められる。
  エ 以上により、本件捜査報告書中の甲・乙の会話部分は伝聞例外として証拠能力が認められる。
 (2) 証拠禁止
  ア 甲・乙の会話部分は私人である乙がICレコーダーに録音して収集された証拠であるが、司法の廉潔性の確保の観点から証拠とすることが相当でない重大な違法がある場合には、違法収集証拠として証拠能力が原則として否定されるものと解する。
  イ では、本件のおとり捜査が令状なく行われた強制処分として違法といえるか。
 この点、Pらが乙に指示してけん銃の取引を働きかけたとしても、それ自体は甲の自己決定権を侵害するものとはいえない。よって、強制処分にはあたらない。
  ウ 次に、任意処分として適法といえるか。
 この点、本件は密行性のあるけん銃密売事件であり、通常の方法では証拠収集は困難であったといえるから、証拠収集の必要性及び緊急性が認められる。
 そして、甲は機会があればけん銃の密売を行う意図にあったから、このような者に対して違法なけん銃の密売を働きかける行為も捜査として相当性を有するものといえる。
  エ 以上のように、本件のおとり捜査は任意処分として適法であるから、甲・乙間の会話部分は違法収集証拠として証拠能力を否定されない。
2. 甲・丙間の会話部分の証拠能力について
 (1) 甲・丙間の会話部分については、甲・乙間の会話部分のように乙の説明部分が存在しないため、甲の供述が自己に「不利益な供述」にあたるとはいえないようにも思える。
 しかし、甲が要求している300万は、甲と乙が交渉を行ったけん銃2丁の代金と同額であるため、甲のいう「物」とはけん銃をさすものといえるため、甲の供述部分は自己に「不利益な供述」として伝聞例外にあたり証拠能力が認められる。
(2) そして、丙の供述がPらの指示通りに行われているため、その真実性が問題とならない点、及び捜査に違法性がない点は、上記1と同様である。
 以上



【言い訳】

圧倒的な分量に圧倒されました刑事訴訟法。バランスよく書かなければならないのに、いつも通り、前半が厚くなりすぎに。基本的に大問は2問分まとめて構成するため、そのしわ寄せは設問2どころか刑法まで…。お疲れ様でした。

設問1については、もちろん重判掲載判例なんて存じ上げません。これ領置で全部適法じゃね?って思っていました。ちなみに、強制処分の規範を厚く書いたのは、単に事前に準備していたので書きたかったからです。捜査③も何が問題点か分からなかったので、みんなが書きそうな「必要な処分」を書いてごまかしました。一応、死んだ乙のプライバシーに配慮してみたりしましたが、ローの先生に的外れとの指摘を受けました。そりゃそうだ。

設問2は、最初違法収集証拠排除のことだけを書こうと思いましたが、資料の詳細さから伝聞も書くことに。しかし、時間がないために、一番やってはいけない問題点からの逃走を図り、伝聞の内容はスカスカに。「乙はPらの指示通り会話をしていることから、その内容の真実性は問題とならず…」ってどういうことやねん。まぁ、甲と乙と丙の違いなんて本番じゃ気づけなかったんですけどね。
おとり捜査もてきとーです。秘密録音は構成の時には気づいていたのに、焦って書き落とし。

結局2時間半かけてこの内容です。時間配分ができない状態で試験に挑んだのはやはり自殺行為でしたね。もちろん同様のミスは最終日の公法系でも起こるのでした…。
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2010年新司法試験民事系第1問再現答案

2010-08-28 18:23:00 | 平成22年新司法試験再現答案
第1 設問1(以下、会社法は条文数のみで表記する)
1. Aの責任
(1)52条1項に基づく責任について
  甲社の発起人Aが行った本件土地を現物出資(28条1号)財産の価額が「著しく不足する」として、甲社に対し52条1項に基づき不足額の支払う責任を負うか。同条項の要件を検討する。
ア. 52条1項の要件
(ア) 「発起人」
Aは、甲会社設立の発起人(26条1項)にあたるため、この要件をみたす。
(イ) 「現物出資」
Aは、金銭以外の財産として本件土地を出資しているため、この要件をみたす。
(ウ) 「著しく不足」
本件土地の価額は5億円とされていたところ、実際の価値は1億円にすぎなかったため、4億円の不足額が生じている。
そして、4億円という額は、AとBの行った出資額の計6億円のうち3分の2を占め、会社経営に深刻な影響を及ぼすものといえるから、本件土地の価額は「著しく不足」するものといえる。
(エ) 以上のように、Aは52条1項の要件をすべてみたす。
イ.  そして、Aは「現物出資財産を給付した」「発起人」にあたるため、この責任は無過失責任である(52条2項)
(2) ここで、本件では、Aは実質的に甲社の発行済み株式を全部所有しているため、「総株主の同意」があったとして、52条1項に基づく責任が免除(55条)されないか問題となる。
 この点、Bは、発起人として1000株を引受け、全額を払い込んでいるのであるから、この1000株についてはBの所有に他ならないため、「総株主の同意」があったとはいえない。
 よって、Aは同条項により責任を免除されない。
(3) 以上により、Aは52条1項に基づき本件現物出資の不足額を甲社に支払う責任を負う。また、後述のようにBは本件現物出資に関し何ら責任を負うものではないため、Aはこの責任を単独で負う
2.  Bの責任
(1)52条1項に基づく責任について
ア.  「発起人」Bは、甲社に対して、本件の「現物出資」の「不足額」を52条1項に基づき支払う責任を負うか
イ.  ここで、52条2項によりBは責任を免れるか検討する。
(ア) 52条2項1号について
本件の現物出資について、公認会計士及び不動産鑑定士の証明(33条10項3号)は受けているものの、「検査役の調査を経」ていないため、52条2項1号により免責されない。
(イ) 52条2項2号について
Bが「職務を行うについて注意を怠らなかった」といえるか。
 この点、本件土地の客観的価値が1億円にすぎなかったのは、土地に土壌汚染があったことが原因であり、この事情を認識することは専門家でも困難であり、現にBは土壌汚染の事実を認識していなかった。
 そうであるとすると、本件土地について公認会計士及び不動産鑑定士の証明(33条10項3号)を経ている以上、Bは発起人として現物出資にあたり必要な調査義務を尽くしているといえる。
 よって、Bは「職務を行うについて注意を怠らなかった」といえ、52条2項2号によって不足額を支払う義務を免れる。
(2) なお、上記のようにBは「発起人」と本件現物出資について必要な調査をしており、「設立についてその任務を怠った」ともいえないため、53条1項の損害賠償責任も負わない。
(3) 以上により、Bは甲社に対し、現物出資に関して何ら責任を負担しない。
第2 設問2
1. 払込みの効力について
 (1) 本件では、形式的には1億円払込みがなされている。しかし払込み額1億円の大部分を占める9000万円は、DがAから支持を受け丁銀行から借り受けたものであり、払込み後すぐに丙社を通じて丁銀行に返還されている。
そこで、かかる払込みが仮装の払込みとして無効とならないか問題となる。
 (2) 確かに、払込み額1億円のうち、1000万円は丙が自ら調達しており、一応有効な払込みといえる。
 しかし、残りの9000万円については、丁銀行からの融資を得る条件を整えるため、DがAの指示により丙から借り受けたものであり、払込み後すぐに返還が予定されているものであった。そして、現に払込み後直ちに丙社を通して丁銀行に返還されており、9000万円が甲社の資本として使用されたことはなかった。
 (3) 以上のことから、9000万円の払込みは資本充実原則に反する仮装の払込みといえるため、無効である。
2. 発行された株式の効力について
 (1) 本件払込み1億円のうち、9000万円の部分については、上記の通り無効な仮装の払込みであることから、その分の株式は無効となるか
 この点、株主となる時期を定めた209条1項は、「出資の履行をした募集株式の株主となる」としているため、無効な払込みの部分については、募集株式の株主とはなりえず、発行された株式は無効であると解する。
 このように解しても、本件ではその分の株式を丙社が所有しており、第三者の取引の安全を害するものとはいえない。また、仮に第三者に譲渡されていても、9000万円分の株式については、払込みがなく、株式としての前提を欠くことから、無効と解さざるを得ない。
 よって、本件募集株式のうち9000万円分は無効である。
 (2) では、残りの1000万円の株式の効力は有効といえるか。募集株式の引受人は「払込金額の全額を払い込まなければならない」(208条1項)とされているため、全額の払込みがなされなかった場合に、払込みをした部分の株式も無効なるか問題となる。
 この点、前記のように、1000万円分の払込みについては丙により有効になされている。そうであるとすると、1000万円分の払込みが有効になされている以上、社員の割合的地位としての株式の前提に欠くところはないため、その部分の株式は有効であると解する。
 よって、1000万円の募集株式については有効である。
3. 甲社に対するA・B・丙の責任
 (1)Aの責任(423条1項)
ア.  Aは本件募集株式発行に際し、適切に払込みなされるように手続きを行う義務(355条)があったにもかかわらず、丙と通謀のうえ、前記のような虚偽の払込みを行っている。
イ.  そして、その払込みはAの指示のもとに行われており、それに「より」甲社は9000万円分の「損害」を被っているといえる。
ウ.  よって、Aは423条に基づき、甲社に対してかかる損害を賠償する義務を負う
 (2)Bの責任(423条1項)
   Bは、甲社の取締役として、本件募集株式発行が適切に行われるよう監視する義務があった。
そうであるにもかかわらず、Bは本件募集株式の発行の手続きをAに実質的に一任しており、虚偽の払込みを見過ごしているため、任務懈怠が存在する。
 よって、Bは、本件募集株式によって生じた損害について甲社に対して弁済する義務を負う。
 (3)丙社の責任
   丙社の代表取締役Dは、「職務として」Aの指示の下、本件の虚偽の払込みをしていることから、それにより、第三者である「甲社」に加えた損害を賠償する責任を負う(350条)。
4. A及びBの乙銀行に対する責任
(1) Aは、故意に虚偽の内容の計算書類を作成し(429条2項1ロ)している。そこで、特別の法定責任を定めた429条1項に基づき、その資料に基づき融資を決定した「第三者」丁銀行が被った間接損害をAは賠償する責任を負う。
 (2) 前記のように、Bには本件募集株式発行について任務懈怠が存在するから、募集株式発行について丁銀行が被った損害を賠償する責任を負う(429条1項)。
 以上





【言い訳】

会社法での最大の失敗は、設問1の配点割合が「2」とは気づかず、長々と書いてしまったことです。そのしわ寄せが設問2の後半部分、つまり、勝負ポイントであるAらの責任にきています。もちろん資料なんて使えていません。
また、第1・1・(2)で「総株主の同意」について書いちゃっているのは、問題文3頁の「丙社は、Aが実質的に発行済株式の全部を所有していた」という部分の「丙社」を「甲社」と勘違いしていたからです。よって、もれなくAの利益相反取引の論点は出てきません。
こんな感じの事実誤認は、後の答案でもたくさん出てくるので、お楽しみに!

てか、本番でこんなミスをするということは、私が「人生を左右する司法試験を受験する」というレベルに達していなかったのかもしれませんね…。



てか、ワードで作成した答案をコピペしたら、ものすごい見難くなりました。
直し方も良く分かりません。本当にすみません。
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