人の構造と機能 I

東京電子専門学校臨床工学科の講義、安藤が担当する人の構造と機能Iの理解を深めてもらうためのブログです。

ふじみ野市で「元気・健康フェア」が開催されます

2015-05-23 21:38:10 | Weblog
ふじみ野市の創立10周年を記念し、ふじみ野市は「元気・健康都市宣言」をしたそうです。その記念事業として、「元気・健康フェア」を6月7日に開催します。
その中で私は「元気・健康クイズにチャレンジ」を担当します。他にも健康に関連したイベントがたくさん開かれますので、お時間がありましたらぜひご参加ください。

推薦図書

2014-10-26 21:38:45 | Weblog
ニュートンの11月号は人体大図鑑が特集。イラストが非常にわかりやすいので、ぜひ手にとって読んでみて下さい。
http://www.newtonpress.co.jp/newton/back/bk_201411.html

医療系学生のためのサマーキャンプのご案内

2013-07-02 17:59:34 | Weblog
昨年もご案内しましたが、医療系学生向けのサマーキャンプがあります。
「医師のキャリアパスを考える会」です。名前はどう見ても医学生向けですが、医療系学生、看護学生など将来医療者を目指す皆さんが対象だそうです。

東京電子専門学校非常勤講師引退のご挨拶

2013-04-11 19:01:02 | Weblog
皆さん、お元気ですか。

私の講義の予定もありませんので、このブログを見る人も少ないかもしれませんが、このたび、非常勤講師を引退させていただきましたので、ご挨拶させていただきます。

平成9年から非常勤で講義を担当して参りました。「人の構造と機能」の消化器に始まり、医学史、医学概論、「人の構造と機能」の血液、呼吸器、心臓と広い分野にわたって講義をして参りました。十分なことを教えられたとは思えませんし、もしかしたら間違ったことを教えてしまったのではないかという不安さえあります。とはいえ、医療従事者の卵である皆さんと多くの時間を共有し、医療現場の先輩として、皆さんに現場での心構えなどを少しは伝えられたのではないかと思っています。平成12年には大学病院を辞め、実家の診療所を継いで町医者となっていましたので、まさかこんなに長く続けることになるとは思っていませんでした。町医者として年数も経ってくると、地域医療の担い手として、往診で診ている患者さんも増え、木曜日に往診をすることが多くなったり、木曜日に当たる医師会の仕事が多くなったりと、毎週木曜日に講義のために東京に出てくることが厳しくなってきました。ここ数年は、今年が最後と自分に言い聞かせながらも、新しい年度が来ると、もう一年やってみようか、と思い直すことの繰り返しでした。医療従事者を育てることは、多くの患者さんを救い、癒しとなることにつながると思っていますので、この仕事に私自身は大きな夢を感じていました。無理をしてでも続けたいという思いではありますが、この2-3年はかなり無理をしてきました。お引き受けして途中で投げ出すようなことになる前に、やめるべきだろうと思い、今年は決心しました。

学生の皆さんは、患者さんに対する優しさを忘れず、臨床工学技士の仕事にプライドを持ち、しっかり勉強して、いい技士になってください。いつかどこかで立派になった皆さんと再会できることを楽しみにしております。

このブログは残して、何か思いついたら書き込みをしていきたいと思います。

追試も終了

2012-09-29 08:45:29 | Weblog
皆さん、お元気ですか。

追試の採点も終わりました。さすがに皆さんできていました。

あと2年ちょっとで医療現場で働くことになります。

医療現場では、皆さんの前で、患者さんは悩んだり、苦しんだり、様々な素顔を見せることでしょう。どう対応していいかわからないだろうと思います。どう対応したらいいのか、皆さんも悩むことでしょう。すぐに答えを見つけようとしなくてもいいのです。講義でのお話ししたように、患者さんの話を聞き、また、患者さんが話しやすい対応するよう心がけて下さい。それだけでいいのです。そして知識と技術も習得していって下さい。

どこかの医療現場でお会いできるのを楽しみにしています。

終講試験の結果

2012-09-22 09:33:18 | Weblog
皆さん、お元気ですか。

昨日終講試験の答案が届きました。マークシートの問題はかなり苦戦したようですね。国家試験はマークシートですから、こういう問題にも早く慣れてください。

採点は、レポート提出の点も加えて8点おまけしています。

問題39の心臓の解剖図では、「僧帽弁」の漢字の間違いがありました。憎や幅ではないので注意しましょう。

問題40の肺の解剖図では、「気管支」の支を肢や枝、師と間違えている人がいましたよ。

問題41は、教科書の表17.18を参考に文章にしてくれればいいのです。心機能については、一回拍出量、心拍数が増え、分時拍出量が増えるということ、肺機能については、一回呼吸量、呼吸数が増え、分時呼吸量がふえるということがポイントです。皆さんの中には、体温が上がってヘモグロビン酸素解離曲線が右にシフトすることにも触れている人がいました。すばらしい解答だと思いました。また、運動することによって肺活量や一秒量が増える、と書いている人がいましたが、運動によって肺活量は変化しません。一秒量も運動とは関係のないものです。

追試に備えて、今回の問題はよく復習しておくように。

終講試験の解答、解説(問題39~41)

2012-09-21 18:05:09 | Weblog
終講試験の解答、解説。穴埋め、記述の分です。


問題39 下図は心臓の断面図である。(1)~(7)の名称を記入せよ。



答:1上大静脈、2三尖弁、3(左)肺動脈、4(左)肺静脈、5左心房、6僧帽弁、7大動脈

問題40 下の図は肺の解剖図である。(1)~(8)の名称を記入せよ。



答:1気管、2右(主)気管支、3左(主)気管支、4右上葉、5右中葉、6、右下葉、7左上葉、8左下葉

問題41 (記述問題): 高原の芝生に寝転び、気持ちよく寝ていたところ、雷が発生したからすぐに小屋に戻るように知らせを受けました。小屋は小高い丘の上にあり、そこまで全力で走って行かなくてはいけません。このときに起こる心肺機能の様々な数値の変化について述べなさい。

答のポイント:仰臥位から一気に運動負荷がかかる状態です。心肺系については、心拍出量、心拍数、分時拍出量、一回呼吸量(換気量)、呼吸数、分時呼吸量が増えます。それらが数値としてどのくらい変化するかを記載して下さい

終講試験の解答、解説(問題32~38)

2012-09-21 18:04:48 | Weblog
終講試験の解答解説の続き、呼吸器の分です。

問題32 気管、気管支について正しいものの組み合わせはどれか
a. 気管の長さは約2~3cmである
b. 右気管支は3本の葉気管支に分かれる
c. 右上葉気管支は3本の区域気管支に分かれる
d. 左上葉気管支は4本の区域気管支に分かれる
e. 呼吸細気管支は軟骨で覆われている
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
気管支の長さは2~3cmです。呼吸再気管支は軟骨では覆われておらず、平滑筋で虚脱を防いでいます。

問題33 気管支、肺胞が虚脱しない仕組みとして正しいものの組み合わせはどれか
a. 細気管支、呼吸細気管支の周囲を平滑筋が覆っていること
b. 肺胞の内側をサーファクタントが覆っていること
c. 胸腔内圧が陰圧であること
d. 嚥下時に喉頭蓋が喉頭を覆うこと
e. 吸気時に外肋間筋が収縮すること
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:1
a, b, cいずれも重要です。d, eは関係ありません。

問題34 正しいものの組み合わせはどれか
a. 嚥下の際には喉頭蓋が喉頭上部を閉鎖する
b. 声帯は発声の際に振動する
c. 声帯の動きは反回神経で司られている
d. 食道は気管の前を走行する
e. 誤嚥は健康な人には起こらない現象である
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:1
気管が食道の前です。健康な人でも「むせる」ことがありますが、それも誤嚥の一種です。

問題35 以下の図はスパイログラム(呼吸曲線)である。A, B, C, D, Eの計測値は何か。下の表のうち、正しいものはどれか。



答:4

問題36 一秒率について正しいものの組み合わせはどれか
a. 1秒間に吸い込むことのできる吸気量の一回換気量に対する割合である
b. 1秒間に吐き出すことにできる呼気量の努力肺活量に対する割合である
c. 肺気腫では一秒率が低くなる
d. 喘息の発作時には一秒率が低くなる
e. 一秒率が高いと呼吸数が多くなる
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
肺気腫、喘息の発作時には気管支がもろくなったり、気管支が狭窄するために一秒率が低くなります。一秒率と呼吸数は直接は関係ありません。

問題37 酸素、二酸化炭素の運搬について正しいものの組み合わせはどれか
a. 血液中の酸素の21%は赤血球中のヘモグロビンに結合する
b. 血液中の酸素のうち一部は血漿中に溶けている
c. 血液中の二酸化炭素の約45%は血漿中でHCO3-となる
d. 血液中の二酸化炭素の約10%は赤血球中のヘモグロビンに結合する
e. 血液中の二酸化炭素の約45%はCO2として血漿中に溶けている
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
血液中の酸素のほとんどは赤血球中のヘモグロビンに結合しています。酸素の3%は血漿中に溶けています。二酸化炭素は45%はHCO3-となって血漿中に溶けており、10%は二酸化炭素として溶解しています。

問題38 換気のメカニズムについて正しいものの組み合わせはどれか
a. 吸気時には内肋間筋が収縮する
b. 吸気時には横隔膜が弛緩する
c. 呼気時には横隔膜の位置が上がる
d. 吸気時には胸郭が上がる
e. 吸気時には肺胞内圧は大気圧より低くなる
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:5


終講試験の解答、解説(問題19~31)

2012-09-21 10:02:42 | Weblog
終講試験の解答の続きです。問題19~31の心臓の分です。その続きはもう少しお待ち下さい。


問題19 体循環の血液について正しいものの組み合わせはどれか
a. 循環血液量の約90%が体循環の中にある
b. 安静時は体循環血液量の約20%が冠状動脈に流入する
c. 安静時は体循環血液量の約50%が脳に流入する
d. 安静時は体循環血液量の約23%が腎臓に流入する
e. 筋肉への血液量は、安静時に比べ運動時には30倍にまで増える
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:3
ちょっと難しい問題ですが、授業中に黒板に書きましたよ。国家試験にこれと似た問題が出ていました。冠状動脈に流入するのは体循環血液量の20分の1(5%)です。脳循環は15%です。50%は多すぎると気づけばbとcは間違いなので、a, d, eが正しいとわかります。筋肉への血液量は、安静時は体循環の16%といわれていますが、運動時は30倍にも増えます。

問題20 血液循環について正しいものの組み合わせはどれか
a. 肺動脈には動脈血が流れている
b. 下大静脈には静脈血が流れている
c. 三尖弁を通る血液は静脈血である
d. 大動脈には動脈血が流れている
e. 冠状動脈には静脈血が流れている。
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
肺動脈に流れているのは静脈血。

問題21 心臓の弁について正しいものの組み合わせはどれか
a. 三尖弁は半月状の構造をしており、収縮期に右心房側に反転して血液が逆流することを防いでいる
b. 大動脈弁には腱索が結合しており、拡張期に左心室側に反転して血液が逆流することを防いでいる
c. 僧帽弁は2枚の弁膜からなっている
d. 肺動脈弁は3枚の弁膜からなっている
e. 三尖弁は3枚の弁膜からなっている
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:5
半月状をしているのは大動脈弁と肺動脈弁。腱索が結合しているのは三尖弁と僧帽弁。

問題22 以下の値の単位として正しいものの組み合わせはどれか
a. ヘモグロビン値・・・・・・・・・・・g/dl
b. 白血球数・・・・・・・・・・・・・・個/ml
c. 左心室内圧・・・・・・・・・・・・・ミリシーベルト
d. 心拍出量・・・・・・・・・・・・・・ml/分
e. 肺活量・・・・・・・・・・・・・・・ml
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:3
白血球数は個/μl。

問題23 心内圧の変化について正しいものの組み合わせはどれか
a. 収縮期緊張期の右心室内圧は7mmHgから100mmHg以上に上昇する
b. 収縮期駆出期の右心室内圧は右心房圧より低い
c. 収縮期駆出期の左心室内圧は140mmHgに達する
d. 収縮期緊張期では左心室内圧は大動脈圧より低い
e. 拡張期充満期では左心室内圧は左心房内圧より低い
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:5
右心室内圧は収縮期には32mmHg程度まで上昇します。100mmHg以上に上昇するのは左心室内圧。収縮期緊張期では心室内圧は心房内圧より高くなります。

問題24 三尖弁が開いているのはどのタイミングか。正しいものを一つ選べ。
1. 収縮期緊張期のはじめから収縮期緊張期の終わりまで
2. 拡張期弛緩期のはじめから拡張期充満期の終わりまで
3. 収縮期駆出期のはじめから収縮期駆出期の終わりまで
4. 拡張期充満期のはじめから拡張期充満期の終わりまで
5. 拡張期弛緩期のはじめから拡張期弛緩期の終わりまで

答:4

問題25 心周期について正しいものの組み合わせはどれか
a. 健常人の安静時では、収縮期は約0.15秒間、拡張期は0.7秒間続く
b. 拡張期充満期の早期に心房が収縮する
c. 健常人では、左心系の収縮期の始まりは右心系の収縮期の始まりより0.10秒ほど遅い
d. 拡張期に心室に満たされる血液量の20%程度が心房の収縮によるものである
e. 心房の収縮は心室の収縮より0.12~0.20秒前に起こる
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:3
心房の収縮は拡張期充満期の最後です。左心系と右心系は同期しています。

問題26 心音、心雑音について正しいものの組み合わせはどれか
a. II音は大動脈弁の閉鎖に伴って聴かれる
b. I音は房室弁の閉鎖に伴って聴かれる
c. I音は拡張期弛緩期に聴かれる
d. 心臓に異常がなければ心雑音は聴取されない
e. I音からII音までの時間と、II音からI音までの時間では前者の方が短い
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:2
I音が聴かれるのは収縮期緊張期。小児では健常でも心雑音が聞かれることがあります(無害性雑音、機能性雑音といいます)。

問題27 刺激伝導系について正しいものの組み合わせはどれか
a. 洞房結節(洞結節)で発生した刺激はケント束を通って心室へ伝わる
b. 心房に広がった刺激が房室結節に集まり、心室へ伝わる
c. 房室結節からヒス束、右脚、左脚、プルキンエ線維へと刺激が伝わる
d. 刺激伝導系を刺激が伝わる速度は、心筋を刺激が伝わっていく速度より速い
e. 刺激伝導系は特殊な神経線維でできている
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答え:4
ケント束は不整脈の原因となる異常な伝導路。刺激伝導系は特殊心筋でできています。

問題28 心電図について正しいものの組み合わせはどれか
a. 心電図の25mmは1秒に相当する
b. 心電図のP波は心房の興奮に相当する
c. 胸部誘導では、黒色の電極はV5である
d. 肢誘導では、赤色の電極は左腕につける
e. 心電図のT波は心房の再分極に相当する
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:1
肢誘導の赤は右腕。T波は心室の再分極を表します。

問題29 次の心電図のうち、心拍数75の洞調律の心電図に最も近いものはどれか。



答:2
洞調律ですからRR間隔が不規則なものはまず除外し、RR間隔が一定で20mm程度のものが正解となります。

問題30 心機能の数値に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか
a. 分時拍出量は安静時も運動時も変化しない
b. 一回拍出量は拡張期末期容量から収縮期末期容量を引いたものに相当する
c. 分時拍出量は心拍数×一回拍出量で算出される
d. 臥位のときに比べ、座位のときは心拍数が増える
e. 運動時には一回拍出量が300mlまで増える
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
運動時には一回拍出量も心拍数も増え、分時拍出量も増えます。しかし、一回拍出量は拡張期末期容量から収縮期末期容量を引いたもので、心臓の大きさには限りがありますから、多くなっても100ml程度までです。

問題31 交感神経、副交感神経および、それらの心機能への影響について正しいものの組み合わせはどれか
a. 交感神経の働きが優位となると心拍数が増える
b. 交感神経の働きが優位となると刺激伝導系の伝導速度が速くなる
c. 副交感神経の働きが優位となると一回拍出量が増える
d. 副交感神経の神経伝達物質はGABAである
e. 交感神経の神経伝達物質はアドレナリンである
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:2
交感神経の働きが優位となると心拍数が増え、刺激伝導系の伝導速度が速くなり、一回拍出量も増えます。副交感神経の神経伝達物質はアセチルコリンです。

終講試験の解答、解説(問題1~18)

2012-09-21 09:58:32 | Weblog
皆さん、19日の終講試験はいかがでしたか。解答を掲載しますので、参考にして下さい。

まずは、問題1~18の血液の分です。


人の構造と機能Ⅰ 終講試験 2012

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問題1 下の図は血液型A型の人の血液を採血し、遠心分離したものです。



星印の部分に含まれるものの組み合わせで正しいものの組み合わせはどれか。
a. γグロブリン
b. ホルモン
c. 抗A抗体(凝集素)
d. ヘモグロビン
e. 二酸化炭素

1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:2
この血液はA型の血液ですから、抗A抗体(凝集素)は存在せず、抗B抗体があります。ヘモグロビンは赤血球の中にありますから血漿中にはありません。

問題2 患者さんのABO式血液型を判定するために必要なものの組み合わせはどれでしょう
a. 抗A凝集素
b. 抗B凝集素
c. 供血者の血漿
d. 電気泳動装置
e. スライドガラス
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:2
血液型判定だけであれば供血者の血液は関係ありません。電気泳動も血液型判定には使いません。

問題3 交差適合試験について正しいものの組み合わせはどれか
a. 新鮮凍結血漿(FFP)を輸血する場合は主試験のみ行う
b. 濃厚赤血球(MAP)を輸血する場合は副試験のみ行う
c. 主試験と副試験の両者を必ず行う
d. 供血者の血球と受血者の血漿の反応をみるのが主試験である
e. 輸血の前には必ず行う
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:5
血漿だけ輸血するのだから供血者の血球との反応は調べなくてもよいのではないか、あるいは、赤血球だけ輸血するのであれば供血者の血漿との反応は調べなくてもよいのではないか、と考えがちですが、必ず主試験、副試験の両者を行います。

問題4 ヘマトクリット値について正しいものの組み合わせはどれか
a. 血液を電気泳動することによって測定する
b. 健常成人の正常値は約58%である
c. 貧血の患者さんでは数値が小さくなる
d. 貧血の原因を推測する上で重要な値である
e. 採血してから1時間以内に結果を得ることができる
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:5
血液を遠心分離して測定します。正常値は42%です。血液を遠心分離するだけですから、すぐに結果が得られます。

問題5 古くなった赤血球の分解、再利用について正しいものの組み合わせはどれか
a. 古くなった赤血球は膵臓で分解される
b. タンパク質の合成に再利用される
c. 新しい赤血球の材料の一部となる
d. 脂肪を分解する消化液の成分の一部となる
e. 膿となる
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
古くなった赤血球は脾臓で分解され、ヘモグロビンは分解され、グロビンはアミノ酸に分解されて当たらし蛋白質合成に使われます。ヘムから分離した鉄分子は新しい赤血球の材料となり、ビリルビンは脂肪を分解する消化液である胆汁の成分です。

問題6 血液の働きとして正しいものの組み合わせはどれか
a. 緩衝機能
b. 膠質浸透圧の維持
c. 細菌の貪食
d. 食べたものの脂肪の分解
e. 記憶の維持
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:1

問題7 末梢血液中の白血球分画について正しいものは1~5のうちどれか




答:3

問題8 分葉核好中球と桿状核好中球について正しいものの組み合わせはどれか
a. 末梢血液中では通常は分葉核好中球の方が桿状核好中球より多い
b. 感染などの際には桿状核好中球の比率が通常より高くなる
c. 分化の過程で、分葉核好中球が桿状核好中球に分化する
d. 分葉核好中球の比率が高くなる変化を核の左方移動という
e. 分葉核好中球と桿状核好中球の比率が変化するのは、組織や骨髄から血中に白血球が移行することが関係している
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:2
桿状核好中球から分葉核好中球へと分化し、通常末梢血中には分葉核の方が多く存在していますが、感染などの際には桿状核好中球が増えます。桿状核好中球の比率が高くなる現象を核の左方移動といいます。

問題9 輸血製剤について正しいものの組み合わせはどれか
a. 献血した血液はすべてその日のうちに輸血に使われる
b. 輸血後GVHDを予防するため、輸血製剤には紫外線を照射する
c. 輸血後GVHDは供血者のリンパ球が患者さんの体内に入るために起こる反応である
d. 濃厚赤血球は、供血者の血液から血漿と白血球分画を除いたものである
e. 献血した血液は、赤血球、血小板、血漿に分けられるので、一人の献血者の血液が複数の患者さんに使われる
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:5
保存して有効期限内に使われます。輸血後GVHDの予防には放射線が照射されます。

問題10 顆粒球について正しいものの組み合わせはどれか
a. 健常人の白血球の中では顆粒球の比率は50%以上を占める
b. 末梢血液をギムザ染色したときの顆粒の色で顆粒球の種類を分類している
c. 酸性の顆粒を有するのが好酸球である
d. ギムザ染色で赤く染色される顆粒を有するのが好塩基球である
e. ギムザ染色で青く染色される顆粒を有するのが好中球である 
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:1
ギムザ染色で赤く染色される顆粒を有するのが好酸球、青く染色される顆粒を有するのが好塩基球。

問題11 輸血用血液製剤に放射線を照射する理由として正しいものはどれか。一つ選べ。
1. 供血者のリンパ球のDNAを切断するため
2. 血液製剤中の細菌を死滅させ、滅菌するため
3. 血液製剤に混入した血小板を除去するため
4. 血液製剤に含まれる古い赤血球を除去するため
5. 活性化した白血球を除去するため

答:1

問題12 白血球数について正しいものの組み合わせはどれか
a. 健常者では血液1mm3中に約500個ある
b. 血液中に存在する白血球は体内の白血球の一部であり、多くは組織中に存在する
c. 白血球は血液中と組織中とを行き来している
d. 感染症の際には血液中の白血球数は増加する
e. 健診で行った血液検査で白血球数が基準値をわずかでも下回った場合は早急に精密検査が必要である
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
1mm3中に約5000個あります。基準値はあくまでも健康な人の平均値ですから、多少下回ったり上回ったりしたからといって、すぐに精密検査をする必要はありません。もちろん大幅に下回ったりした場合は精密検査が必要です。

問題13 白血球分画に関する下記の記載のうち正しいものの組み合わせはどれか
a. 単球は組織でマクロファージに分化し免疫グロブリンを産生する
b. Bリンパ球は形質細胞に分化する
c. 好塩基球は肥満細胞に分化し、アレルギーの際に顆粒を放出する
d. 桿状核好中球は分葉核好中球に分化する
e. Tリンパ球は巨核球に分化する
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:4
単球は組織で貪食をし、抗原提示細胞として働きます。巨核球は血小板のもととなる細胞です。

問題14 リンパ組織について正しいものの組合わせはどれか
a. 脾臓は左肋骨の下にある
b. 胸腺は恥骨の裏にある
c. リンパ節には1本の輸入リンパ管と複数の輸出リンパ管がつながっている
d. 胸腺では自己抗原に反応するT細胞の除去が行なわれる
e. 右上半身から集まったリンパは右リンパ本幹に集められる
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:3
胸腺は胸骨の裏にあります。リンパ節には複数の輸入リンパ管と1本の輸出リンパ管がつながっています。

問題15 白血球が細菌を貪食する際の記載として正しいものの組み合わせはどれか
a. 細菌に対して白血球が遊走して近づいていく
b. 細菌を細胞質内に取り込み、分解酵素で細菌を分解する
c. 一つの白血球が複数の細菌を貪食する
d. 細菌に接した段階で白血球から分泌される酵素で細菌を殺して貪食する
e. 白血球内で分解された細菌は白血球から放出される
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:1
細菌を細胞質内に取り込んで分解します。いくつかの細菌を貪食することができます。細菌を貪食した白血球はそのまま死滅して膿になります。

問題16 内因性凝固系に含まれる因子の組み合わせはどれか
a. 第Ⅹ因子
b. 第Ⅶ因子
c. プラスミノーゲン
d. 第XI因子
e. 第IX因子
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:2
内因性に含まれるのは7,2,9,10で、「なにくそ」と憶えます。

問題17 線溶系を促進するものの組み合わせはどれか
a. ウロキナーゼ
b. 組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)
c. ストレプトマイシン
d. アミラーゼ
e. ストレプトキナーゼ
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:2
ストレプトマイシンは抗生物質、アミラーゼは消化酵素。

問題18 ヘパリンとワーファリンについて正しいものの組み合わせはどれか
a. ヘパリンもワーファリンも注射製剤である
b. ヘパリンの投与中には納豆は食べてはいけない
c. ヘパリンには血小板凝集を抑制する働きがある
d. ワーファリンは肝臓での凝固因子の生成を抑制する
e. ワーファリンの効き具合はプロトロンビン時間(PT-INR)で判断する
1. a, b, c 2. a, b, e 3. a. d, e 4. b, c, d 5. c, d, e

答:5
ワーファリンは飲み薬。納豆を食べると薬の効きが悪くなるのはワーファリン。