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比較三原則

2012-10-26 14:54:59 | コラム
論文・短答問わず、司法試験では“比較”が多く出題されます。
似たような制度や行為を比較させることで、受験生が本当に理解しているかどうかをチェックしやすいからでしょうか。

今年で言えば、憲法の3つの助成、民法の寄託、会社法の監査役と株主の事前・事後の手段、刑訴の捜索などがそうです(今年の問題はまだ本気で分析してないので他にもあると思います)。民訴の設問3なんて、問題文に「比較」というワードが出てますよね。


こんな“比較”大好きな司法試験の問題に挑むにあたり、私が意識していたのが、この“比較三原則”です。

第1テーゼ:見落とさない
第2テーゼ:ごっちゃにしない
第3テーゼ:飛びつかない

第2テーゼまでは2振り目の時点で考案していたんですが、第3テーゼとして語感のいいものが中々見つからず、今年の年明けくらいにようやく完成しました。

それでは、もう少し具体的に紹介していきたいと思います。


Ⅰ 見落とさない

“比較”と一口に言っても、当然“気付きやすい比較”と“気付きにくい比較”があります。
“気付きやすい比較”には確実に反応し、似たような行為や制度がある場合には“気付きにくい比較”があるのではないかと注意を払う…というのが、第1テーゼの“見落とさない”です。

「捜査①」「捜査②」みたいな形で問題文で指示されているものはいいのですが、今年の憲法の“3つの助成”は問題文で直接指示されておらず、見落としがちです。

しかし、私はこの“3つの助成”についても、“気付きやすい比較”に含まれると考えています。
なぜなら、3つの助成について、それぞれ異なる金額が明示されているからです。
司法試験の過去問をみると、金額や数字が異なる複数の行為がある場合には、必ず比較の視点が聞かれています。
代表的なものを例として挙げれば、19年民法のアクリルケース8万と賃料10万、20年刑法の300万と2万、22年会社法の9000万と1000万などがあります。
このように、わざわざ金額を明示して複数の行為を出している場合は、そこを論じて欲しいという試験委員からのヒントと考えるべきだと思います。
“金額あるところに比較(論点)ありの法則”とでも言いましょうか。


Ⅱ ごっちゃにしない

せっかく“比較”に気付けたのであれば、個々の比較対象について、別個に項目を立てて検討するようにしましょう。

今年の憲法でいえば、あてはめの段階で、
(1)墓地、(2)本堂、(3)庫裏
といった具合に、3つの項目を別個に立てた上で、それぞれの項目の中で目的効果基準のあてはめをしました。

これらをごっちゃにして一つの項目で論じてしまうと、一つ一つの比較対象について十分な検討が出来なくなったり、読みにくい文章になり比較に気付いていることをアピールできない危険性があります。

もっとも、いくら考えても検討内容が同じになってしまう場合には、諦めて同じ項目で論じましょう。同じことを2回書いても時間と紙面の無駄ですので。

それと“比較”とは少し違うかもしれませんが、設問にて“複数の事項”が聞かれている場合には、必ず別個に項目を立てて検討するようにすべきです。
今年で言えば、民法設問2の「Hの二つの主張」、民訴設問2の「①と②の事実」、刑訴の「判決の内容及び手続き」などです。
私は刑訴の「判決の内容及び手続き」をごっちゃにして検討してしまい、「内容」の方の論点を落としてしまいました。
まぁ、「内容」の論点に気付かなかったからこそ、ごっちゃにしてしまったとも言えるので、これは第1テーゼ違反の問題とも言えますね。


Ⅲ 飛びつかない

比較=試験委員が聞きたいこと=出題趣旨なのですが、ここで飛びついて前提として必要な議論をすっとばしたりすると、悪名高き“論点主義”の答案になってしまいます。
よく「ヤマが当たった時は慎重に」と言われますが、“比較”に気付いたときにも慎重に答案を作成すべきです。


以上が、“アン帝式・比較三原則”の内容です。
過去問を検討される際には、「比較できないか」という視点で分析してみると、面白いと思います。

お察しの通り、“比較三原則”は「非核三原則」とかけているのですが、同じような発想をする人はたくさんいるようで、検索してみると、色々な分野で“比較三原則”が提唱されていました。
暇な時に“比較三原則”の“比較”もしてみようかなと思います。

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