みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

クリスマス・ページェント(主役のいない聖劇)

2013-12-06 08:00:00 | Everyday is special

今日は聖ニコラオの日。サンタクロースのモデルとなった聖人の記念日です。以前のヨーロッパのある地域では、この日に子どもたちにプレゼントが贈られたそうですね。

さて、この時期、あちこちの幼稚園や保育園ではクリスマスの聖劇が練習されていることと思います。

ぼくも、以前、山形の旧こまくさ保育園の園長であった最初の年、いろいろと苦心しながらがんばっていたのを思い出します。 その中で、思い出に残っているのは、1999年の12月に開かれたクリスマス会での聖劇。 マリア役とかヨセフ役とかの、いわゆる主役のいない台本を作り、みずから演出しました(その年は年長さんの人数が多くて大変でしたが)。 羊やロバたちにも台詞を与えて、みんなで踊ってイエスの誕生を喜び合う、というものです。 振り付けは、当時の保育士の先生方です(これがまたよかった!)。 照明の台本も書いて、踊りの曲はすべてCD(主に「クリスマス・ビート」から)にしました。

上演の日、子どもたちは最高の演技をしてくれて、本当にすばらしい舞台になりました。 自分自身でも感動したのを覚えています。

その後は、この台本は日の目を浴びることがなく、これまで来てしまったのですが、よい思い出なので、ここに載せてみたいと思います。

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クリスマス・ページェント 1999

こまくさ ほいくえん

〈とうじょうじんぶつ〉(全38名)

かたりて(4) 

てんし(12)

ひつじ(6) 

ひつじかい(6)

はかせ(5)

らくだ(5)

 

―かいじょうは、できるだけ くらくしておく。

ぶたいのちゅうおうに、だい。そのうえに、マリアのぞうとろうそく2ほんが のっている。おんがく(CD「しずけき」)

 

かたりて1    むかし、むかし、「なざれ」というむらに、マリアさんという おんなのひとが いました。あるひのこと、かみさまのおつかいが、マリアさんに あいにきました。

 

(てんしたち、ひだりてからでてくる。てんしたちとマリアにしょうめい。マリアのぞうにむかって)

 

てんし1(2)    (ゆっくり)マリアよ、おめでとう。

てんし2(2)    あなたは もうすぐ おとこのこを うむでしょう。

かたりて2     マリアさんはまだ、ヨセフさんとけっこんしていませんでした。どうしてそんなことがあるのでしょうか。

てんし3(2)     (やさしく)マリアよ。うまれてくるあかちゃんは、かみさまのところからきて せかいのひとを しあわせにするのです。かみさまに、できないことはありません。

かたりて3     マリアさんは、はい、わかりました。では、かみさまの おかんがえどおりに なりますように、と いのりました。

かたりて4        てんしたちは、これからおこる すばらしい できごとを いわって、みんなで おどりを はじめました。

 

てんしのおどり「天の愛」

  

おどりがおわったら、おんがく(CD「アヴェ・マリア」)

 

―おんがくがはじまったら、てんしたちは たいじょうする。

―マリアのぞうを、みぎておくにかたづける。

  

かたりて1     そのころ、じんこうちょうさがあり、マリアさんとヨセフさんは、べつれへむのまちに でかけていきました。

かたりて2        もうじき、あかちゃんがうまれるので、ヨセフさんは、マリアさんをいたわりながら たびをしました。

かたりて3        マリアさんとヨセフさんが べつれへむというまちについたとき、やどやがいっぱいで、とまることができませんでした。

かたりて4        そのばんは、やっとさがした うまごやに とまることになりました。

 

―かたりのあいだに、ひつじかいたちと、ひつじたちが ぶたいにでてくる。ぶたいのちゅうおうには、たきび(せっと)がある。ひつじたちはすわる。

 

かたりて1     そのころ、べつれへむのまちはずれでは、ひつじかいたちが、よどおし ひつじのばんを していました。

 

ひつじ1         めえ、めえ、しずかなよるだなあ。

ひつじ2(2)    めえ、めえ、おほしさまがきらきらしている。

ひつじ3          めえ、めえ、こんやは、なにかがおこりそうだなあ。

ひつじ4(2)    めえ、めえ、きっと、なにかがある

ひつじたち(ぜんいん) めえ、めえ、めえ、めえ。

 

ひつじかい1(2)        ひつじたちが、さわいでいるけれど、どうしたんだろう?

ひつじかい2(2)        そうだね。こんやは、ほしのひかりが いつもとちがうようだし……。

ひつじかい3(2)          みんなしずかに……おや? なにかがきこえる。

 

(てんしたち、でてくる)

 

てんし4(3)     きょう、べつれへむで、すくいぬしがおうまれになりました。

てんし5(3)     このかたは、ひとびとから きりすととよばれるでしょう。

 

ひつじたち        めえめえ。ずっと まっていたことが ほんとうになったんだね。

 

ひつじかいたち      さあ、みんなで おどりながら あかちゃんの すくいぬしに あいに いこう!

 

ひつじかいとひつじたちのおどり「ディン・ドン・ディン」

 

(おどりのまえに、てんしたち たいじょうする)

 

かたりて2     てんしの おつげをきいた ひつじかいたちは、おどりながら いそいで、あかちゃんのいる べつれへむのまちに むかいました。

 

(おどりのあと、ひつじかいたちと、ひつじたちは、たいじょうする。)

 

ひつじたち(ぜんいん) めえ、めえ、めえ、めえ。

 

(ひつじかいとひつじがいなくなったら、たきびをかたづける)

 

―ぶたいのよこから、つえをてにした5にんのはかせとらくだたちが、ぶたいのまえにゆっくりむかう。そして、あたりをみわたしながら、ぶたいのうえにあがる。

 

おんがく(あるいているあいだCD「リトル・ドラマー・ボーイ」をながす。ぶたいにのぼってからフェードアウト。)

 

らくだ1(2)       だいぶ とおくまで あるいてきたね。

らくだ2(2)        いったい いつになったら すくいぬしの ところに いけるんだろう。

らくだ3(2)        はかせたちなら、きっとすぐ つれていって くれるよ。

 

はかせ1         すくいぬしは、もう うまれたのかなあ。

はかせ2         (うえをゆびさして)ほら、うえを みて。わたしたちを あんないしてくれた、あのほしが、かがやいている。

はかせ3         すくいぬしがおうまれになった!

はかせ4         このせかいに へいわが やってきたんだ!

はかせ5         さあ、すくいぬしの ところに いそいでいこうよ!

 

 はかせたちと らくだたちの おどり「歌え!生まれた王に!」

 

おどりがおわったら、そのまま のこってすわる。

ぶたいをくらくする。

 

かたりて3        こうして、ひつじかいとひつじたち、また、はるばるやってきた、ひがしのくにのはかせたちと らくだたちは、べつれへむのうまごやにつくことができました。

かたりて4       そして、かみのこ、イエスさまのおたんじょうを、おいわいしたのです。

 

―かたりてがはなしているあいだに、ぶたいちゅうおうにだいをおき、マリアのぞうと そのまえに あかちゃんイエスの にんぎょうを おく。そして てんし、ひつじかい、ひつじもでてきて、ぜんいんが マリアとイエスのまわりをかこむ。

かいじょうのでんきをはんぶんくらいつける。

 

かたりて(ぜんいん)        うまれたばかりのイエスさまのまわりに みんながあつまりました。さあ、みんなで うたを うたいましょう。「あめのみつかいの」です。

 

がっしょう「あめのみつかいの」カトリック聖歌集121を 2ばんまで さんかしゃ みんなで がっしょうする。

 

―うたがおわると、かたりてぜんいんが ぶたいちゅうおうにでて ならぶ。

 

かたりて(ぜんいん)   みなさん、クリスマス おめでとうございます。

かたりて(1と2)   らいねんは、イエスさまがうまれて2000ねんになります。

かたりて(3と4)   かみさまの しゅくふくを いっぱい うけて、よい いちねんとなりますように。

かたりて(ぜんいん)   では、さいごに このよろこびを おどりにしてみましょう!

           

 ぜんいんのおどり「楽しいクリスマス」

 

―おどりがおわったら、ぽーずをきめる。

 

(はくしゅがあったら、ならんで おじぎをする。)

―おしまい―

 

(作・演出 ちはらみちあき、 振り付け 旧こまくさ保育園職員)